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西成の歩き方 (5) てんのじ村編

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大阪でも梅田・難波に次ぐ第三のターミナルステーションとなっている、天王寺駅界隈。

天王寺駅

地下鉄御堂筋線、谷町線、JR大阪環状線、大和路線、阪和線、近鉄南大阪線、阪堺線の駅が一同に集まるこのエリアにもうひとつ、南海電車の終着駅があったことはご存知だろうか。

西成の歩き方レポートの続編です。初めからお読みの方はこちらからどうぞ



国土画像情報(カラー空中写真) 国土交通省

国土画像情報(カラー空中写真) 国土交通省

その名も「南海天王寺支線」。1993(平成5)年に路線が全廃されてからはや14年が経過しているが、その存在を記憶している者も少なくはないはずだ。
今の天王寺駅から、西成のドヤ街のど真ん中を突っ切って、天下茶屋まで至る全長2.4キロの路線だ。

地下鉄堺筋線の延伸工事で用地確保のために1984(昭和59)年に天下茶屋から今池町の間が部分廃業してからは路線を単線化し、規模を縮小しながらも営業を続けていたが、それもやがて廃止された。

その南海天王寺支線の名残りでも見れたらいいなと思い、天王寺駅から廃線跡を辿ってみた。

一ツ家踏切

天王寺駅構内からはもう南海の駅の名残りとなるものはほとんど見当たらないので、線路沿いに西成方面に歩いていく。すると「一ツ家踏切」というJR大阪環状線唯一の踏切が見えてくる。

一ツ家踏切

この場所はJR天王寺駅から西へおよそ400メートルの場所にあるが、踏み切りの北側は天王寺動物園の塀に阻まれていることもあるのか、恐ろしく人の行き来が少ない。

一ツ家踏切

時折、浮浪者風のオッサンがふらふら歩いているだけで、昼間でもなんだか薄気味の悪いところだ。

電車が通過します

この踏切はJR大阪環状線の内回り、大和路線、それから阪和線・関西空港線に乗り入れする電車がひっきりなしに通過する。ラッシュ時間帯は開かずの踏切となる。

電車が通過します

環状線外回りだけは地上線ではなく高架線の上を走る。
下から見ると、もし電車がバランスを失ったら落ちてきそうで結構危なっかしく見える。

南海天王寺線の遺構が残る

天王寺駅方向を見て一番右側の線路のさらに右側に鉄柵で覆われた部分がある。ここが南海天王寺支線だった線路跡だ。廃線後15年近いが、ご覧のようにほったらかしである。

ホームレスハウス

ひと気の少ないこの辺には大勢のホームレスが小屋掛けして生活している。社会の底辺を生きる労働者が人生に悲観して、あの一ツ家踏切で電車に飛び込む者も多いらしい。現に一ツ家踏切においては年間2、3件の人身事故が発生している。(記事

複雑に運行ダイヤが組まれたJR大阪環状線でひとたび事故が発生すると、全ての路線のダイヤがどえらい影響をもたらすことになる。気味の悪い踏切だと感づいたのも無理はなかった。

落書きが凄い

目の前の酷い落書きも、街に末期的な印象をもたらしている。

金網に遮られた石碑

そんな場所に、金網に遮られた立派な記念碑が建立されている。

てんのじ村記念碑

この場所は「上方演芸発祥の地」。戦前から芸人や漫才師が集い暮らしていた場所として「てんのじ村」と呼ばれ親しまれていた。その事を記す記念碑なのだが、すっかりホームレスの街と化した現在の西成では想像も付かない。

この石碑の建つ場所は西成区山王になるが、元は東成郡天王寺村であって、天王寺駅や天王寺公園、四天王寺、阿倍野再開発地区などと同一のエリアだ。

古びた旅館

てんのじ村記念碑の隣には随分年代モノの旅館が佇んでいた。

年代モノですね

たぶん今でも営業してると思うんですが…凄い風格ですね。

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参考ページ
昔の天王寺村の地図
発祥の地コレクション/上方演芸発祥之地

参考になりそうな書籍

SHINGO☆西成


ILL西成BLUES -GEEK REMIX

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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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