和歌山ぶらくり丁商店街 (9) つきじ横町<前編>

寂れ方が酷いと散々言われる和歌山の中心市街地「ぶらくり丁」界隈だが、逆にその事が昭和の古い町並みが建て替えられもせずにそのまま残るという現象を招いている。
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という訳でDEEP案内的に和歌山ぶらくり丁はかなりツボなのだが、ソープ街のオンボロビルが裏手から眺められる大門川沿いにまだまだ香ばしい風景が残っていた。大門川から真田堀川が分岐する辺りも、かなり濃密な雰囲気の飲み屋街が広がっている。


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大門川に架かる鈴丸橋のたもとから川沿いに続く飲食店街もかなり煤けまくりでいい雰囲気を残している。和歌山名物の中華そば屋に寿司屋、中華料理屋が並ぶ。
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大門川と真田堀川の分岐地点で中州のようになった狭い一角に個人商店や飲食店が立ち並ぶ。寂れた商店街に止めを刺すかのごとく、鈴丸橋のある城北通りを跨いだすぐ反対側には貧民御用達の業務スーパーが進出している。
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そんな微妙な通り道を中ぶらくり丁のアーケード方向に歩いて行くと途中で真田堀川を跨ぐ随分年季の入ったボロ橋を渡る事になる。相当ボロいけど橋の名前は「新築地橋」だ。昭和初期に架けられたものらしい。
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この新築地橋を渡った向かいに「つきじ横町飲食街」なる、ボロ橋といい勝負をしたかなりヤレたオンボロ飲み屋街が突っ立っている。
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ぶらくり丁界隈を目を皿のようにして歩き回ったが場末感で言うなら間違いなく最強クラス。飲み屋だけでなくたこ焼き屋がある所もツボ。「つきじのたこやき」であって決して築地銀だこではない。
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つきじ横町の建物は櫛形の棟続きになっていて、その合間にトタン屋根のついた薄暗い小路が通っている。中に入居している店の看板が並んでいるが、みんな名前が「スタンド」なんとやらに統一されているのもウケる。
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マッチ箱のような極小店舗が連なる戦後のドサクサそのまんまなバラックスタイルの酒場も、京阪神あたりでは絶滅しかかっている。つきじ横町が建っている場所も背後は全て殺風景な平面駐車場で、何とも寒々しい限りだ。
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一見さんは入りづらいバラック横丁でも、中に入ってしまえばトタン屋根を通した優しい光に照らされた昭和のオアシスとも言える世界が何も変わらず広がっている。出来れば夜の風景も見たかったが、この日は大阪から日帰りの予定だったので、無理だった。
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個人プレイが炸裂する場末酒場の店の数々。微酔と書いて「ほろよい」。本気と書いて「マジ」みたいだが、実際こう書いてこう読むらしいですね。現役の店がちらほらあるのがまだ救いだ。
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飲み屋だけに限らず「将棋囲碁道場」まであるのがつきじ横町の変わった所。地元の土着オヤジ達の残された楽園といった所だろうか。
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外観からして既にそそられまくりの「つきじ横町」の奥へと続く通路は怪しいダンジョンのごとく口を開けていた。ダンジョンの奥は昼の光の届かない闇の世界だ。これは入らない訳にはいかないでしょう。

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