【尼崎市】阪神工業地帯の城下町・アマのメインストリート「尼崎中央商店街」

大阪市のすぐお隣「兵庫県尼崎市」…阪神工業地帯の中枢地域を成す人口46万人の都市であり、大阪のベッドタウンというよりも土着の工場労働者が多く住み着く、大阪市内の下町と全く違いがない地域である。産業構造の変化で街は衰退し、全盛期よりも人口は10万人減少してしまい、隣の西宮市などに抜かれるも、今もなお下町パワー全開、我が道を行く街だ。

そんな街の中心とも言えるのが阪神尼崎駅前に連なる、こちら「尼崎中央商店街」である。接続する他の商店街を含めると総延長2キロにも渡る長大アーケード街が形成された、文字通り尼崎の中心となる商店街。そこには工業都市尼崎を生きる人々の生活に根ざしたあらゆる店舗がひしめき合う、この街の縮図だ。

尼崎中央商店街は約650メートルもの区間のうち一番街・三番街・四番街・五番街、以上4ブロックに分かれている(なぜか二番街はない)。五番街の終端部でさらに「三和本通商店街」と交差し、その上には枝分かれした各種市場が広がっている。大阪の天神橋筋商店街にも引けを取らない凄まじいコンテンツ力だ。

パチンコ屋しかないやん!阪神尼崎駅前一等地のダークサイドっぷり

一歩そのアーケード街に足を踏み入れると、のっけから道の両側にけたたましく鳴り響くパチンコ屋のジャンジャンバリバリ音が「尼崎はこういう街です」と聴覚にガンガンと訴えてくる。駅前一等地の「尼崎中央一番街」は完全にダークサイド寄りのコンテンツですけれども…

もう店の名前からして「パチギンダークサイド」ですので、最初から暗黒面に落ちっぱなしの街、それが尼崎クオリティというオチしか考えられません。さすが、あの連続怪死事件が起きるだけのお土地柄です。まあ、あの一家は阪神尼崎というより杭瀬ですが…

阪神尼崎駅周辺地域でパチンコ・パチスロ店舗の数だけを見ると、なんと15軒以上もの店舗が乱立しているギャンブラー密集地域っぷり。大手のキコーナは三和本通沿いや国道2号沿いの店舗も含め4店舗が進出している。さぞかし優良な顧客が多い事でしょうな。

パチギンレッド&ブラック、パチギンダークサイド、ベラジオ、モコ、パラダイス、フォロマジョーレ661、阪神パチンコ、あまスロ、さらに神田新道沿いのパラキング、フォロマジョーレ別館、グランパラダイス…枚挙に暇がない。

恐らく尼崎中央一番街は日本で最もパチンコ屋が密集する地域なのではなかろうかと見ている。アマで生まれ育ったからには「飲む打つ買う」の人生を送る他ない。商店街の名の通り、尼崎市の一番の街の顔であるこの土地がそうなのだから、間違いないよね。

尼崎市の非公認マスコットキャラ「ちっちゃいおっさん」がいかに象徴的な存在かを思い知る事になる商店街だが、ちっちゃいおっさんは公営ギャンブルしかやらないそうです。やっぱり“パチンコ大好き”とか公には言えませんか、そうですか。

これらの店舗を全て合わせると一体何千台ものパチンコ・パチスロ台が存在しているのか、想像するだけでも香ばしい。カジノ合法化とか言うてますけど、既に尼崎中央一番街はとっくの昔からアマのラスベガスでございます。

唯一昔ながらの古臭いネオンサインで土着ギャンブラー親父の心の原風景を今日も作り出している「パチンコ阪神」もオツ過ぎる佇まいです。ジャンジャンバリバリ音で耳もやられるしタバコの煙で鼻と喉もやられます。好きな事だけやって太く短く生きるのがアマの男やねん。

東京チカラめしが8ヶ月で逃げ出す尼崎中央商店街の飲食店街

そんなパチンコ・パチスロ大好き親父軍団の胃袋を満たす中央商店街の飲食店の数々もパチンコ屋に負けじと続々営業中。まあだいたい炭水化物か揚げ物しか出してませんけどね。贅沢してもせいぜいがんこ寿司止まりです。なぜなら可処分所得(時には生活資金まで)はみんな「飲む打つ買う」に消えるからです。

ごっつい店構えの居酒屋があるなあと思ったら「尼崎焼そばセンター」って…焼きそばだけでセンターが出来てしまう尼崎の懐深さよ…

焼そばを肴に酒を飲む店もあれば餃子を肴に酒を飲む店も向かい合っていて、どう見てもドカチン下町仕様でしかない件。阪神尼崎駅から往来する地元民も、オッサン以外はみんな素通り。買い物するなら中央三番街から先に行って下さい。

そんな熾烈なコナモン酒場競争に打ち勝つ事ができなかったのが、かつて華麗に関西進出を果たしたものの日本橋でんでんタウン以外の店舗はボロ負けで撤退を余儀なくされた、三光マーケティングフーズが展開する「東京チカラめし」。尼崎中央一番街の店舗も2013年2月のオープンからたったの8ヶ月で即死。人情の街アマもトーキョーもんには冷たいで。

激安こそが正義の尼崎中央商店街

オッサンの溜まり場と化した駅チカの一番街と三番街入口を過ぎれば、あとは土着住民達が普段使いの買い物をするための生活感溢れる下町商店街の様相を呈してくる。まあ古臭い個人商店も多いんですが、未だにこの商店街には並々ならぬ勢いを感じる。

そして並んでいる店が軒並み「安さ」ばかりをウリにしている点がさすが尼崎クオリティという他ない。こんな安さですんまへん、と謝られても…しかし関西のド下町商店街は大手チェーン店よりも得体の知れないインディーズ系ノンブランド店舗が滅法強い。

中央四番街の「おしゃれな肌着の店」はどこがオシャレなのか突っ込んで下さいと言わんばかりの店構えである。尼崎以外には高槻センター街と十三もといまロード、千林商店街や天神橋筋商店街に店舗がある。

中央五番街でやたらでかい店構えで地元の下町おばちゃんで大入りになっている「デイリーファッションパレット」も激安路線で品揃え豊富過ぎて、既に「しまむら」も入り込める余地がない。同店は西日本一円にチェーン展開しているが、同店の経営を管轄する運営会社の関西事務所もここにある。

個人経営の作業着専門店も負けず劣らずキョーレツな店構えでお客の目を引こうとする。まあ工業都市尼崎なんで、作業着が安く買える店は充実してますよね。

昭和風情全開なおもちゃ屋もまだまだバッチリと生き残っている。JR尼崎駅前のようにキューズモールしか行かない人達と昔ながらの商店街でチマチマ買い物をする阪神尼崎住民とでは生活様式がまるで異なっている。

ペログリ田中康夫先生の事務所もありました

尼崎中央四番街には、かつて長野県知事にも就任し、その後に兵庫県第8区から衆院選に出馬し地元の強固な支持母体を持つ公明党の冬柴鐵三氏(故人)を破り当選、衆議院議員になって「新党日本」を立ち上げたりしていた、作家の田中康夫氏の事務所もあったのですが皆様ご記憶にはございますでしょうか。

なぜ田中康夫氏が尼崎を政治活動の場に選んだのか未だによく分からず「なんとなく、アマガサキ」な感じだったのでしょうか、それはともかく是非とも「尼崎ドリームの実現」の一環として「かんなみ新地」を合法化して尼崎のペログリ経済活性化を密かに期待していたのに、2012年に議員失職してしまい以来政界からはすっかり身を引いてしまわれましたが、ヤッシーさん、お元気でしょうか?

とにかくツッコミどころが多すぎてまとめきれない程に凄まじい「尼崎中央商店街」なんですが、中央三番街にはこれまた何とも「尼崎クオリティ」過ぎてぐうの音も出ないような光景も見られるが、話が長くなりすぎるので続きは次回だ。


The following two tabs change content below.
DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。
トップへ戻る
Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.