【韓流&阪流】史跡難波宮跡で今年もやるよ古代朝鮮祭「四天王寺ワッソ」

毎年11月の第1日曜日、大阪市中央区にある「史跡難波宮跡」を舞台に繰り広げられるイベント「四天王寺ワッソ」。古代の朝鮮半島より様々な時代ごとに渡来人が日本に渡り文化を伝来してきた、というシナリオに基づいて、古代朝鮮の国々の渡来人に扮した参加者がパレードを行うという、在日コリアン人口日本一の大阪ならではの祭典である。

我々取材班もこの「四天王寺ワッソ」には2004年から何度か様子を見に行っているが、年々祭りの規模が大きくなっている気がしている。今年2018年の開催は11月4日(日曜日)である。当ページでは去年2017年の様子をお伝えする事にしよう。

既に大阪ではお馴染みになってしまった感のあるイベント、その会場となるのが地下鉄谷町四丁目駅近くの「史跡難波宮跡」。かつて奈良時代に築かれた難波宮の跡地にあり、北隣には朝鮮を侵略した豊臣秀吉の居城であった大阪城公園に隣接しているという、なんとも歴史の因縁を感じさせる土地である。

ただの在日コリアン祭りじゃない。外務省や関西政財界も全力でバックアップする「四天王寺ワッソ」

「四天王寺ワッソ」について関西以外では殆ど知名度がないが、これはただの在日コリアンの内輪だけで盛り上がっている、ローカルな祭りとは全く違う。

まず会場の表にでーんと張り出されている協賛企業・団体の一覧を見て欲しい。毎日放送、ダイキン工業、パナソニック、サントリーといった関西の有名企業がずらりとその名を連ねる。それに加え外務省、大阪府、大阪市、関西経済連合会、大阪商工会議所などと政財界からの後援も手厚い。

会場内には2004年の復活開催開始から毎年続けられてきた「ワッソの歩み写真展」がパネル展示でドドーンと出ている。年々ド派手さに磨きがかかっているような気がしなくもない。ここ近年は日本企業以外にも韓国側の企業にも協賛が増えている。

2009年、2011年、2014年の回は雨天のため難波宮跡での開催は中止となっており、代替会場として近所にある大阪歴史博物館で舞台公演を中心にイベントが行われる。さて今年は天気に恵まれるのでしょうか。どうせ見るならやっぱり外で見たいもんですけれども。

会場の片隅では日韓の様々な団体がブースを設けそれぞれアピールを行っているので、メインイベント開始前の暇潰しに見ていくと良い。韓国の忠清南道で行われる百済文化祭をアピールするブースとか、特段「韓国通」でもなければ知り得ないようなものまで普通にある。

在日コリアンも多数口座を持っているSBJ銀行も「LINEpay外貨両替」キャンペーンを大々的に開催中。ここは元々は韓国において在日コリアン資本で設立された金融機関「新韓銀行」だったが、在日支店の事業を譲渡する形で日本の金融機関として2009年から営業開始している。金利の高さがウリだそうで、ちゃんと日本の法律で預金も守られる。

2017年の四天王寺ワッソにはその翌年、つまり今年2018年に開催された「平昌五輪」のマスコットキャラクターも着ぐるみで登場イムニダ。こんなキャラ居たんですね、モルゲッソヨ~、知りませんでした。

平昌五輪と言えばむしろネットで話題の「モルゲッソヨ像」が人気を掻っ攫った格好だ。残念ながら四天王寺ワッソの会場では見られない。平昌まで足を運んで実物を見るしかないようだ。

おなじみの韓国屋台料理コーナーも充実。史跡難波宮跡が鶴橋商店街に変貌する一日。そう言えばこの年は街宣右翼による抗議や嫌がらせの類は見かけませんでした。警備が厳しくなってきたんでしょうね。

朝鮮半島と日本の交流をメインテーマに据える「四天王寺ワッソ」、その開催日には右翼団体が何度も会場周辺に街宣車で乗り付けてきて拡声器で抗議の声を挙げたり妨害活動を行う事も珍しくない。そのためこのような警告看板も掲げられている。

日韓両首脳がそれぞれメッセージを送る「四天王寺ワッソ」の壮大さ

そしてメインの舞台の前には大勢の観客席が置かれ、ご老人や在日コリアンな方々と思われる客で既に満席になっている。前座となるサムルノリや演奏などのプレステージが粛々と続けられている。

2017年のステージイベントでは「日韓の伝統楽器と唄の共演」をテーマに韓国伝統の楽器と日本の津軽三味線、そしてNHK紅白歌合戦出場常連の演歌歌手・香西かおりの生歌と共に「日韓友好」の場を惜しげもなく披露。まあゴージャスですこと。

その後、午後1時より舞台には日韓両国政府を代表して韓国側は駐大阪大韓民国総領事館の代表により文在寅韓国大統領からのメッセージを日本語で読み上げ、日本側からは外務省の関西担当特命全権大使により安倍晋三首相からのメッセージを韓国語で読み上げる一幕もあり、四天王寺ワッソがただの祭りではなく政治レベルでのスケールのデカいイベントである事を示している。

そして毎年恒例の「ミスターワッソ」こと関西ではお馴染みのご長寿ラジオパーソナリティ・浜村淳も百済の王・武寧王に扮して御登場。『ありがとう浜村淳です』ではなく『コマウォ浜村淳イムニダ』である。いよいよ高齢ぶりが極まってきた。2018年時点で83歳…

メインの古代朝鮮パレードは豪華絢爛ながらも毎年恒例過ぎて新鮮味がありません

午後1時30分から恒例のメインイベントである古代朝鮮パレードが始まる。「神話の時代」から「古墳時代」「飛鳥時代」「奈良時代」と続いて最後に「朝鮮王朝」で締める。

様々な時代の古代朝鮮の人々が難波宮に「来た」(ワッソ)というのが「四天王寺ワッソ」の名前の由来だが「ワッソが日本語のわっしょいの語源」という説は前にも述べた通り根拠に乏しい、所謂「ウリナラ起源」による主張に過ぎない。このパレードは毎年殆ど変わる事のない面々で、当方の過去のレポートでもしつこく写真を載せて紹介しているので、今更繰り返す必要もない。

毎年ワッソに参加している方々、在日コリアンばかりではなく生粋の日本人も大勢おられます。仕事の付き合い上なのか趣味なのか知りませんが肩凝りませんかね。そういう問題じゃないのかも知れませんけども。

「角がある人」が語源のツヌガアラシト(都怒我阿羅斯等)役も毎年ガタイのいいオジサンがやってはりますけれども、これも日本書紀に登場する古代朝鮮の王らしい。

日本神話や古事記に登場する天之日矛の妻、阿加流比売神に扮するはタレントの大桃美代子。モデルのアンミカと並んでワッソでは常連メンバーである。大桃さんは90年代にMBSで放送されていた「テレビのツボ」時代から知ってますけども、自身のブログで「韓国には150回以上来ています」と宣言するほどの筋金入りの韓国通である。

ワッソのパレードには韓国側からも参加グループがいくつか登場する。2017年には慶尚北道金泉市の小学校生徒がはるばる大阪までやってきてプンムルノリを披露。

日韓の政財界も協賛するゴージャス極まりない「四天王寺ワッソ」…まさしく日本における在日コリアン社会の首都とも言える大阪の本気度を五感で感じられるイベントと言っても良い。韓国の文化が分からなければ「なにそれ?」と白けるかも知れんが、まあ一度くらい見に行ってもバチは当たらない。


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。
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