京阪電車で京橋から15分、寝屋川市北部にある「香里園」にやってきた我々取材班。前回のレポでは負のオーラ漂うアウトローな街並みばかりを取り上げてしまい、さすがにそのままだとイメージが悪いので、大阪の下町らしい風景が見られる駅前商店街の事にも触れておく。
香里園駅西口の香里新町には「香里中央商店街」というちょっとしたアーケード街も存在している。去年2017年に商店街50周年を記念していたので、昭和42(1967)年からある商店街ということになりますかね。駅から徒歩3分くらいです。
極小レトロアーケード「香里中央商店街」
一歩足を踏み入れると、確かに漂う昭和40年代感。食い物屋と個人経営の各種商店がずらりと軒を連ねるものの、隣の寝屋川市駅前にあるアーケード商店街のような広がりが見られない。
クリーニング屋にメガネ屋にカバン屋に、といった昭和な店舗構成に徹している昔ながらの商店街。寝屋川中1殺害事件の犯人である山田被告の自宅からも近い。完全に生活圏である。
これと言ってパッとした感じの商店街でもないが、やたらと「傘の修理」を推しまくるカバンのムラタヤが個性を放っている。
自転車は押して通行しましょう、とお決まりの注意書きが記された看板。長さ100メートルしかない短い商店街なので、そもそも「中央商店街」感が全然ない件。端から端まで歩いてものの一分である。
ハングル表記の韓流居酒屋も唐突に現れる。香里園駅西口の商店街は全体的に韓国料理屋も焼肉屋も多い。そもそも焼肉屋みたいな地名の香里園に親しみを覚える在日コリアンが多いのか。「コーリエンはコリアンに通ず」という事かも知れない。
常勝関西な北河内エリアの公明党なっちゃんポスターもなぜか香里園界隈では寝屋川オリジナル版。「ひましにごっつ助かる!」と大阪弁でまくし立てるポスターによれば「大阪で寝屋川が初!18歳まで医療費助成」は公明党の功績だそうです。日頃の信心の賜物やで、と地域の学会員も鼻高々である。
「安全・安心」を強調する香里中央商店街の垂れ幕。治安が悪い事の裏返しでしょうか。暴力団事務所もあったりするわ、中学生殺害犯も住んでるわで、まっとうな一般市民は常々気が休まらない事だろう。
アーケード街の南端部は「アートタウン香里」という公設市場風味の市場があって、駅から帰り道に買い物ができるような生活道路として機能している。しかしアートタウン香里は2018年4月に建物火災に遭ってしまい長期休業する羽目に。当初は解体も検討されたが、結局改修工事で存続することが決まっている。
香里園駅西口の煤けた呑み屋街を歩く
香里中央商店街を抜けた北側一帯も何やら煤けた佇まいの土着的酒場が連なるアル中ストリートと化している。同じ寝屋川や守口・門真で見られるビンボー臭い街並みは一貫しているのである。
ここら一帯、住所は香里北之町に変わり、すぐ北側はもう枚方市。半ば住宅街の様相を呈してはいるが、目にする店はというともっぱら居酒屋やらフィリピンパブやらスナックやらそんなんばっかりです。
居酒屋、スナック、スナック、居酒屋…「居酒屋」と「スナック」の店先だけで路地裏で「ケンケンパ」ができる街、寝屋川市香里園でございます。宜しくご贔屓に。
文化住宅と店舗が一体化したようなボロい木造物件もゴロゴロとある。で、またピンクの公明党なっちゃんポスターがありましたよ。
その建物の中程まで観察すると、店舗部分はほとんど廃墟状態で朽ち果てておりました。「大東飯店」という古ぼけた中華料理屋が一軒だけ残っていた。
今度は一本東側の路地に入るとそこにも似たような佇まいの一画が…ここもまたもや街の中華料理屋「西洋飯店」。東西どっちの中華料理屋も出前用の原付バイクがしっかりスタンバイしているところがまた渋い。
駅方向に振り返ればそこには場違いにそびえるタワーマンションが。こちらも地上37階建ての「ロイヤルメドゥ香里園タワー」。香里園駅の東側に2つ、西側に1つのタワマンがそれぞれ建っている格好である。どんな住民が暮らしているのか想像付きませんけども…