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新開地商店街 一丁目・二丁目

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大阪のDEEPは散々行き尽くしてきたが、神戸のDEEPと言えばやはり「新開地」を外してはならない。そもそもこの地名からして飛田や松島の「新地」と同じ意味を成しているのだ。
1905年に旧湊川河川敷埋立地に作られた神戸新開地は「福原遊郭」を核にして、映画・演芸場・飲食店が軒を連ねる神戸最大の歓楽街として形成された街なのである。一時期は「東の浅草、西の新開地」とまで言われていたその土地を、どうしても見ておきたかったのだ。

神戸新開地の繁華街の軸となっている新開地商店街はJR神戸駅に近い6丁目から神戸高速鉄道新開地駅前を経て地下鉄湊川公園駅に近い1丁目まで、南東方向から北西方向に長く伸びている。今回は1丁目と2丁目を重点的に歩いてきた。



新開地駅方面からやって来ると右手に見えてくるのはキリスト教系施設「湊川傳道館」。こじんまりとした教会ではあるが、よく見ると黒地に白と黄色の文字が特徴的な「キリスト看板」が掛かっているのが目に付く。

キリスト看板は全国各地(特に田舎町の民家のトタン板に打ち付けられているケースが多い)で目撃されるが、教会建物にベタベタ貼られているケースは特に関西地方で多く見かけるように思える。釜ヶ崎の大阪救霊会館などがそうだ。新開地付近も土地の歴史から鑑みてぶっちゃけ神戸の西成みたいなものだから、ある意味必然的な施設だとも言えよう。

神戸は震災の経験があるためか街全体が新しくなってしまっていて、この商店街のアーケードも例に漏れず綺麗になっている。ところが道を歩いているのはオッサンばかり。商店街らしく賑やかな店は、時折自動ドアが開くたびにガチャガチャ騒音を撒き散らすパチンコ屋ばかりという罠。

気がつけば周りにはパチンコ屋しか存在しないというDQN全開っぷりが新開地クオリティ。家族連れやカップルの姿はどこにもない。

そんな商店街の脇にレトロさを残すアーチ看板が建っている。麻雀、たこ焼き、豚饅頭ときた。さすが下町ならでは。その看板に引きつけられるかのように横道に逸れてみる。

震災の爪痕だろうか、路地裏の片側はがらーんとした駐車場が広がっているのみ。所々虫食いのように空き地が残る光景は、いまだ神戸の街が復興したとは言えない悲しい現実を突きつける。

その先の裏寂れた通りに一軒の雀荘が。年末にも関わらず絶賛営業中。さすが神戸の西成、身寄りも居らず帰る家もない独身オヤジの溜まり場と化しているのだろうかと想像する。雀荘なりパチンコ屋なりが、さながら通年営業の年越し派遣村状態と化している。

さすがそういう場所にこそ安宿街があるもので、いかにもドヤ風な数軒の旅館が残っている。しかしドヤ街と言える程の規模はなく、かすかにその臭いを漂わせる一画がほんの少しあるだけだ。宿泊料金もシングル3500円とやや「割高」。

その裏手にもう一軒安宿があったが、こっちも宿泊は3000円から。「御休憩」という項目があるのが妙に気になる。ラブホテル代わりに使う客を想定しているのだろうか。

再びアーケード街に戻る。この時期飲食店は殆どやっていないが、貧民の味方「立ち食いうどん・そば屋」は通常営業中である。この付近であれば神戸下町エリアならではで、トッピングに「ぼっかけ」があるのがデフォルトだ。

立ち食いの隣にはもはや絶滅危惧種であろう「レコード屋」の存在がある。時代は変わり、人々が音楽を聞く為の手段もレコードからCD、CDからインターネットへと変わりつつあるわけでこういう店は軒並み姿を消しているがアナログ全開のオッサンだらけの新開地ではまだまだ現役続行中。

だがレコード屋から続く店舗建物は軒並み廃墟と化しており痛々しい。「東の浅草、西の新開地」とまで言われていたのに、この寂れっぷりはハンパない。
この先の道路を跨いだ先が、神戸最大のソープランド街「福原」である。

震災から復興しても相変わらずオッサンパラダイスな新開地商店街。ほんまに、ええとこ、ええとこ。

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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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