生駒宝山寺新地を訪ねる (3) ここは大阪奥座敷

生駒ケーブルに乗って生駒山地の中腹・宝山寺駅まで足を延ばすとそこはもう日常から隔絶された世界だ。
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正月には初詣客が忙しなく行き来する宝山寺駅。臨時の駅員なども沢山いてガヤガヤと騒がしいのだが普段は人通りもまばらな静寂とした空間。駅を降りて道なりに行くと宝山寺参道の聖天通りに抜ける。


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駅を出た所で振り返るとこの駅舎自体もかなり古い事に気が付く。もしかするとこの駅舎も1918年の開業当初からそのまま残っているものだろうか。
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だとするとこうした壁のモダンな装飾などもやけに説得力を生む。地味な存在だが何気に産業遺産としては貴重な物件と言えそうだ。
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その宝山寺駅には正月の初詣客の殺到を見込んで臨時出口が置かれてはいるのだが、思いっきり正月元旦に訪れたのに閉じられたまま。信仰心の薄れがもたらした時代の変化なのだろうか。もう二度と使われる事がないかも知れん。
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とは言えケーブルカーの駅から宝山寺へ至る道はそこそこ人通りもあって、店先では屋台を出している所などもあり束の間に賑やかさを取り戻している。
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駅から30メートル程歩くと宝山寺参道の聖天通り。途中には古臭く程よい味わいの外観を備えた喫茶店や食堂などがあって風情を感じる。
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普段は占いの看板を掲げているちょっと不思議な喫茶店「古賀」。隣に同名の料理旅館があるので、兼業だろうか。
占いと言えば生駒山の反対側の開運テーマパーク状態の「石切参道商店街」では夥しいくらいのカルトっぷりで密集している訳だが、宝山寺では殆ど見かけられない。
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「観光生駒」のでかいネオンが目立つ聖天通りのゲート。
それも「生駒観光」ではなく、何故かひっくり返している所に何とも言えぬ印象を抱かせる。意図するところは…結局よく分からない。
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そもそもケーブルカーの駅を降りた所から観光旅館の看板があれこれ現れる訳だが、これらの旅館群が「宝山寺新地」の一部である事は言うまでもない。
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喫茶店などが並ぶ道の向かいには「天満屋」の看板とともにやたら古めかしい建物が山の斜面に沿って現れる。のっけから雰囲気が凄い。
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ついでに旅館の看板のレトロっぷりといったらハンパない。やはり宝山寺は地上と流れている時間が全く違っているようだ。
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「静かな御座敷」の文字も旧字体のまま、恐らく半世紀以上は経っていそうな代物だ。看板だけでも素晴らしい風格が漂っている。
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「料理旅館天満屋」の建物は斜面の下が3階建て、上が2階建てで宝山寺駅裏の駐車場に至る坂道沿いにある。

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