四半世紀前の震災の爪痕を未だに引きずり、そして現在はコロナウイルス変異株の猛威に苦しめられている港町・神戸。六甲山系の山々と大阪湾に挟まれた窮屈な土地を切り開いて作られたこの街には、フラットな平野や盆地に市民の大半が暮らしている大阪や京都の人間には少し理解が及ばない“苦労”というものがあるようで…
ということで今回やってきたのは神戸市の中心部である三宮から市営地下鉄西神・山手線に乗って2つ目の「大倉山駅」…ロケーション的にはJR神戸駅から少し山側に行ったところにある一帯だが、この界隈には神戸の街における近代化に伴って生じた都市スラムが元となった下町が広がり、その地域住民が度重なる“鉄砲水”によって苦しめられてきた歴史がある。古くは「宇治郷(うじのごう)」と呼ばれていた地域だ。