【パラダイスシリーズの始祖】念願の訪問「淡路島ナゾのパラダイス・立川水仙郷」

神戸から明石海峡大橋を越えたすぐ向こう、大阪湾に浮かぶ「淡路島」へ渡ってきた。淡路島は関西人にとってもっとも馴染みのある島であり、淡路島から、またその向こうにある四国から出稼ぎに大阪へ渡ってきた者も多い。

一般的には淡路島牛乳や玉葱の産地として有名な島だが、一方で観光の島でもあった。しかし一時期の温泉旅行ブームも去り観光地としては往時の活気を失いつつある。

もっとも、明石海峡大橋が出来てしまった事で淡路島は完全に「日帰り圏」の観光地と化してしまった要因が大きい。

今の時代、大阪市内から阪神高速経由で2時間足らずで淡路島の入口まで来れるのである。フェリーでしか行き来できなかった時代からは隔世の感がある。

今回淡路島を訪れたのは他ならぬ理由があった。淡路島最奥部・洲本市由良の山中に存在する「淡路島ナゾのパラダイス(立川水仙郷)」を訪問するためだった。

毎年1月、2月には水仙の花が咲き乱れる景勝地として名が知れているが、その一方で花のシーズン以外にも観光客を誘致しようという目論見で古くから私設秘宝館を開設しており、それが「探偵!ナイトスクープ」に紹介されて以降、元祖パラダイスとして関西圏を中心に伝説の存在となったものだ。

淡路島の最南端、洲本インターを降りて車で30分程度走り由良の集落を過ぎた先の峠道の途中、淡路島ナゾのパラダイスの存在を示す看板はこんな最果ての地まで来ることでようやく確認することができる。

本来は「立川水仙郷」という名称だけしかなかったのが、ナイトスクープに紹介されてからというもののナゾのパラダイスを自称するようになったという笑える事情がある。

今、B級スポットや珍スポットなどと言われる範疇の「ちょっと変な観光地」を面白おかしく「パラダイスを発見しました」などと伝えるテレビ番組は当時のナイトスクープが初めてだったのではないだろうか。

あの番組で桂小枝探偵が必ず担当し、シリーズ化しているパラダイス訪問編の記念すべき第一回目がここ立川水仙郷だったのである。

だが、ナイトスクープがこの地を初めて訪れてからもはや20年近くが経過しようとしている。(放送日は1989年11月4日)

ナゾのパラダイスへ続く道は何とも微妙な風景が漂っている。

道の途中に掛けられていた看板も一部取り外されているのだ。

おそらく「淡路立川水仙郷」と書かれた看板だろうか、まとめて伏せられて地面に置きっぱなしになっている。まさか…少々嫌な予感がしたがここまで来たのだから生存確認のためにここは一つ見に行くしかないだろう。

峠道から急に視界が開けた先には同じ立川水仙郷が運営する「立川平家村民俗資料館」と書かれた看板が示す一軒の建物がある。

建物横手には「世界超偉人500万人伝説紹介」と、よっぽどテレビに出た事が嬉しくてしょうがないようだ。調べてみると1997年4月に日テレ系列で放送された「たけし・さんまの世界超偉人伝説」だった。

このシリーズは大阪ミステリーゾーンというコーナーでネーポンとインドカレーを出す謎の喫茶「アジアコーヒ日の出通り店」を紹介するなど、大阪の化石物件を世に知らしめた伝説的なテレビ番組の一つだ。

どうやらナイトスクープのネタを見て二番煎じながらもこちらにも取材に来たようである。

入口の前には謎の鳥居が置かれていていやがうえに怪しさを増す。平家村というからには歴史的に落人伝説があったのだろう。こんな人里離れた秘境とも言える場所だけあって。落人の村というだけでロマンを感じるぜ。

だが肝心の施設は閉鎖されていた。ガラスドア越しに料金所受付だけが空しく残っているのが見える。テレビで何度も紹介されてしまい、すっかり気が大きくなって新しい展示施設を作ってみたものの、結局コケたみたいな感じだ。

鳥居と入口に間には向かい合うようにして立ちはだかる狛犬ならぬ謎のゴジラ像。意味不明である。顔はクッパ大魔王に似ている。

廃屋と化した平家村民俗資料館には、これまた謎めいた自作曲の歌詞が刻まれた石碑が置かれている。「人生の花」とあるが花はいつしか枯れるもの。

全国各地の秘宝館が昭和枯れすすきの如く散り行く平成の世にあって淡路島ナゾのパラダイスも同じ運命を辿っていくのか否か。目指す楽園は目と鼻の先だ。

淡路島の最果て、洲本市由良の山中を進んだ先に、目指す楽園の姿はあった。明石海峡大橋で淡路島に渡ってからというものの、ここまで来るのが結構長かった…

立川水仙郷…表向きには淡路島の2大水仙郷の一つとして昔から有名な景勝地だった場所だが、私設秘宝館とも位置づけられる「ナゾのパラダイス」を併設していることで「その筋」のマニアには超有名になってしまった。

離島の奥地にひっそり存在するというロケーションもロマンを誘ってくれる。

「ナゾのパラダイス」のゲートが見えた時、我々大阪DEEP案内取材班一行には言いようのない達成感と高揚感が漂っていた、

もっともこの場所のメインは水仙の花にあることを忘れてはならない。しかし開花時期は1月から2月ということもあって、行った季節が全然シーズンではなかった。

入口付近に並べられた看板群。これに桂小枝探偵が「ハーハー笑うところ」といちいちツッコミを入れていた。テレビで放送されていた当時と比べると一部閉鎖した施設もあるせいか、看板の一部が白く塗り潰されている。

キャンプ場、アーチェリー場、それに円盤投げなどプレイスポットも盛りだくさん!のはずだったが事前調査ではあちこち閉鎖されていることを知っていた。看板だけが何十年も置きっぱなしになっているのだ。そもそも場所が僻地もいいところだしなあ、しょうがない。

「朝日テレビ探偵ナイトスクープ紹介」と大々的に書かれているところが笑える。

朝日テレビちゃう、朝日放送やw

よほどテレビで紹介されたのが嬉しかったように思うが、この人里離れた辺鄙な場所にわざわざ人が寄り付くようになったきっかけを作ったのがテレビなのだからどう転がってもテレビ様々にならざるをえない。

最果ての秘境に現れた楽園の門。その筋のマニアにとっては狂喜乱舞の瞬間である。ほとんどの人間がこの場所目当てで来るのだろうがもし何の予備知識もない人がここを通り掛かるとどう思うのだろう。怪しすぎる。

入口から狸の置物が出迎えてくれる。こいつも相当怪しい。

狸は今後パラダイスの各所でお目にかかる事になる。もはや人より狸の方が多いような山の中だから致し方ない。

本来ならばここで駐車料金と入場料を支払って先に進むシステムになっていたようだが、現在この門は使われていない。

ガラス窓には大阪梅田HEPファイブで開催していた「探偵!ナイトスクープ展」(2008年夏開催)の告知ポスターがある。これはただのテレビ番組ではない。「ナゾのパラダイス」創生のきっかけを作ったテレビ番組なのだ。パラダイスはナイトスクープと一蓮托生の関係にある。

しかしパラダイスへ至る道は封鎖されていた…まさか潰れてしまったのか…と落胆しそうになったが違った。

淡路島南端の海岸に沿った急峻な山の中腹を縫うように走る道路、その先のドライブインに行けばパラダイスへの道は開けるようだ。楽園への入口は、あともう少しだ。

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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。
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