【大阪市無駄物件図鑑】大阪市職員福利厚生御殿「ヴィアーレ大阪」

大阪・中央区安土町。オフィス街の中にポツンと建っている「ヴィアーレ大阪」という施設。宴会場とホール、結婚式場、そしてホテルを備えた何の変哲もない施設だが、これが実は大阪市職員互助組合(現・財団法人大阪市職員互助会)が建てた施設なのだ。ついでに上層階には大阪市住宅供給公社のマンション「コーシャハイツ安土町」、地下には市営安土町駐車場が一体化した建物である。総工費60億円。


ちなみに、市の互助組合の建てたもので、完成時に大阪市が所有していたものではなかったので本来は固定資産税の課税対象となっていたのだが、互助組合側が建設後すぐに大阪市に土地建物を「寄付」して市有財産化。固定資産税の課税を逃れていた事が明らかになっている。それから大阪府に支払うはずの不動産取得税も逃れていた為、後に追徴課税を受けている。

見た目は何の変哲もないホテルなのに、実は市の組合がこういうものを建てていたというのもミステリアスである。そもそも建設費用の60億円の出所は市職員の組合費からである。組合費は職員の給料から天引きされる。つまり大阪市民の税金だ。さらには大阪市民の税金で食べている大阪市の職員なのに全く市民の方を向かず組合活動に専従する「ヤミ専従」問題も浮上した。2006年頃に表沙汰になった「大阪市職員厚遇問題」における一つのケースである。

早速中に入ってみる。ややこじんまりとしているものの三ツ星クラスのホテルのロビーだと言える。当然ながら一般客の利用も出来て、旅行サイトでもフツーに予約可能なのだが、互助会員である大阪市職員だけは10%-20%の割引優待価格で利用できるというのだ。

だが「ヴィアーレ」はそれだけではない。5階には「大阪市職員互助会」の専用フロアが存在する。

5階だけは華やかなホテルとは一線を画した事務的な作りになっている。しかしここが職員互助会員専用の福利厚生フロアとなっている。そこには「余暇活動支援エリア」と名付けられた宴会室、カラオケルーム、麻雀ルーム、「健康増進エリア」ことスポーツジムやサウナ、マッサージルームなど、互助会員のみが安価で施設が利用できる。

このようなパンフレットが5階に行けば置いてある。

マシンジム利用料は一回につき500円。駅前のスポーツクラブに通うよりもよほど安上がりだ。

このように会員専用ルームがいくつも用意されている。和室、洋室の両方があるので用途に応じて使い分け可能。おっ、職員の皆さんが麻雀に興じてますね。

もちろん会席料理や和洋、軽食から鍋料理など、グルメも勢ぞろいである。他にも「互助会会員限定ブライダルフェア」を実施、ウエディングドレス試着、模擬チャペル式、ミニコース試食などの無料体験会もあるとか。そして大阪市職員互助会員限定プランで結婚式を挙げることも可能です。

立派なパンフレットが用意されていますので是非館内にお立ち寄りになってご覧下さいませ。ヴィアーレ大阪の、5階でございます。

ちなみに4階に下りると「ヴィアーレホール」という大ホールがある。行ってみると、何か集会が行われていた。「清掃人権問題研究会」とあるが、深く突っ込まないでおこう。

ヴィアーレ大阪の客室にも宿泊をしてみた。シングルルームは特にゴージャスぶりが際立っているわけでもなく、無難な小綺麗なビジネスホテルというべきところか。

トイレもまあまあ、普通のビジネスホテルのそれとしか言いようがないが、若干スペースにゆとりがあり、使い勝手も良い。

猛烈な職員厚遇批判を受けた大阪市と互助組合団体。2007年4月1日から、4つの互助組合(財団法人大阪市職員互助組合、大阪市交通局互助組合、大阪市水道局互助組合、財団法人大阪市教職員互助組合)はそれぞれ廃止され「大阪市職員互助会」に統合されている。

そして市内にいくつもあった互助施設はほとんどが閉鎖となり、表立って残る施設はこの「ヴィアーレ大阪」くらいとなった。2008年以降、ヴィアーレ大阪は大阪市職員互助会の運営から東急ホテルズグループの傘下になり、大阪東急ホテルの運営委託に変わっている。


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。
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