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西成のドヤ街釜ヶ崎にイルミネーションが登場!リア充カップルもびっくり「イマナリエ」とは

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一年の区切りとなるクリスマスや大晦日、正月といった一連の恒例行事…またこの時期は一年で最もリア充と非リア充との心理的格差が顕著に現れる。年の変わり目を一緒に過ごせる家族やパートナーがいるかどうかで正月の過ごし方が人によってハッキリと変わる残酷な季節、全国各地のデートスポットでは志向を凝らしたイルミネーションがその華やかさを競い合い、恋人達はここぞとばかり語り合い、その後のなんとかの6時間とやらを謳歌するのである。

大阪市西成区 動物園前

そんなおめでたい空間とは最も縁遠いのが西成区釜ヶ崎のようなドヤ街である。毎年この街では年末年始に三角公園を中心に「釜ヶ崎越冬闘争」が繰り広げられ、年末年始の仕事もない時期、帰る故郷を失った労務者やホームレスの人々が炊き出しに集まり、飢えと寒さに耐えながらこの地で新たな年を迎える。

大阪市西成区 動物園前

年の瀬迫る冷たい冬の夜、我々は釜ヶ崎の三角公園周辺を巡回していた。越冬闘争の一連のイベントも一旦区切りを迎え、孤独と貧しさの極地にあるこんな場所でも新年を今まさに迎えようとしていた。不気味な程の静寂の中、我々がふと目についたものがある。…なに、イルミネーションだと…

大阪市西成区 動物園前

人通りも消えた夜のドヤ街に突如現れたネオンサインはそれだけで滑稽極まりないが、その入口には「今宮ふれあいの郷 イマナリエ」と書かれていた。イマナリエの「イマ」って、やっぱり今宮の「イマ」なんでしょうかねえ。

大阪市西成区 動物園前

気になってしょうがないので、イマナリエの会場に足を踏み入れる事にする。そこは確かにイルミネーションが輝く、非日常的な空間が広がっている。しかし我々の他に観客の姿は誰も居ない…

大阪市西成区 動物園前

その日暮らしのホームレス達にとってイルミネーションなんぞ何の腹の肥やしにもならんだろうし、その手の観客が誰も居ない中、ドヤ街の冬の夜空にキラキラと光るネオンサインと真っ白な雪だるま型の照明が眩しい。やはりシュールな光景である。

大阪市西成区 動物園前

イマナリエとは恐らく1995年の阪神淡路大震災発生後の神戸で毎年行われるイルミネーションイベント「神戸ルミナリエ」を意識したものに違いない。被災地に不死鳥の如き光を与えたのがルミナリエなら、このイマナリエは救いようのないドヤ街に一筋の光を与えているのだろうか。

大阪市西成区 動物園前

どうやらこのイルミネーション、地元の「今宮社会福祉協議会」などや地元の関係者の発案で2012年から毎年開催されるようになり、今年で3回目になるという。我々が通りがかった三角公園近くの「今宮ふれあい広場」を含めて3ヶ所で開催されている。

大阪市西成区 動物園前

様々な色の発光ダイオードを約20万個駆使して、様々な絵柄の電飾が再現されているらしいのだが、これらは全て地元住民達の手作りである。仕事の素人っぽさが逆に和めますよね。これで仕事がプロっぽかったら、お金持ちのどこぞのヤクザが協賛してるのかと勘違いしそうになる。

大阪市西成区 動物園前

富士山やら五輪やら何やら、あんまり大阪とは関係の無さそうな絵が多いのも特徴的。我々が見つけたのはこの一ヶ所だけだが、他にも「大阪自彊館いきいきセンター」「特別養護老人ホームローズ」に行けばイルミネーションが見られるらしいぞ。

大阪市西成区 動物園前

12月初めにそれぞれの会場で点灯式が行われ、毎日夕方5時から夜10時まで、1月31日まで見られるらしい。特に今年は今宮小学校が閉校を予定している事から同校敷地でもイルミネーションが開催されており、こちらは3月31日まで行われるとの事。

大阪市西成区 動物園前

手作りLED照明のイルミネーションだからと馬鹿にはできない気合いの入れよう。光のトンネルまであるんだから。リア充カップルが自撮り棒なんぞ持ってキャッキャウフフと記念撮影しているような雰囲気は微塵ほどにもないがな。しかしまさか西成の釜ヶ崎のど真ん中にこんなものがあるとは想像もしてなかった。

大阪市西成区 動物園前

ところでこのイルミネーション会場になっている「今宮ふれあい広場」…よく見ると敷地がまっすぐ奥に伸びていて家庭菜園状態になってる箇所もあるのだが、元々は南海天王寺支線の線路が走っていた場所だった。

大阪市西成区 動物園前

「暗いイメージの強い土地を明るくしたい」そんな地元住民の願いから生まれたイルミネーション「イマナリエ」…スーパー玉出のギラギラネオンサインには到底足下にも及ばない規模だが、年々パワーアップしてそのうち一大イベントになるのかどうか、今後も目が離せない。そしてドヤ街にも分け隔てなく正月が訪れる…


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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