【東灘区】関西住みたい街ランキング上位、花の女子大キャピキャピ(死語)タウン「阪急岡本」を歩く

京阪神モダニズムと持て囃された昔の時代から関西の上流階級が住まう阪神間、六甲山麓の高級住宅街に沿って走る「阪急神戸線」沿線は関西の綺麗どころであり、特に西宮から灘にかけての山の手エリアは大阪市内から電車で20分そこそこで着く近さにありながら全くもって別世界ぶりを見せつけている。

で、今回やってきたのは阪急神戸線の「岡本」である。梅田から特急電車で20分、十三から16分という距離だが、両隣は芦屋川と御影と、まさにこの辺が阪神間上流階級タウンの中心と言えるエリア。ここも同じ沿線の西宮北口と並んで、関西版「住みたい街ランキング」の上位常連タウン。その理由は一体何なのか、駅を降りて歩いてみないとわかりませんよね。

阪急岡本駅のホームに降り立つと、駅の広告の多くが私立大学や学習塾といった種類のものばかりで、これは阪急神戸線沿線の他の街にも言える事だが、沿線住民のガリ勉率の高さが異常なのである。これが十三まで行くと下品なパチンコ屋の広告ばかりとなるのと比べると、何がどう「別世界」なのか実感できる事請け合いだ。

しかしのっけから駅のホームで古新聞を漁ってるオッサンとか目にすると関西の限界というものを感じずにはいられない。それは置いといて、とりあえず改札から外に出てみます。

ここは関西の自由が丘か!オシャレで意識の高い岡本商店街

阪急岡本駅前から連なる「岡本商店街」。駅の真正面からレンガ造りの洒落た外観のカフェがあったりして、もう世界が全く違う。1995年の阪神大震災後の復旧時から特急を含めた全列車が停車する駅となっているが、特に駅前は繁華街と言えるほど発展して人通りがゴミゴミしているわけでもない。

まるで西洋を思わせる建築物が多い点を見て、関東の人間ならあの目黒区の住みたい街上位常連タウン「自由が丘」を連想させる事も多いことだろう。岡本はさしずめ「関西の自由が丘」と言っても過言ではない感すらある。その通り、女子ウケの良いカフェや雑貨店が異様に多いのだ。

シャレオツなカフェがあまりに多すぎるので、全国チェーン店系列の「タリーズコーヒー」まで店の雰囲気が違って見える件。

有閑マダムが犬連れで寛ぎそうなテラス席のあるカフェもあるなと思ったらただの「カフェ・ド・クリエ」だった件も追加でお願いします。

岡本商店街は終始このようなオシャンティーなイキフンに包まれているのだ。これなら関西住みたい街ランキングの上位に名を連ねる理由もわからなくはない。しかし自由が丘のような年がら年中おのぼりの田舎者がほっつき歩いて混雑するようなウザさがないところが大きな違いである。

岡本駅周辺にはもちろん下品なパチンコ屋の一つも存在せずギャンブルの嗜みも良しとは思っていない模様。裕福な岡本住民は有り余った金で「そ~れ野村に聞いてみよう~♪」とばかりに野村證券に資産運用を相談するのがデフォのようである。

阪急岡本駅の背後からは自然豊かな六甲山の山並みが迫っている。岡本や甲南山手などこうした山の手のハイソゾーンとド下町全開の阪神本線の青木や深江が近接していてどちらも同じ「東灘区」で、金持ちも貧乏人も一緒くた。おかげで神戸市の行政区別の平均所得の数値もさっぱりアテにならない。

パン屋多すぎ、さすが西洋文化の花開く神戸ですザマスね!

あと岡本駅前の商店街を見てみるとやたらとパン屋があちこちで目につく。ドイツの地名がおもっくそ入ったこちら「ケルン」も隣町の御影に本店を構え、神戸市東灘区を中心に複数店舗がある。

これもまた隣町の芦屋に本店を構える「ローゲンマイヤー」の店舗。無添加パンにこだわる自然派の意識高い系パン屋である。

そして首都圏にも多くの店舗を構え全国区で展開する大手パン屋「ドンク」も、発祥はここ神戸市である。岡本駅前にも立派な店舗を構えており存在感を示している。パンに洋菓子の老舗がやたらと多いのは古くから西洋文化の影響を強く受けた神戸ならではの土地柄だ。

パン屋以外にも惣菜店ですら、デパ地下にあるようなお高級惣菜店「RF1」だったりするのでいちいち意識が高すぎて、大阪やアマの貧乏人連中と食ってるものが普段から全然違っている事を物語っている。ポテサラをちょっと買っただけで余裕で千円行くので庶民は全く近寄ろうとしない「RF1」が商店街にある街、それが岡本ですよ。

女子大生が闊歩するほっこり系タウンにあの「側溝男」もいた

さっきからやたらと通行人の若い女性の姿が多い事に気がつくが、元々この岡本という街、「甲南女子大学」という有名女子大のお膝元でもあり、女子大生率の非常に高い土地。岡本商店街もそりゃ女子向けターゲットにこんな幟を掲げてみたりするのである。他にも岡本駅周辺には甲南大学、神戸薬科大学などもあり、学生街の趣きが強い。

そんな甲南女子大学へはJR甲南山手駅が1996年に開業後はこちらが最寄り駅となったが、それ以前は阪急岡本駅が最寄りで、この駅の近くから同大学への送迎バスが往来している関係で、通学中の女子大生がわんさか通る。

同大学の女子大生をターゲットにのぞき目的で側溝に忍び込んで逮捕され、「来世は道になりたい」の名言を世に残した「側溝男」が岡本駅前の神戸岡本郵便局前の路上の側溝に忍び込み「再犯」してまた逮捕された珍事も記憶に新しい。

花の女子大生軍団がキャピキャピと練り歩く商店街の一角にある「いしころカフェ」に立ち寄る。岡本商店街では人気の高い、ほっこり系カフェ。オッサン客は100%浮くが、女子大生やマダムにとっては自然派の意識高い系ランチが食えるので良いだろう。

化学調味料不使用の1日20食限定「いしころランチ」1080円也。大阪やアマのドカチンには物足りない女子向けランチ、素材を楽しみましょう。逆に関西で梅田や難波、三宮のような繁華街以外でこうした意識高い系ランチが食える店がある場所は非常に限られる。よって岡本界隈も地方からの転勤族には人気が高い。

岡本商店街を抜けた先は山手幹線を隔ててJR摂津本山駅前となる。JRと阪急の駅が近接していて、この商店街を通り抜ける歩行者の姿も多い。ちなみにJR線の先の国道2号から南側が下町ゾーンで全く街の様子が異なるが、概ね阪神間の住民層の違いについてはずっとこんな感じである。


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。
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