【梅田の隣】韓国人観光客が急増!大阪市北区「中崎町」がガチなコリアタウンである理由

大阪市北区

大阪の中崎町と聞いて思い浮かぶのは「梅田のすぐ隣」という以外に、最近になって古びた長屋がリノベーションされてオサレカフェや女子ウケの良さそうな雑貨屋とかがメキメキ増えて新たなトレンディスポット化している街だという点か。しかし大阪DEEP案内的にはそんな一面だけで片付けられない裏要素てんこ盛りな街でもある。

まずはそんな街の玄関口ともなる地下鉄谷町線中崎町駅で下車。梅田から充分徒歩圏なので、JR大阪駅から歩いても15分もあれば来られる程近いが、近年の都心回帰によって「関西住みたい街ランキング」上位である「梅田」のエリアが拡大解釈されて、この辺にまでタワマンが乱立してマンション名に平然と「梅田」の二文字が付いている、そんな勢いのある街だが…

エレベーターのある地下鉄出口の建物に何らかの器物損壊行為をされたのか知らんが「被害届提出してるぞ!!」とお怒りの書き込みをしている中崎町駅長名義の警告ポスターが気掛かりである。中津にしろ中崎町にしろ、そもそも梅田の北側というのはそんなにガラの良い地域ではない。

駅改札に「ミレ信用組合」の広告がある街、中崎町

地下鉄中崎町駅の改札前に堂々と置かれた「ミレ信用組合」の広告が、この街が本来どういう性質の街なのかという事を如実に語っている。鶴橋のある生野区と並んで、中崎町や中津など北区のこの界隈も結構な規模のコリアタウンとしての歴史を歩んできた街だ。

中崎町駅真上の都島通沿いにごついビルを構える「ミレ信用組合本店営業部」。2002年に経営破綻した朝銀近畿信用組合の受け皿としてスタートした在日朝鮮人系金融機関であり、中崎町を本店に大阪市周辺や大阪府南部、和歌山市などに9店舗を展開している。


ミレというのは韓国・朝鮮語で「미래」、すなわち「未来」を意味する言葉。貯蓄マニアにとっては日本の都市銀行の一般的なそれと比べて破格に超高金利な定期預金商品を扱っている事で定評のある金融機関だ。北朝鮮系と言ってもれっきとした日本の金融機関であり預金は日本の金融庁の預金保護制度でちゃんと守られている。あら不思議。中崎町住みなら口座の一つくらい持っていても悪くはないかも知れない。

韓国民団「大阪韓国人会館」もある街、中崎町

さらに中崎町駅に程近い場所には韓国民団(在日本大韓民国民団)の「大阪韓国人会館」の建物もある。「北」もあれば「南」もあるのがガチなコリアタウンの証。韓国民団大阪府地方本部や大阪韓国文化院など数々の在日韓国人系団体が入居する、大阪市内における韓国民団の総本山的な建物だ。

大阪韓国人会館の外壁には「地域住民である在日韓国人に地方参政権を!」のスローガンと、ビルの屋上には風を受けてはためく太極旗も見られる。大阪における韓国、阪流&韓流、すなわち「大阪民国」とは言い得て妙である。

あと、大阪韓国人会館の裏手あたりには数年前まで在日コリアン系の政治団体が入居する建物が見られたが、いつの間にか無くなっていた。2007年に見かけた「統一日報大阪支社」と表札が掛かっている建物である。在日韓国人系新聞で、東京の元赤坂に本社がある。

さらには「韓青同」(在日韓国青年同盟)といった団体を率いる「韓統連」(在日韓国民主統一連合)の大阪本部もこの界隈にあった。(これも現存せず。現在は生野区桃谷に移転)韓統連と言えば毎年、生野区の巽公園で行われる「統一マダン生野」の主催団体としてその名が出てくる。

韓統連も在日韓国人の団体だが、スタンスが「北」寄りのためか、韓国本国や民団からは北朝鮮政府や朝鮮総連と同じく「反国家団体」扱いされていて、ここの構成員は韓国への入国が拒否されるという。そして、傘下団体の韓青同は日本の極左プロ市民との関連性も深く、沖縄の反基地運動や反ヘイトスピーチ団体の活動にも絡んでいる。

JR大阪環状線の高架沿いを歩けば「徐貞玉韓国古典舞踊学院」と看板が掲げられた建物もあった。ここは高架下と一体化している。大阪駅と天満駅の間にこんな場所が人知れず存在するのである。(2007年撮影。現在では看板が取り除かれている)

ガチなコリアタウンの長屋地帯に群がるイマドキ韓国女子

時は変わって現在2017年の中崎町、そこには何故か韓国からやってきた若い観光客の姿ばかり。銭湯「葉村温泉」の前のゲバラの絵が描かれた店の前で記念撮影をしている仲良しコリアンアガシ二人組に遭遇するわ、自撮り棒を手にペアルックで練り歩く韓国女子軍団か男女カップルがこぞって中崎町に集まっている。やはり化粧や髪型ですぐ韓国人観光客であると分かる。

どうもこの数年、中崎町界隈は韓国のネットユーザーの間で話題沸騰していて「大阪旅行で一度は行きたいトレンディスポット」扱いされているらしい。「中崎町カフェ通り」を意味する「나카자키쵸 카페거리」といったハングルを打ち込んで検索すると、韓国人観光客が撮った「フォトジェニック」で「インスタ映えする」中崎町界隈の写真がうじゃうじゃ出てくる。

そう言えば韓国でも「タルトンネ」と呼ばれるスラム街をアートで埋め尽くしてほっこりカフェを置いたりして観光地化している地域が沢山あるが、まさしくああいうノリで訪れるのだろう。釜山の有名な「甘川洞文化村」なんかその最たる例だ。

それに大阪民国と大韓民国も一文字違いで、大阪を韓国語読みすると「대판」なので、そりゃ韓国人も大阪に親近感が湧くのだろうし、当の韓国人観光客も「大阪民国」(대판민국)と呼んでいるらしい。というわけで、中崎町と韓国は切っても切れない関係なのです。

昭和の大物フィクサー「許永中」は中崎町のお隣、中津出身

許永中 日本の闇を背負い続けた男 (講談社+α文庫)

中崎町がどれだけガチなコリアタウンなのかを語る今回の記事だが、イトマン事件で一世を風靡し大阪市の同和対策事業で莫大な利権を得た、あの昭和の大物フィクサー「許永中」氏も中崎町のお隣の中津出身である事を忘れてはならない。この一帯の地域がそうした裏社会で暗躍する人物を生み出してきたという歴史は、いまこの街でレトロな長屋地帯を散策しているほっこり系女子軍団の知る所ではないのだろうが。


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