【パラダイスシリーズの始祖】念願の訪問「淡路島ナゾのパラダイス・立川水仙郷」

洲本市

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淡路島の南の果て、洲本市由良地区の奥地にひっそり存在する「淡路島ナゾのパラダイス」を目指しはるばるやって来た大阪DEEP案内取材班。

目指す楽園への門はようやく見えたが、肝心のパラダイスへの道は閉鎖されていた。落胆する我々だったが、封鎖されたゲートをよくよく見ると案内が書かれているのが見えた。そこに書かれた「ドライブインにおまわり下い。」の間抜けな看板に導かれてその先に進む事になった。

そのドライブインへは道沿いにそのまま進んで500メートル程の場所に見える。再び我々は車を移動させた。

ドライブインの手前で「3倍おもしろい」というよくわからないフレーズの看板を見つける。何に比べて3倍なのか、結局答えを得る事はできなかった。

「ドライブインTATSUKAWA」と書かれたこじんまりとしたドライブインだ。立川水仙郷の立川か。東京にも立川があるのですっかり「たちかわ」と呼んでいたが正確には「たつかわ」だったのか。


こんな僻地にあってドライブインと書かれた場所があるだけでもなんとなく心が安らぐものだが、車を停めていると中からオバチャンがしゃしゃり出てきた。

「パラダイス行かはります?」

水仙の開花時期でもないのでどう考えてもパラダイスにしか用事がない我々をお見通しであるかのようにニヤニヤした顔で我々を出迎えるオバチャン。

なんとも微妙なテンションで開けたパラダイスへの道だった。

そう、パラダイスへの入場料はこのオバチャンが徴収してたのね。

入場料は一人500円。駐車料金は不要だ。

お金を払い人数分の入場券を受け取ると急坂の下に広がるパラダイスへの駐車場にそのまま向かう訳だが、この先がなかなか危険な道なので運転技術に不安のある人はドライブインに車を停めて徒歩で向かう事を勧められる。

行きはまだ良いが帰り道がすこぶる怖い。パラダイスへ行くどころか奈落の底に落ちる恐れもあるので気をつけるべし。

意を決して楽園の中へ車を進め、坂道を下る。途中でおかしなオブジェが並んでいる広場があるので降りてみるとそこには…

「チンチン音頭発祥の地」

…そう書かれた謎の柱が立ちはだかっていた。

チンチン音頭とは何を隠そう「ナゾのパラダイス」のテーマソングなのである。肝心の音楽CDはパラダイス内に販売されているそうだ。

その近くには意味不明なトーテムポールと人体の一部と骸骨を模したオブジェが置かれている。なぜパラダイスに骸骨が!ここは天国かはたまた地獄か。

ちなみにこのトーテムポールの正体は「西暦二〇〇〇年記念の塔」だそうです。ますます意味がわからない。

意図する所がわからず理解に苦しむがそういうところもひっくるめてパラダイスなのだ。たぶん。

さらに「UFO神社」まで現れ、いよいよナゾのパラダイスらしくなってきた。ご神体が未確認飛行物体なのかご利益は何なのか真面目に考え出したらキリがない。どうやら表の看板にあった「厄除け円盤投げ」がここから出来たようだが現在では行っていない模様。

ドライブインの入口でオバチャンが「厄除け円盤」を売っていたらしい。とはいえそれはプラスチック製のおもちゃの円盤にマジック書きで「厄除」と書かれているだけの脱力モノだったそうだが、残念ながらその円盤らしき残骸も見当たらなかった。

施設自体、かなり寂しい事になっている。大丈夫か、ナゾのパラダイス(いろんな意味で)

立川水仙郷・ナゾのパラダイス潜入に成功した我々を最初に待ち構えていたのは、謎のUFO神社と「チンチン音頭発祥の地」と書かれた柱、変なオブジェが並ぶ広場だ。

日本全国に点在する、強力な個性を持つ一個人が作り上げた「やりたい放題」の個人博物館、個人テーマパーク的施設を総じて「パラダイス」(もしくはB級スポット・珍スポット)といった呼称で扱うようになったのは「探偵!ナイトスクープ」がこの場所を訪れたのが最初であろう。

その意味で立川水仙郷は「パラダイス発祥の地」とも言えるのだ。

テレビで放送されたのがあまりに嬉しくて、ナゾのパラダイステーマソング「チンチン音頭」の歌詞が刻まれた巨大石碑が建造された。本気で馬鹿馬鹿しすぎて笑える。

そこには上岡龍太郎・岡部まり・桂小枝の三名の名が刻まれている。

さらに作詞者として名を刻む「東田宣学」氏がナゾのパラダイスの主の名だ。

1番から6番まである歌詞にはとてもここには書けないような表現が加えられていて危険きわまりない。これは最もソフトな6番の歌詞。

「これはまいった チンチンいっぱい うれしいな」

だが歌詞が載った石碑は一つだけではなかった。1989年のナイトスクープ訪問時に次いで、1997年に世界超偉人500万人伝説の取材で再度テレビに取り上げられた際、喜びの余りかパラダイスの主は再び「チンチン音頭」の石碑を作ってしまったようなのだ。

こちらの歌詞は新バージョンの「チンチン音頭」。こっちの方が綺麗に歌詞がまとまっていて良い。もとは「らくがきソング」という名前だったそうだが、超偉人伝説の番組中に勝手に「チンチン音頭」と命名しちゃったらしい。つくづく事情がカオスだ。

パラダイスの主はさらに飽き足らず新曲の石碑を築き上げたものの無残にも倒壊してしまい真っ二つに折れていた。残る2つの石碑に支柱が添えられていたのは倒壊防止のためだったのだ。今度の石碑にはこう書かれている。

“全国お宝スポット魔境めぐりで紹介された「愛してる」 単行本 宝島社発行”

この本は1998年に出版されたものだ。本やテレビで紹介されるたびに作曲意欲が湧くのだろうか。つくづくメディア掲載が嬉しくてしょうがないようだ。

しかし「愛してる」の歌詞は口にするのも憚られる程卑猥な歌詞で埋め尽くされていた。

「ズッコンパッコン アイラブユー」

アハハ、もう笑うしかないよね。

巷では「できちゃった婚」が一般化しまくっておりで最近ではブライダル業界や結婚雑誌などが「おめでた婚」「授かり婚」などと言葉を美化して避妊を怠った過ちをはぐらかすDQNが増えているようだが、2ちゃんねらー辺りが婚前妊娠をきっかけにする結婚を総じて「ズッコンバッ婚」と呼ぼうとする動きもある。

望まれぬ命を宿すのは生まれてくる子にとって不幸である。

ナゾのパラダイスで命の大切さを学べ。

駐車場の横手には細長く続くコンクリート建築の長屋が建っているが使われている痕跡はない。昔はキャンプ場や動物園もあったようだが、この建物がそれらの施設の名残りなのかも知れない。

目指すナゾのパラダイスの建物はさらに奥にある。楽園への扉は確実に近づいている。

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