日本社会における最低最悪の“害悪”とは何か…と問われると、我々は開口一番「マスコミ」であると答える。何故なら日本の報道機関の多くがその本来の役割を放棄し、世の中の役に立つ仕事をしないばかりか、権力に屈しては真実から目を背け我が国民を欺き、時には反社会勢力や敵性国家と結託して我が国の国益に反し、活動家じみた行為に加担する者までいるからだ。
先日4月15日、和歌山市雑賀崎漁港(我々、最近ここ行ったばっかりなんですけど)を演説のために訪れた岸田文雄首相が突然乱入した男にパイプ爆弾を投げつけられ爆発する(首相は無事、怪我人一人で済んだのは不幸中の幸いだった)という、あわや惨事寸前の危機的な出来事となった。その場で取り押さえられた兵庫県川西市在住の24歳男、木村隆二容疑者。明らかに去年7月8日に奈良市で起きた「安倍晋三銃撃事件」の実行犯・山上徹也に感化されたものだ。
首相やその経験者、政治家を狙うテロ事件は長らく我が国日本では起こることのなかったものだ。安倍元首相の事件の時もマスコミは山上の酷い家庭環境と母親が盲信していた統一教会と安倍首相(祖父の岸信介の代から)との関係を取り上げ、一部では山上に同情する向きすらあった。しまいにはネット上での減刑嘆願署名活動、さらには大阪拘置所にいる山上を激励する手紙や贈り物、はたまた現金までもが大量に送られる始末だ。
カルト宗教が起こした一家の破滅という悲劇…その事には一定の理解を示すけれども、あらゆる理由があろうともテロリズム、暴力の行使は決して認めてはならない。山上徹也は殺人者である。法の下で裁きを受けなければならない。
今回の和歌山・雑賀崎漁港での“爆弾テロ”の一報に接して、社会の公器たるマスメディアがむしろ首相暗殺テロを容認するような論調を垂れ流しては“第二の山上徹也”を生み出している。その懸念が実際に起こってしまった。そのように思えてならない。山上徹也という人間像をマスコミが寄ってたかって紹介した時点で「テロリストの勝ち」なのである。統一教会やその他諸々のカルト宗教の問題はそれ単体として是正されていくべきものだが、今後このような事件があってもテロ実行犯の思う壺にさせてはならない。
さて、今回もまた前置きが長くなってしまったが、安倍晋三元首相が凶弾に倒れた場所に程近い奈良市般若寺町に、明治時代に建造された“明治の五大監獄”の一つで唯一ほぼ完全な形で現存している「旧奈良監獄」(奈良少年刑務所)という施設がある。ここの内部見学会に参加する機会を得て、生々しい“塀の中”をじっくり穴が開くほど見て回ったのだが、その時にとある“奇妙なポスター”を目にしてしまったのだ。それは冒頭で触れた“マスコミは害悪”というテーマにも繋がる“闇深”事案である。
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