都心のオアシス「扇町公園」にあったホームレス村と謎の連絡まつ村ステッカー

日本一長いアーケード街「天神橋筋商店街」至近、巨大な「キッズパーク大阪・関西テレビ本社」の珍建築が際立つ扇町公園。ここはかつて大阪市内でもとりわけ沢山のホームレスが住み着く公園の一つで、公園の南西一角はすっかり土地をホームレスに占領されたままになっていた。


表向きにはすっかり改修されて綺麗な公園に姿を変えてしまってはいるが、そんな扇町公園の裏の姿は相も変わらず大阪ならではの都市の暗黒面を見せつけられる事請け合い。少しこの公園内をうろうろしてみることにしよう。

キッズパーク大阪のすぐ南側に隣接して「大阪市立扇町プール」がある。年中通して利用出来る室内プールとトレーニング場を備えているが、夏場は屋外プールで遊ぶ子供連れの親子の姿でそれなりに繁盛している。

ホームレスが多数暮らしていた、かつての扇町公園

その扇町プールを挟んだ公園南側の辺縁部一帯がホームレスタウンと化してしまっている。まずは天神橋筋方面、東側の公園入口からのアプローチでこの公園の裏側を覗いてみる事にしよう。

扇町プール東側は土手のように公園外側に向けて高くなっているが、この区画は通りがかる人の姿もなくほぼデッドスペースとなっている。以前はこの付近にもホームレス小屋が掛かっていた覚えがあったが、今見てみるとそういうものは無くなっている。

辛うじて一部にホームレスが暮らしていた痕跡のようなものが残っているのだ。フェンスに括りつけられたスーパー玉出のレジ袋が妙にリアルで生々しい。傍らには大阪市による「テント・小屋掛け禁止」の看板。

ついで公園南側に回る。扇町公園で今なお異様な光景を見せる場所だ。まるっきり鉄柵で覆われた区画の外側は全てホームレスの居住区となっている。イスラエルに例えるならば、まさに扇町公園の中の「ガザ地区」。

切れ目なく並べられた鉄柵は公園の中からホームレスの住まいを見えないようにするための人道的配慮か単なる恥隠しなのか。

ミステリアスな「連絡まつ村」ステッカーの数々

そんな扇町公園ホームレス村の中には、なんだかよく分からんが「連絡待つ村」などと書かれた変な爺さんのステッカーがベタベタ貼られていて気味が悪い。ただの人探しにしては意図するところが不明なのである。

借金の取り立てに遭っているのか、個人の何かしらの怨恨なのか、単なる嫌がらせのためだけに顔写真付きステッカーを張り出されまくっているのか一切不明なところもリアルで怖い。

大阪市内にはこの扇町公園をはじめ至る所でこのステッカーが貼られているのを目にした時期がある。この被写体の男性も何をやらかした人物なのか分からないし、結局ステッカーの正体が何なのか、今も分からずじまいだ。

扇町公園の一角が小屋だらけのホームレス村に

問題のホームレス村は公園の南西側入口から見る事が出来る。あまり奥まで入ると「住人」にどやされそうなので遠巻きに見てみたのだが、ざっと数えると10棟くらいのテントハウスが並んでいる。

しかしそれ以上に存在感が強いのが、公園入口の真ん前に堂々と置かれた巨大テントハウスだ。大きさから見ても西成釜ヶ崎の三角公園並みである。

テントハウスとともに大量の家財道具やよくわからないガラクタが公園内を我が物顔で占拠しているのだ。よく見るとテントハウスの壁にはホームレス支援者団体、もとい極左プロ市民の張り紙やらホワイトボードやらが飾られていて、ちょっとした秘密基地のようだ。

実はこの扇町公園、西成三角公園などと同じくホームレスの聖地となっている場所で過去にもホームレスが扇町公園内に住民票を置くか否かで行政と揉めたり、炊き出しボランティアをはじめ極左団体のアジテーション会場など幅広いイベントに使われている。

以前は大阪城公園や長居公園にもこうしたテント村があったが、世界陸上など大規模なイベントがある度に排除され続け、ここが西成と並ぶ越冬闘争の最前線基地となっているのだ。

炊き出しの列に群れる人の姿もあれば、一人で鳩を相手にしながら冷めた弁当を食らう人の姿もある。扇町公園は都市の負のオーラを残しながらも市民の憩いの場として今日も在り続ける。

ところが2011年に入り、急に行政代執行が入ってこれらのテント村が跡形もなく消えてしまっていたのだ。大阪市は2010年から生活保護の支給要件を大幅に緩和し、路上生活を続けるホームレスに次々生活保護を渡し、西成などにある福祉マンションへの移住を勧めている。


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。
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