【懐かし】南海高野線白鷺駅前にある「バーガーシティ」の生き残り店舗

堺市の「白鷺」…大阪府立大学のキャンパスがある、同沿線屈指の学生街…らしいんですけれども、あんまり来た覚えはありません。ともかくこの土地にある目的を果たす為に訪れる事になった。

南海高野線に乗ってなんば駅から堺東乗り換えで片道約20分、白鷺駅で下車。隣の中百舌鳥駅から歩いて来れる程近いですが、元々は「中百舌鳥運動場前」という臨時駅だったものが短期間で廃止後、駅の南側にある白鷺団地の造成に伴って昭和39(1964)年に開業したという、割と歴史の浅い駅なんですな。

橋上駅舎となっている白鷺駅の改札を降りて駅の西側へ。背後には真新しい大型高層マンションも並んでいてベッドタウン感が強い駅前風景である。

駅前のロータリーから大阪府立大学方面に商店街が連なっていて、東側の線路沿いには白鷺団地が広がる。準急と普通電車しか止まらないローカルな駅だというのもあるせいか、パチンコ屋等騒々しい店舗もなく、いたって無難な雰囲気だ。

バーガーシティという昭和遺産ファーストフードが現存する街

さて、今回白鷺に用があって来たのは、この駅前に「バーガーシティ」というファーストフード店が現存しているという話を聞いての事だった。この店舗名を耳にして“おっ、懐かしい”と反応してしまうのは恐らく40代以上の中年世代に限られよう。

youtubeでもこの通りの「懐かCM」が何者かにアップロードされ見る事ができるが、いやはや古い…ドムドムハンバーガーと共に槍玉に挙がる事が多い店舗だが、ドムドムが受け皿会社を得て既に幻のものではなくなってしまった一方、こっちはガチで幻の存在のまま、全国にたった二店舗しか残っていない。

その一店舗がここ白鷺駅の真ん前にある。どこか見覚えのある店の看板もそのまま。ここは幸いにも学生街だという事もあって、今の今まで生き残ってこれたのかも知れない。ちなみにもう一店舗の生き残りは兵庫県豊岡市、山陰本線江原駅前の「サンロード店」がある。かたや白鷺、かたやコウノトリの里…

バーガーシティは「100円満点」と謳い低価格ハンバーガーを目玉に売り出し、80~90年代に関西を中心に広範囲に展開していたハンバーガーチェーン店である。既に本部は倒産しており、現在ある店舗はフランチャイズ契約が打ち切られた後も自力営業しているものとなる。

ここで食うために腹を空かせてやって参りました。早速店内にお邪魔する。ここは老夫婦が細々と営むだけの、非常にローカル臭溢れるハンバーガー屋である。カウンター周りの設備も二回りくらい古臭い。ガチでレトロっすなー。店内で食ってる客も若い学生の姿が目につく。やっぱりこの店は府立大の学生に支えられているようだ。

既にフランチャイズ展開していた頃のメニュー表は存在せず、店主が独自考案した創作バーガーを全面に押し出して販売している。カウンター上のメニュー表が掲げられていた看板を見ると、野菜たっぷりの具だくさん豆腐ハンバーグを使った「和風豆腐ハンバーガー」(260円)と「食べるラー油バーガー」(350円)をプッシュしている。特にラー油バーガーは辛さが4段階あって、最上級の「地獄辛」は600円の特別価格となる。

テーブル上のハンドメイド感溢れるメニュー表、恐らくフランチャイズ店舗時代に使われていたメニュー表の写真を切り抜いてオリジナル化しているものだろう。物価上昇を反映してか、最安価格の「ハンバーガー」は100円とはならず、170円である。それでもこのお値段はビンボーな学生の財布にも充分優しい。

バーガーシティ白鷺店は何もハンバーガーだけを売っている店ではない。もはやハンバーガー屋の領分を超えた、フツーの弁当まで販売している始末である。定番の「のり弁当」(400円)もあれば、焼そばと白飯が両方入って炭水化物オン炭水化物っぷりを見せつける「ソバ弁当」(450円)、ちょっと贅沢な「スキ焼弁当」(600円)や「エビフライ弁当」(630円)と様々で、やはりお値段は良心的。

舌の上で蘇る80年代…バーガーシティを体感する

さて、注文した「ラー油バーガー」がポテトとドリンク付でやって参りました。実食といきますかね。しかしこの全くもって洗練されていない感じ、逆に新鮮ですね。南青山のクソセレブなガキンチョが食ってるウマミバーガーなんか2000円超えですが、堺市白鷺のバーガーシティではたったの540円でこれもんですよ。

レタス、肉パテ、卵焼きがサンドされたハンバーガーに食べるラー油がベタベタお下品に塗られているという、全国でもここだけでしか食えない創作バーガー。お味のほどはどないでっしゃろ…いやいや、それは現地で体感して頂きたい。

同行者が注文した「焼肉バーガー」(320円)はこちら。見た目、惣菜パン以外の何者でもありませんが、これでいいんです。そもそも、この大阪という土地でハンバーガーにオシャレや非日常性を求めてはならない。場所柄、学生メシとして生き残っている代物なのである。

一通り食い終わって店を退出してから、やっぱり普通のハンバーガーも頼んでおけばよかったと後悔した。そう言えばドムドムハンバーガーだってダイエーが関西を中心に展開していたわけだし、ハンバーガーショップという文化がアメリカから日本にやってきた際、この関西で庶民の食い物として定着させるべく商売人達がチープにカスタマイズさせた結果、バーガーシティやドムドムが生まれたと見るべきなのか。

昔、大阪にはバーガーシティならぬバーガータウンという店舗もあった

そう言えば昔、近鉄長野線の喜志駅前(富田林市)に「バーガータウン喜志店」という激レア迷店舗が存在していたのだが、こちらは惜しくも2011年9月に廃業して無くなった。ここもかなりキョーレツな店舗でしたが、喜志は大阪芸術大学に近い学生街でもあり、芸大生の溜まり場として愛用されていた。


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。
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