【おおさか東線延伸】駅名は城北公園通か、蕪村公園口か?新駅開業予定「都島駅(仮称)」でざわつく地元民たち

増加の一途を辿る外国人観光客の存在もあってか、ここ数年の間で大阪周辺では鉄道の新線計画があちこちで挙がっていて、最近では夢洲にカジノを置いて地下鉄中央線を延伸、さらに京阪電車の赤字路線となっている中之島線を九条まで繋げて京都から直通させようといった大胆な計画もあって、なんともドキがムネムネしそうな近未来の大阪なんですが、一方で現在バリバリと建設中なのが千里中央から箕面市方面に延伸工事をしている北大阪急行線と、もう一つは「JRおおさか東線」。

2008年3月15日に放出-久宝寺間で旅客営業を開始して以来、運行ダイヤが逼迫する大阪環状線を避けて神戸と奈良方面を結ぶアクセスルートとして活躍してきたJRおおさか東線が放出から新大阪方面に延伸、来年2019年春の開業予定を目指し工事が進んでいるが、その途中区間には4つの新駅(野江、都島、淡路、西吹田)の工事が進められている。

放出-新大阪間の途中駅の中で、鴫野、野江、淡路などは既に他路線の駅がある中で、大阪市内で唯一鉄道不毛地域に甘んじていた旭区赤川・都島区大東町の区境にできる「(仮称)都島駅」に個人的にアツい視線を送っているのですが皆様如何でしょう。しかしなぜ都島区の外れで、谷町線都島駅と混同しそうな仮称が付いているのか甚だ疑問。

これまで長年「城東貨物線」として昭和初期から使われていた線路が複線化工事を経て旅客営業を始める手筈となっているが、この通りガード下も凄まじい年季が入っている。これまで市バスで梅田に出るしか無かった地域住民が新大阪方面に即座にアクセスできるようになるインパクトは大きい。陸の孤島だったこの一帯もマンションや商業施設が今後メキメキ増えて大化けするかも知れない。

リメンバー桜宮高校バスケ部体罰自殺事件。新駅開業で通学が捗るぞ

ちなみにおおさか東線の新駅が出来る場所、前にも触れたかと思うが、今から5年前の2013年1月に大きく報じられた「大阪市立桜宮高校」バスケ部顧問(事件後懲戒免職)による体罰で生徒が自殺した事件に関連している、顧問が学校に無断で勝手に生徒を住まわせ、保護者から直接家賃を自身の口座に振り込ませ、部屋では飲酒喫煙が日常茶飯事で無法状態だった「闇寮」のアパートのすぐ近くなのである。

淀川に架かる赤川鉄橋のすぐ近くに校舎を構える大阪市立桜宮高校。生徒や教職員など関係者は新駅開業で通勤通学が捗ること間違い無しである。これでもう「闇寮」とか作る必要もありませんよね。あの体罰自殺事件の記憶も残る中、未だにスポーツ熱心がウリの高校となっているらしいが…

城北公園通か、蕪村公園口か?新駅の駅名で揉める都島・旭両区民

だがこの新駅は都島区と旭区の区境に置かれる事もあって(駅舎所在地は旭区赤川)、仮称の駅名「都島駅」については双方の区民ともに不服を訴えている。勿論、谷町線都島駅との混同を避けるべきというもっともな理由はあるが、特に旭区民を中心とした地域住民には馴染み深い「城北公園通」を駅名として採用するようにJR側に要望書を提出するなどして働きかけている。

そして都島区民は同区出身の俳人・与謝蕪村に因んだ名称を推しているとされるわけだが、その名称に「蕪村公園口駅」「蕪村生誕駅」「蕪村旭都島駅」などなど、頭に「蕪村」が付く事は必須要素らしい。で、新駅予定地のすぐ西側に「蕪村通り商店街」というのがある。

与謝蕪村推し一辺倒な都島区側にある「蕪村通り商店街」

旭区側の「赤三商栄街」同様、鉄道駅から離れた場所にある商店街という事でどうにも寂れっぷりが容赦ない。蕪村通り商店街は元々「大東商店会」という名称で、大正時代に鐘淵紡績、敷島紡績といった紡績工場で栄えていた時代から市電廃止の頃まで繁盛していた商店街だった。

商店街はおよそ400メートルの距離があるがアーケードもなく、開いている店舗も見ての通りまばらである。大阪を代表する超ロングアーケード街・天神橋筋商店街の入口「天六」からも直線距離で2キロしかない場所なのに、こうも勝手が違うとはね。

古くからの商店街という事もあってレトロっぷりが素晴らしくて、大阪市内というよりは地方の旧市街地にあるような鄙びた趣きを漂わせる蕪村通り。ここも新駅開業で商店が増えてガラリと変貌する可能性は大いにある。

商店街の名前にもなっている俳人・与謝蕪村の句があちらこちらに掲げられ、地元の誇りとしてアピールされまくっている。江戸時代中期の大阪、当時の摂津国東成郡毛馬村に生まれ、20歳で江戸に出て以来全国を旅しながら俳句の道を歩んだ人物で、松尾芭蕉や小林一茶と肩を並べる存在でもある。

シャッター街と化した商店街もとりあえず「蕪村」で埋めてしまえとばかりのシャッターアートの数々が見られるわけだが、町おこしのネタとして「江戸時代の俳人」は古臭い事この上ない。いっそのこと無節操に「蕪村くん」みたいなゆるキャラでも作ってみればどうだろうか。

しかし、当人の生誕地に近いとされる「蕪村公園」や与謝蕪村生誕地の記念碑が建つ「毛馬閘門」付近はこの商店街をさらに抜けた先の大川河口部にあって、新駅予定地からは1キロも離れている。都島区民の要望通りに新駅の名前に「蕪村」の二文字が付くがどうかは全くもって不透明。

城北公園通寄りの一角にある「食品館アプロ毛馬店」がせいぜい蕪村通りで活気のあるスーパーマーケットといったところか。この近隣地域にあるUR団地や民間マンションがかつての紡績工場の跡地だというのだが、詳しくは次回の機会に。


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。
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