誰も知らない西成区の高級住宅街「天神ノ森」とは

聖天山からさらに南へ歩く。時折阪堺電車の踏み切りを行ったり来たりしながら、下町風情を味わっていた。西成区にもこんな落ち着いた風情の場所があるというのは、ここまで来てみないとわからない。

チンチン電車で一駅分歩き、聖天坂駅にやってきた。

堺の浜寺まで走る阪堺電車の車両。大阪ディープサウス巡りの足には欠かせない。大阪市内の移動はどこで乗り降りしても200円だ。

この辺が「天神ノ森」という地域だが、線路の東側に行くと一軒家が多く立ち並び、その先には坂が見える。坂を上るとそこは阿倍野区。高級住宅街・帝塚山エリアにさしかかる。

大阪市内なのにまるで別世界のような帝塚山。大阪市で「高級住宅街」と呼べるのは、まさしくこの一画だけに限られている。

大阪市内には高級住宅街のバロメーターである「第一種低層住居専用地域」という区分の、いわゆる一軒家しか建設できない区域が全く存在しないそうだ。帝塚山でさえ、「第二種中高層住居専用地域」。大阪市から金持ちが逃げていく理由がよくわかる。

その帝塚山側と西成区側では、上町台地の自然の要塞がそのまま壁となって両者の行き来を制限している。上町台地の下は、もっぱら下町風情全開です。阿倍野区側には「阿部野神社」がある。大阪でも上町台地の南北は神社仏閣がとても多い。このあたりは上町台地の南端にあたる場所だ。

その、大阪市内屈指の「高級住宅地」から道筋一本、線路一本挟んだだけでもう「西成」を思わせる風景に出会える。教育基本法改悪反対と書かれている左巻きな団体様の事務所があると思ったら「全日本教職員組合」とか書いているし…

電柱には「福祉物件」の張り紙が。つまりこれは生活保護受給者でもOKな安いアパート。その代わり、地震や火災での命の保障は致しかねますが…って感じの所も多そうだが…西成にはこういう賃貸アパートがゴロゴロある。さすが生活保護率15%の街。

帰りは玉出方面へと向かった。南海岸里玉出駅から西側には「玉出本通商店街」がある。アーケードの屋根が妙に味わい深い商店街だ。あのDQN激安スーパー「スーパー玉出」の本店・本社はこの商店街の中にある。やっぱり「西成」って言われるとこっちの風景がしっくりくるよね。


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。
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