この記事を人に教える

天王寺寺町巡り (1) お骨佛の寺・一心寺

この記事を人に教える

【キュレーションメディア等、他サイトへの記事中の文章・画像無断転載厳禁】

「古都」という括りで関西を見るとどうしても京都や奈良が目の前にあるために大阪の存在感が薄くてしょうがないのだが、大阪もれっきとした古都であり、天王寺区の上町台地に沿って夥しい数の寺院が寄り添う寺町が形成されている。
聖徳太子が建立した四天王寺はもちろん、その周辺にも沢山の寺が点在しているが、上町台地を昇ったり降りたりしながら大阪を代表する天王寺の寺町をがっつり散策する機会がなかったので、先日歩き回ってみた。
106-53.jpg
あまりにも有名過ぎる四天王寺は端折って、まずは一心寺へ。
天王寺駅から茶臼山のホテル街を横目に谷町筋を北上するとその先に一心寺がある。大阪人が派手好きという訳だからではないが山門からしてブッ飛んでいる。万博広場かよ。いかめしい顔の仁王像が両側に立ち尽くすが、そんな仁王像に負けない顔つきのおばちゃん参拝者がひっきりなしに訪れる。


106-54.jpg
寺の山門というにはあまりにミスマッチな外観だが、重厚な両側の扉には豪勢に4人の天女のレリーフが彫られている。
本来は大阪城から移築した黒門(玉造御門)が山門として使われていたが大阪大空襲で焼失した後、この前衛的な山門が再建された。1997年に彫刻家神戸峰男氏によって作られたものである。
106-55.jpg
つかみの時点ですっかり「ゴージャス系珍寺」として認識してしまう他ないのだが、本来ならお盆にしかやらない施餓鬼供養が年がら年中出来る事や、遺骨をかき集めて作った「お骨佛」がある事で、大阪では超有名な寺。参拝客の姿が絶える事はない。
106-61.jpg
山門を潜ってすぐ正面に六角屋根の念仏堂。ここで祈祷の受付を行っている。いつも信仰熱心なおばちゃんが行列を組んでいる姿が見られる。
106-56.jpg
しばらく奥へ入ると立派な本堂が姿を現す。境内は大阪大空襲で一度焼失してしまっているので、全て戦後に建てられたものだ。本堂へのお参りもそこそこに、参拝者の人の波はさらに境内の奥へと流れて行く。
106-57.jpg
その奥にあるのが一心寺の肝「納骨堂」である。明治期以来、宗派を問わず幅広く遺骨を受け入れており全国各地から沢山の遺骨が集まってくる。その遺骨を使って仏像を作るという、ちょっと引いてしまいそうになる独自のしきたりが120年以上も続けられているのだ。
106-58.jpg
納骨堂の中には遺骨で作られた「お骨佛」が鎮座している。もっとも多くの参拝者達はお骨佛に向かい真剣な眼差しで拝みにやってくる。その辺の寺とは決定的に違う光景である。
106-60.jpg
お骨佛はほぼ10年おきに完成し、その度納骨堂の中へ安置されていく。その数は計7体。実はそれ以前のお骨佛は大阪大空襲で全て灰燼に帰しており現存しない。本来なら13体あったはずだが、そのうち6体が存在しない事になる。
106-59.jpg
もうもうと線香鉢から上がる煙に遮られ納骨堂の中のお骨佛の姿はあまり視認する事が出来ない。さすがに遺骨から出来ているというだけあってカルシウム分豊富そうな白いボディの仏様のお姿がそこにある。
106-123.jpg
なお、山門の外に出て反対側に行くとやたら近代的なコンクリート打ちっぱなしの三千佛堂。歴史ある寺だというのにこの前衛的過ぎなセンスは何なのだろうか。そこに隣接して演劇・落語などを行うイベントホール「一心寺シアター倶楽」がある。
106-52.jpg
三千佛堂の中には円形に配置された黄金の仏像(千躰佛)が千体きっちり並べられる予定で、参拝者の寄進で完成させる予定でいるそうだ。三千体もおらんやん、と思ったが回廊を三周すると「三千佛」という寸法らしい。
しかしまあこのド派手っぷり。石川県加賀温泉のユートピア加賀の郷(現・豊星寺)のバブリーさを彷彿とさせる。当初のあそこのオーナーも大阪の不動産会社だったが、やっぱり大阪人は派手好きなんですかね。
106-124.jpg
さらに一心寺の裏側に回ると妙にひと気の少ない路地が隠れている。天王寺公園に抜ける道だが、夜な夜なゲイな方々が集まる有名なハッテン場らしく、たまたま通りがかったら胡散臭い他県ナンバーの車がズラリと何かを待ってるように並んでいる光景が見られる。寺の中も外もやたらカオスな場所だ。

珍寺大道場
珍寺大道場

posted with amazlet at 11.04.15
小嶋 独観
イーストプレス
売り上げランキング: 298303
ワンダーJAPAN (2) 2006 SUMMER
三才ブックス
売り上げランキング: 42430
The following two tabs change content below.
DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
タグクラウドから記事を探す
スポンサーリンク
DEEP案内編集部のnote

知ってました?DEEP案内編集部のnote

ネット上で大っぴらにするのはちょっと憚られる内容の記事は「DEEP案内編集部のnote」で書く事もたまにございます。全て100円からの有料記事となっておりますので興味のある方のみご利用下さい。

この記事を人に教える

スポンサーリンク
トップへ戻る