大阪市無駄物件図鑑・弁天町「オーク200」 (2007年)

JR大阪環状線と地下鉄中央線の駅が交差する、大阪ベイエリアの玄関口、それが弁天町駅。
鉄道マニアとお子様大喜びのスポット「交通科学博物館」がある以外、あまりこれといったものもなく印象の薄いエリアではある。だが、駅から国道43号、阪神高速の高架を挟んだすぐ向かいには、目を見張るような超高層ビルが3本も並んでいる。



そのうち、一番新しい色違いのビルは2006年に完成したばかりの超高層分譲マンション「クロスタワー大阪ベイ」だが、残る2つのビルは、大阪市が主導で開発した弁天町駅前開発土地信託事業により1993年に誕生した巨大複合施設「オーク200」のものである。

ホテル大阪ベイタワー(旧・三井アーバンホテル大阪ベイタワー:2007年7月1日より名称変更)、それからオフィス棟のある「1番街」、レストランやショップが並ぶ「2番街」、ゲームセンター・ボウリング場とコナミスポーツクラブ弁天町が入った「3番街」(パラディッソ)、オフィスビルと分譲マンションが入った「4番街」(オークプリオタワー)、以上の4区画に分かれている。

大阪市の土地信託事業最大の負債682億円を誇るダメポ物件

しかし、初期投資の規模が大きすぎるため十分に利益を出す事もなく、信託配当金も過去に一度も出された事もない。赤字額だけが膨れ上がり、とうとう682億円にまで増大した。このため民事調停を申請。大阪市は信託銀行4社にそのうち約400億円の債務負担を求めている。

オーク200自体も買収先を探している所だが、ここまで巨大なハコになると誰も買い取ってくれる相手もおらず、泥沼状態になっている。

ちなみに弁天町まではJR大阪駅からわずか6分、都心からの交通便も決して悪くはない。駅からは連絡通路を通り抜ける必要があるためやや距離を感じるものの、そう不便さはない。

オーク200の中央にあるアトリウムでは、いつ来ても何かしらフリーマーケットが開催されている…ような感じがする。見た目は立派で都会らしい複合施設なのにガヤガヤとどうも雑然した雰囲気があるのは、隣の3番街のアミューズメントゾーンにたむろする少年少女が多いためだろうか。公衆の面前で足を広げてタバコをふかしてだらしなく座っている制服姿の高校生の姿もある。これが弁天町クオリティ。

他にもオーク2番街のオフィス棟には大阪市の「弁天町市民学習センター」、それからラジオ大阪も入居している。

ショッピングゾーンの2番街。2階が喫茶店や雑貨、本屋などがあり、3階はレストランだ。

2番街は表向き普通に店舗が並んでいるが、中に入ってエスカレーターで3階に登ると、一気にひと気がなくなり閑散とした印象を受ける。何か模型が置かれている。

それはまさにオーク200の建物模型。役人がハコモノ建設に関わると、何を誇示したいのか大抵こういうものが作られて、自慢するかのように置かれている。

最も辛そうなのは1番街のオフィスフロアだ。やはりWTCコスモタワーと同じように、大阪市の部署や外郭団体などが数多く入居している。一時期は港区役所も庁舎建て替えの最中に入居していたこともある。市民の利便性を考えれば、そのまま庁舎に使うのが正しい選択だったと思うのだが、港区役所は元の場所に豪勢な新庁舎を建てて、オーク200から退去した。

総大理石の壁に、利用者もまばらなのにエレベーターが6基もある豪華なオフィスフロアである。もう少し身の丈を弁えた設計ができなかったものだろうか。信託銀行だけに経営失敗の責任があるとは、とても思えないんですがねえ。

ついでに、15階にはこっそりと「ヒューライツ大阪」といった「人権」がらみの香ばしい施設まで入っている。こういったところが大阪らしいと言えば大阪らしいw

オーク200レポ続編

【オーク200】大阪の副都心になり損ねた街…バブル建築超高層ビルがそびえる「弁天町」の惨状を見よ

とうとう大阪市の手から離れ外資系ファンドのものになりました。

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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。
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