【大阪市無駄物件図鑑】フンデルトヴァッサーの遺作、総工費609億円の超豪華ゴミ処理場「大阪市環境局舞洲工場」

大阪オリンピックの舞台となるはずだった、此花区北港の人工島「舞洲」の入口にそびえる奇怪な建物。ラブホテルだとしても場違いであり豪華すぎる。なんとその建物の正体は大阪市環境局の「ゴミ処理場」なのである。


北港の対岸のUSJや南港あたりからでもその気狂いしたかのような異界の建築物が見える。圧倒的存在感。その建物をUSJと勘違いして訪れる観光客もいるくらいの勢いだ。

このゴミ処理場は、芸術の都ウィーンにおける世界的芸術家「フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー氏」の設計で作られた芸術作品なのだ。

舞洲工場の説明が書かれたプレートがご丁寧に設置されている。

写真には「大阪市環境局舞洲工場」とあるが、以前は「大阪市環境事業局」という名称で、2007年4月1日から組織再編で都市環境局と統合され名称変更。さらに2015年4月1日からは近隣の松原市、八尾市が加わり「大阪市・八尾市・松原市環境施設組合 舞洲工場」という名称に変わっている。

改めてその場に立ってみると、その巨大さとヨーロッパ芸術家の作り上げた世界にただ圧倒される。細部に至るまで全く手抜きなし。ある意味では日本の建築物としては希少価値が非常に高い。だから、写真を撮りに訪れる人が多い。間抜けなのが、それだけ贅の限りを尽くして建てられた施設の正体がただのゴミ処理場だということ。

舞洲工場の表玄関。 この施設、誰でもふらっと入って行ける訳ではなく、見学は環境局宛に事前の電話予約が必要で、それも祝祭日を除いた平日・土曜しか入場できない。この日は祝日だったので正面玄関は閉鎖されていた。ただ年に一度公開日があるので、その時を狙って行けば施設の中を見る事ができる。

そして外観のドハデさだけではなく内部にも手を抜いていない。舞洲工場には最新の高性能焼却炉が据え付けられていて、ダイオキシンも発生させる隙を与えぬ超高熱で不燃物も可燃物も無差別焼却。舞洲工場の焼却能力は1日に900トン。粗大ゴミの破砕設備も備えられている。

ちなみに、大阪市内では未だにほとんどの地域でゴミの分別が行われていない。他地域から大阪に引っ越した人々がびっくりする大阪のゴミ出し事情なのである。一応、市のホームページにも可燃ごみと資源ごみは分けて出すようには書いてあるが、未だに徹底されておらず、燃えるゴミもプラスチックも瓶も缶も乾電池なんかもみんな一緒くたに捨てている家庭は多いと聞く。

「束縛されるな、追随するな、定規で引いたものには不信を、直線は胸に抱くな、自由であれ、そうすれば何者にも脅かされぬであろう」
芸術家フンデルトヴァッサーの美学がこの言葉に刻まれている。

このゴミ処理場はフンデルトヴァッサーが生涯を閉じた翌年に竣工した。つまり彼の日本国内における最期の遺作なのである。

フンデルトヴァッサー建築の足元にはムクゲの木が植えられている。ムクゲは韓国の国花である。

それでもゴミ処理場です

こう見えても、やっぱりゴミ処理場なのだ。ひっきりなしに収集車が出入りしている。これだけの巨大な舞洲工場がゴミ収集を担当する地域は、此花区と福島区だけ。(2007年当時)

みおつくし

極彩色の芸術作品の頂上には大阪市章「みおつくし」。さて、これでもうおなかいっぱいと思ったら大間違いである。さらに向かいにはフンデルトヴァッサー氏の芸術作品第二号が存在する。

同じく大阪市環境局の「舞洲スラッジセンター」(汚泥集中処理場)。なんとあの建物は総事業費800億円らしい。

ちなみに夜間はこんな感じで建物全体がライトアップされる。

内部見学してまいりました。中も凄い。

フンデルトヴァッサーの遺作、世界一派手なゴミ処理場「大阪市環境局舞洲工場」に出入り自由な日がある
大阪市此花区にある人工島「舞洲」。ここはかつて2008年大阪五輪誘致を前提とした開発が続けられ、同じ人工島の「夢洲」「咲洲(南港)」など...


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。
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