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大阪下町の台所「千林商店街」 (2) ダイエー創業の地

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大阪を代表する下町商店街「千林商店街」、テレビでおばちゃんのインタビューに出てくる事では有名だが、もう一つ有名なのがスーパー「ダイエー」創業の地であるという事。
ダイエー創業者・中内功氏が千林駅前に初めて「主婦の店ダイエー薬局」を昭和32(1957)年9月に開店、後にダイエー1号店となる千林駅前店として昭和49(1974)年まで営業していた。
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ダイエー1号店の跡は今も別のドラッグストアが入居しているが、もう一つのダイエー千林店があった場所が最近まで千林商店街の一角に残っていた。アーケード街を外れてややこしい路地をくぐり抜けていった先だ。


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ダイエー千林店のあった場所は系列店のディスカウントストア「トポス」の店舗として2005年まで営業していたが、中内功氏の死去と期を同じくして閉店。トポスの近道を示す看板だけが残っている。
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トポス跡への近道は雑居ビルの中が通路になっているので部外者には分かりづらい。区画整理が一切されていない土地で、建物の並び方もぐちゃぐちゃで迷路のようである。地元民は慣れたように雑居ビルの中を通り抜けるが、みな高齢者ばかりだ。
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雑居ビルの通路を抜けた先はこのバラック商店の屋根下の通路を抜けて行く事になる。時代の波に取り残されたかのような一角。ダイエー無き現在の千林でも街の名残りはそのまま。
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向かいのビルは惣菜屋や個人商店などが入居する「くらしエール館」。安売り王中内功氏の野望とともにダイエーが巨大化していっても千林は昔も今も大規模チェーン店の入る余地のない商店街である。
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正月休みでシャッターが閉まっているせいもあって真っ暗な市場の建物群。闇市の名残りか何かだろうかと思わせるのに説得力がある。ただ千林は非戦災地域だが。
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現地で見るとひたすらぐっちゃぐちゃの路地でしかない訳だが、この部分を航空写真で眺めてみると変わった点に気付く。

より大きな地図で 大阪DEEP(暗渠・廃線跡) を表示
この市場の建物の向きだけが周囲とは違って斜めを向いて建てられているのだ。さらに引いて見てみると、森小路から土居のあたりまで一本のラインが見える。ちょうどこのラインの上を市場が建っていたのである。他の場所も、周りの建物の向きなど無視してライン上に斜めを向いて家やマンションが建っている。
これは大昔に京阪電車が路面電車として走っていた時の線路跡らしい。昭和6(1931)年に専用軌道が出来て高架化してから今の状態になったようだ。もし戦災に遭っていたら残っていなかっただろう。
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市場を抜けると旧トポスの敷地が現れる。なんとダイエー千林店跡に出来たのはパチンコ屋だった。風情もクソもありゃしない。天国の中内会長も千林の今の姿を見てどう思う事だろうな。
ちなみにこの土地がダイエーになる前は、千林松竹劇場という映画館だった。
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場違いにやたらオシャレな外観のパチンコ屋が垢抜けない地味な下町である千林のど真ん中に君臨した訳だが周囲の市場は素知らぬふりで平常運転中。
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市場の脇からくらしエール館北口に繋がっている。屋根が続いているので雨の日でも楽々お買い物。全蓋式アーケードを設けたり屋根をつけたがる傾向は西日本の商店街に多い気がする。
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北側に抜ける路地もすこぶる密度が高くてたまらない。牛豚ホルモン一式の肉屋と大衆食堂が隣り合う。
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真新しいパチンコ屋を横目に、大阪には希少な非戦災地域である千林の地もいよいよDQN化の波に飲み込まれてしまうのだろうかと憂えずには居られない。まあもとからDQNな住民は多い訳だが。商店街をうろついていて自転車に跨ったジジババに何度か突っ込まれそうになったが謝りもしない。大阪ではこれがデフォルトですがね。
参考記事
ダイエー創業者 中内功を歩く

カリスマ―中内功とダイエーの「戦後」〈上〉 (新潮文庫)
佐野 眞一
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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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