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和歌山・雑賀崎の生ける廃墟ホテル「七津別館 七洋園」に泊まったら想像以上の昭和空間だった (全3ページ)

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和歌山市 雑賀崎

翌朝、これ以上ないくらいの快晴。物音一つせず快適に眠れたのはさっぱり霊感がないからか。七洋園の客室の窓からは和歌山港がご覧の通り一望できる。これが昔であれば風光明媚なオーシャンビューで通っていたのであろうが、2015年の現代、ここから見える風景は…

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万葉集にも詠われた奥和歌浦の景色…ではなく和歌山港一帯に広がる工場地帯だった!紀の川河口部に広がる「新日鐵住金和歌山製鐵所」が遠目に一望できる素晴らしいファクトリービュー!工場萌えマニアにはオススメできるかも知れん。この部屋の窓からなら夜は工場夜景も独占できる事請け合いであろう。

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そして景色の右側には無残にも本当の廃墟と化してしまった「ホテル太公望」の建物がそびえているのであった。どうやらホテルの運営会社が2013年3月に破綻申請したらしく、営業を辞めてしまっている。手前のドーム型屋根を持つ展望大浴場の上を沢山のカラスが飛び回っている。今となってはカラスの巣ですか…

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iPhone6+でパノラマ撮影するとこんな感じの眺めとなっております。この景色を拝めただけで宿代5500円分の元は取れたわ。

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続いて客室外に出る。二階本館側にある「クラブ6・7・8・10」の4室のみが稼働している状況。一番奥のクラブ6からさらに奥の廊下を進むと別館と繋がっており狭めの客室が4室あるようだが、真っ暗で立ち入れる雰囲気ではないのでやめておいた。

和歌山市 雑賀崎

我々以外に誰も泊まっておらずしーんと静まり返った二階の共用廊下。リアル和製「シャイニング」かよ…自分がもしここの管理人の身ならそのうち狂って斧でも振り回しそうになるテンションだが、なぜか細かく分割されたカーペットは剥がして洗える仕様にでもなっているのか。それにしても虫の死骸がそのまんまになっていたりワイルドなお宿であるには違いない。

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二階共用部。昭和の旅館にはお決まりの卓球台がドーンと置かれているが肝心のラケットとボールがどこにもない。親父さんに言えば貸し出してもらえるかも知れんが…殺風景な壁には十二分に埃を被って灰色になった造花が掛けられていて、床の一部もカビのような染みが目立つ。

和歌山市 雑賀崎

窓側にはレトロゲーム筐体テーブルが二つ。しかしコイン投入口に「故障」と書かれたガムテープで目張りしてあって、見るからにプレイ不能の様子。

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そこに置かれたゲーム筐体の一つはアイレム社の「ジッピーレース」。1983年にアーケードゲームとして登場、ファミコン版も販売されたアメリカ大陸横断レースをテーマにしたゲーム。七洋園の館内に多数あるゲーム機はだいたい80~90年代のものがそのまんまになっている。レトロアーケードゲームに精通されている方であれば興味津々に楽しんで頂ける事だろう。遊べないけど。

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ちなみに我々が宿泊した客室「クラブ7」に置かれていたのはアルファ電子社製の「ジャンピュータ」。1981年にリリースされたアーケード麻雀ゲームの元祖だそうで、現在では沖縄本島かせいぜい本土じゃ西川口のような胡散臭い街にしか残っていない法的にグレーな感じの「ゲーム喫茶」で流行しまくった筐体だとか。コンピューターゲームにも歴史あり。

和歌山市 雑賀崎

昭和のレトロ旅館ではお楽しみな共同浴場、「朝風呂は無しです」の無情な看板に涙が出そうになる。やはりその日一日で客が来るか来ないかのラインにいる宿で主人一人でしかやっていないという事情なら致し方なしか。客が寝てる間でも水道代やガス代が掛かるしね。七洋園に泊まる予定の方、風呂は夜のうちに入るべしと覚えておきましょう。

和歌山市 雑賀崎

まあそれでも浴場内は立ち入り可能なので朝はどんな感じなのか見ておいた。一面ガラス窓だとすこぶる開放感が良い。客室にある風呂もこの共同浴場も豆タイル多用の傾向は昭和40年代以前の仕様であるには違いない。もちろん他に客も来ないのでここも贅沢に貸切状態だ。できれば、やっぱりこの眺めを楽しみながら朝風呂に入りたいですよね。なお、飛び入り的に直前に宿泊予約した場合はご主人の用意が間に合わないので風呂の湯すら入っていない状態になる。広い浴槽に浸かるなら前もって電話入れときましょう。

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それにしても気になるのが全く使っていない七洋園の三階部分。そこに向かう階段の手前に何を準備しているのか分からない「準備中」の札が置かれた部屋のドアが。恐らくこれは使ってない食堂とかでしょうかね。

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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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