【西成区】ドヤ街釜ヶ崎至近、スーパーイズミヤ発祥の地「花園町」のガチな下町風景を見る

大阪市営地下鉄の中でも、とりわけ大阪市内中心部を走り多くの乗客が利用する御堂筋線に並行して走る「四つ橋線」。ラインカラーは御堂筋線の「動脈」を意味する赤色に対して「静脈」を意識した青色になっているが、西梅田駅から大国町駅まではほぼ同じ区間を並走している。しかしそこから先の区間は、大阪市内屈指の貧困地域として名高い「西成区」のど真ん中を通る、沿線利用者のアクの強さと来れば他の追随を許さない路線でもある。

大国町駅から枝分かれした一つ先にあるのが、大阪市西成区に属する「花園町駅」である。ここから岸里、玉出までの三駅が西成区で、あとは住之江区。とりあえず駅のホームで降りたらアニメ絵の萌えキャラポスターがベタベタ貼られていてのっけから痛い。大阪市営地下鉄の中でも四つ橋線沿線だけが何故か独自路線で突っ走っている、その一環である。

のっけから謎の萌えキャラ推しで痛々しい地下鉄四つ橋線の駅

花園町駅は駅員にオタクでも紛れ込んでいるのだろうか定かではないが、車内安全行為キャラクター「乙華 茉莉」(おつか まり)って何だよこれは。ちなみに四つ橋線は他の駅にも謎のオリジナルキャラが湧いていて色々とアレな感じなので気をつけて観察して頂きたい。

花園町の住民レベルが推し量れる「じてんしゃ じゃまやねん」ポスター

で、改札を出て地上に上がるとそこは大阪市と和歌山市を結ぶ国道26号線。しかしそこで遭遇したのは凄まじい数の路上駐輪。自転車駐輪禁止の警告も虚しく歩道の大部分がチャリで埋め尽くされている。日本で最も自転車のマナーが悪い地域、それが大阪市西成区である。

花園町駅周辺の町会もかなりキレ気味に「じてんしゃ じゃまやねん」と書き殴ったポスターを多数張り出して近隣住民に訴えかけているが、この辺の住民なんかにマナーを求めても焼け石に水で、公共心のレベルは天王寺動物園のチンパンジー以下なので致し方ありません。

特に地下鉄出入り口付近の警告張り紙の多さにはさすがに笑いをこらえきれないものを感じる。近所の「弘治小学校児童による作品」がプリントされた床の警告表示の上にも容赦なく自転車が置かれている始末。こんな場所で育つ子供も何が正しいのか間違っているのか、見本になる大人がろくに居なさそうで大変ですね。ちなみに弘治小学校は近隣の「いまみや小中一貫校」に統合される形で2015年3月で閉校している。

実は花園町駅前から日本最大のドヤ街「釜ヶ崎」は非常に近い場所にある。国道26号線に面する「花園北本通会」という商店街を跨いだすぐ先に南海電車の萩ノ茶屋駅があり、そこを越えると釜ヶ崎エリアのど真ん中である。前回の「花園北」のレポに触れたエリアもこの界隈のうちに入っている。

西成区花園町はスーパーイズミヤ発祥の地

そして花園町と言えば、中堅のスーパーマーケットチェーンとしてその名が知られる「イズミヤ」の本社があり、昭和風情漂う、年季の入った「イズミヤ花園店」が花園交差点の南東角にそびえている。花園町のランドマークと呼ぶべき建物か。しかし少し様子がおかしい…

なんとイズミヤ花園店、建物の老朽化に伴う建て替え工事で一時閉店していたのである。「97年間の永きに渡り有り難う御座いました」と張り出されていて、まるで永遠の別れを告げるかのようなテンションになっている。

イズミヤは大正10(1921)年に創業者・和田源三郎が開いた「いづみや呉服店」がそのルーツで、そこから97年続いたという事になる。クリスチャンだった創業者が、聖書に現れる「ヤコブの泉」からその社名を取ったという、そんないわくがある。

昭和の高度経済成長期からじわじわチェーン展開を推し進めたイズミヤは一時期中国地方、東海地方、関東地方にも営業エリアを拡大していたが、2017年5月に千葉市の検見川浜店を閉店して以降は宮崎市の一軒を除く全店舗が関西二府四県のみになっている。

全国展開を目指していた頃もあった準大手スーパーの発祥の地がよもや西成のこんな場所だとはなかなか想像も付かないものだが、創業以来の歴史を持つ花園店の土地は一切他に明け渡す事もなく、同じ場所にまた新たな店舗が建てられる予定となっている。

灯の消えたようになっているイズミヤ花園店を尻目に、ジャンジャンバリバリド派手な原色系の巨大看板を国道26号線に晒している、ザ・大阪的お下品さの集大成的店舗「激安スーパー玉出」花園店。同じ西成発祥のスーパーでもこちらは相変わらずの盛況ぶりである。西成区ではイズミヤどころかイオンの進出もおいおい出来ない程に「玉出」の攻勢が強い。

スーパー玉出花園店に隣接するマンションの一階部分には、あからさまにスーパー玉出の系列会社である事をアピールするかの如くひまわりマークのドギツイピンクの看板を掲げて営業する「ひまわり不動産」の店舗もある。生活保護受給者、年金受給者向けの礼金保証金なしの格安物件多数。なんでも激安で済む西成ライフ。

そんな原色看板ドギツイ風景に一台の選挙カーが颯爽と駆け抜けていく。先日の衆院選の選挙期間中に大阪を訪れた訳だが、西成区を含めた大阪府第三区で創価公明&共産の庶民政党コンボの鉄壁に挑むべく自民党員でありながら党の意に反して無所属新人で立候補した不動産管理会社社長・中条栄太郎氏の選挙カーだった。

選挙カーには「公明党の独裁をストップ!」の一文がw しかし本人の写真、なんか頭丸めちゃったりして、百田尚樹とか意識してませんかね。

大阪府第三区は毎回選挙の度に自公連立政権の決まりごとで地元で圧倒的に強力な支持基盤を持つ公明党から候補が出されるので、実質的な保守票の行き場が無い。中条氏はこの衆院選では落選したものの、得票数は16,231票となかなかの健闘ぶりだった。

花園町駅周辺には鶴見橋商店街、花園本通商店街、梅南通商店街など、これまたアクの強そうな下町風情全開の商店街がてんこもりで四方八方に散らばっている。詳しくは後日のレポートで改めて紹介するとしよう。


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。
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