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桜ノ宮アパッチ族不法占拠物件「龍王宮」と「古鉄街」が完全に消えた

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大阪市内を流れる「大川」沿いに戦後からアパッチ族と呼ばれる屑鉄泥棒で生計を立てる在日朝鮮人を中心とした一員が暮らしていたハードコアな街の痕跡がびっしり残されていたのが、ここ数年でめっきり解体されまくって見る影もないという事を聞いて、再度様子を見に行く事にした。

都島区 桜ノ宮

久しぶりにやってきましたよ、JR大阪環状線桜ノ宮駅。冷静に考えたら大阪駅からたったの二駅、京橋駅のすぐ隣なんですがどうも駅前のガランとした感が否めない、場末感漂ってる感じがしなくもない街。

都島区 桜ノ宮

この桜ノ宮駅前を流れる大川は春には桜の名所としても有名だし、天神祭の時には大勢の人混みで賑わうような場所で、東京で言えば隅田川に近い印象がある。そこに架かる大阪環状線の鉄橋の下にあったのが不法占拠物件で有名だった「龍王宮」と呼ばれていた建物の跡地だ。

都島区 桜ノ宮

この土地は戦後から廃品回収業者が使ってきた所だが、一方で関西一円から、主に済州島から渡ってきた在日コリアン達の土着信仰(シャーマニズム)の聖地として「クッ」という伝統儀式を行う為に使われていた。水辺のある場所でなければ儀式が行えないという理由で、再三の立ち退き要請を拒み続けてきたという。

都島区 桜ノ宮

ここがかつてどういう使われ方をしてきたかは、過去の写真と見比べて頂こう。当取材班が最初に出向いた2007年2月当時の「龍王宮」の様子だ。高田商店という廃品回収業者の敷地で、ガード下がガラクタまみれになっているのが分かる。

都島区 桜ノ宮

この奥に祭礼のためのバラック小屋がいくつか並んでいて、「クッ」の貸会場として他の在日コリアン達に提供していた。大川沿いの毛馬桜之宮公園の中にあって、周囲は公園用地になっている所にこのバラック小屋があった訳だ。

都島区 桜ノ宮

しかもこの廃品回収業者は2007年2月7日夕刻にド派手に火災を起こして大阪環状線の線路の真下にあったガラクタから線路や橋脚もろとも丸焼けにしてサラリーマンの帰宅時間帯を直撃するというアレな事件も過去にはあった訳でして。

都島区 桜ノ宮

その火災の後、2009年に高田商店の元の店主がお亡くなりになって、在日一世が徐々に減り済州島の土着信仰も途絶えつつある中で、2010年8月に残った商店の家族が自主的に撤去を決めた。その年のうちにガラクタ類は全て取り払われ更地となり今に至る、といった成り行きである。

都島区 桜ノ宮

かつて「龍王宮」があった場所、結局何かが建つ訳でもなく「都島区花づくり広場」だとかいうスペースになっているだけだった。市民ボランティアの皆様方により、種から花づくりをしていただいています、か。ふーん。

都島区 桜ノ宮

すぐ近くに架かる源八橋の上から「龍王宮」の跡地がよく見えたのだが、もう完全に面影無くなっちゃってますね。しっかり護岸工事まで行われているし、ガラクタの欠片すら見当たらないといった所。

都島区 桜ノ宮

これも2007年当時の写真と見比べて頂きたいと思う。この不法占拠バラック小屋の中には住民までいた。21世紀の日本の風景とはにわかに信じがたい光景がつい5年くらい前までは存在していた証拠である。

都島区 桜ノ宮

この桜ノ宮の大川沿いの土手道に連なっていた古鉄業者達も高田商店と同じく、やはり済州島から渡ってきた人々やその子孫だったという。苗字とかは一発でそれ系ですよね。分かりやすい。昔は大阪砲兵工廠からアパッチ族がかっぱらってきた屑鉄を同胞コネクションでコネコネとロンダリングしていたのかも知れませんね。

都島区 桜ノ宮

しかしこれ、人が住む環境にしては見るから過酷すぎて思わず溜息が出ちゃうレベルなのであった。この場所も2012年の時点で住民全員が立ち退きに同意して、最後まで残っていた七軒が解体されたそうだ。

都島区 桜ノ宮

で、現在はこんな事になってしまいました。なんということでしょう。あれだけ川沿いの土手を埋め尽くしていた不法占拠バラック屑鉄屋建築群が見事にさっぱり無くなってしまったではありませんか。

都島区 桜ノ宮

手前のレトロでボロい鉄柵だけは部分的に残されてはいるが、それを除けば綺麗さっぱり跡形もありません。ここに住んでいた人らはどこ行ったんでしょうかね。

都島区 桜ノ宮

こちらは2007年現在のもの。土手下側から見る古鉄街バラック群もかなりの迫力があったのだが、これももう見る事ができなくなってしまった訳で大阪の昭和戦後史がまた一つ姿を消した事になる。思えば平成に入ってからもう四半世紀が過ぎたのか…

都島区 桜ノ宮

土手の上から改めてかつての「古鉄街」を眺める。つい2年くらい前まであったはずのものが突然ぽっかり無くなると不思議に思えますね。まあ不法占拠だった訳ですが。これで桜ノ宮からアパッチ族の生活空間は完全に姿を消した事になる。

都島区 桜ノ宮

かれこれ半世紀以上、国有地である大川河川敷の敷地を不法占拠し続けていた「古鉄街」。そこには大阪府西大阪治水事務所の名義で立入禁止の看板が無情に掲げられていた。龍王宮と共に完全消滅。南無~。


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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