【東淀川区】阪急沿線ド下町仕様・淡路駅前「淡路本町商店街」を歩く

阪急京都線で梅田から4駅、地下鉄堺筋線に乗り入れる阪急千里線で天神橋筋六丁目から2駅のところにある「淡路」。朝夕のラッシュ時に運行される通勤特急を除いては最上位の快速特急・特急以下全車両が停車する、同沿線における主要駅でもある。

しかし駅舎のボロ具合とローカル感では十三とどっこいどっこいの佇まいをしている淡路駅西改札口。2028年完成予定の橋上駅舎建設に向けて高架線の整備が進んでおり、この古い駅舎が見られるのもあと10年以内というところか。

駅西口は幅の狭い車道を挟んだすぐ向かいが雑居ビルや商店街がごちゃごちゃと密集する一画となっている。東淀川区では最も発展が進んでいるエリアと言っても良い。のっけからサラ金と貴金属買取業者が入るゴテゴテした佇まいの雑居ビルがあるあたり街並みのビンボー臭さに華を添えている。

パチンコ、居酒屋、カラオケが一同に集う淡路土着民御用達のレジャービル。やっぱりいつもの大阪の下町という感じしか致しませんが、阪急京都線はそんなに柄の良い路線ではないので勘違いのないように。神戸線、宝塚線とは違うんです。

淡路本町商店街入口の三菱UFJ銀行にまつわるエトセトラ

ともあれ阪急淡路駅西口改札の真ん前に入口がある「淡路本町商店街」が東淀川区で最もジャンジャンバリバリ栄えている一大アーケード街であり、東口の東淡路商店街と合わせて区内屈指の商業地域となっている。

で、その商店街の入口角にある「三菱UFJ銀行淡路支店」。2018年4月1日を境に「東京」の二文字が外れてしまい、常々東京嫌いで知られる大阪土着民にとっては清々したことであろう。で、この銀行には大阪下町ゾーンならではの香ばしいエピソードが。

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三菱UFJ銀行、当時の三和銀行淡路支店は大阪市の同和対策事業に絡んだ巨額横領・詐欺事件「飛鳥会事件」で逮捕された故・小西邦彦の取引先だった銀行である。この銀行を舞台に何の出来事があったのか、詳しくは「同和と銀行」(森功 著/講談社)を読めば貴方も関西政財界の深い闇を知る事になるだろう。

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あと「ミナミの帝王」でお馴染みのコワモテ俳優、竹内力も高校卒業後の無名時代に偶然ながら当時の三和銀行淡路支店に銀行員として勤めていた事もある。劇中で札束を数えるシーンは銀行員時代に鍛えられた。たかだか街の銀行一つにまでこんなにも裏話がある東淀川区淡路は濃ゆい街ですねほんと。

そんな三菱UFJ銀行淡路支店の前にも容赦なく路上駐輪の嵐が…大阪市内屈指の駐輪マナーの悪さが自慢の街。その地名の由来も太宰府天満宮に左遷される菅原道真が淀川を下り移動中、淀川の中洲だったこの地を「淡路島」と間違えたことから始まっている。学問の神様・菅原道真の大いなる勘違いから生まれた街には同人にゆかりのある東淀川区菅原という地名も存在する。

東淀川区が最も栄えている淡路本町商店街

淡路本町商店街のアーケードに足を踏み入れるとご覧の通り、店も多いし人通りも多いしようけ繁盛してます。隣の上新庄駅前のくたびれアーケード商店街に比べてもこっちの方が全然栄えている。アーケードはかれこれ300メートルくらいの長さがある。

でもやっぱり駅前一等地のええところは軒並みパチンコ・パチスロ店舗が軒並みジャンジャンバリバリ言わせているわけで「いつもの大阪」以外の要素は感じられない。

そんな東淀川区も市営住宅が多い地域性もあってか生活保護率は市内24区中上位組の62.5パーミル(2017年3月時点)であり、全国平均の約3.7倍という高水準でございます。正直に申し上げまして大変貧乏人に優しい街です。そんな地域の商店街にある店もそりゃこうなります。

淡路本町商店街にある食い物屋も軒並み炭水化物たっぷり系ばかりですが、昭和な佇まいの「喫茶軽食ピノキオ」も気になります。昼12時まで注文OKなモーニングセット300円という破格ぶりで地元の後期高齢者の溜まり場として大活躍の模様。

この手のカウンターしかない立ち食いうどん屋も十三の商店街と双璧を成すテンションである。「松屋」もこれまた昭和過ぎる佇まい。もう一軒、淡路駅前にある立ち食いうどん屋「かわ」とはライバル関係か。

だってこの立ち食いうどん屋「親子丼かけうどんセット」がたったの390円ですよ。余裕でワンコイン以下なんですけれども、安定の炭水化物+炭水化物っぷりでございまして、やはり大阪人らしい食い物屋です。

駅前あたりにマクドナルドやすき家等チェーン店はちらほらあるが、中に入っていくと古臭い純喫茶や炭水化物摂取系食堂かご覧の立呑み酒場みたいなのしかない。

東淀川区も神崎川沿いを中心に一部地域が工場地帯になっているが、大部分は戦後宅地化された元農村地帯で、高度経済成長期に市営住宅が多く建てられたために貧困層の受け皿となってしまった。その点は平野区や東住吉区あたりに雰囲気は近いかも知れない。

淡路本町商店街の中には「地蔵市場」「宝来市場」という二つの公認市場が現存している。昔ながらの個人零細経営の肉屋、八百屋、魚屋などが一同に集う市場も時代の流れに追いつけずに寂しい佇まいを見せているのみ。

彼女がその名を知らない鳥たち

下町風情があって雰囲気が良いせいか蒼井優主演の映画のロケ地にこの淡路本町商店街が使われていたりもしている模様ですよ。気になるお方はチェックしてみてはいかがでしょう。

歩行者のマナーが相当悪いせいか「犬のオシッコお断り」「歩きタバコはあきまへん!」と注意書きをベタベタ張りまくる商店街のメガネ屋さん。

激しい路上駐輪の嵐を潜り抜けてアーケード街の西端部へ。ここを出てしばらく住宅地を歩くと戦時中に建てられた高射砲陣地がそのまま住宅に転用されている稀有な街並み遺産もあるし、淡路は散歩のし甲斐がある街ですね。

淡路本町商店街の端っこにあるイズミヤ淡路店の向かいにそびえる、古臭さがどこか拭えない大阪土着系衣料品デパート、キリンのマークの「キリンド淡路店」。大阪市内には蒲生四丁目の本店と豊中市庄内とこちら淡路の三店舗しかないレア物件である。


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。
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