【八尾市】近鉄八尾駅前の昭和な下町生活空間「北本町中央通商店街」

一応ながら最近“中核市”にもなってそこそこ大きな街のはずなのに中心市街地が今ひとつパッとしない「近鉄八尾」駅前。まあ今まで我々取材班が来てなかった理由もそういうところにあるんでしょうが…

2006年に「アリオ八尾」がオープンしてからは隣接する西武百貨店同様ずんずん客足を奪われ衰退しているのが、駅の西側に広がっている昔ながらの商店街の存在。今回はそんな商店街の様子を見ていくことにする。

見事にシャッター街と化している「近鉄八尾北商店街」

近鉄八尾駅の西側に伸びる南北の通り沿いにあるのが「近鉄八尾北商店街」と「北本町中央通商店街」。線路を隔てて南側にある「八尾ファミリーロード」とセットで古くからの駅前商店街が形成されている一帯だ。しかし駅前なのに全然シャッター通りになってますよ?

ちょっと笑えないほどに寂れてしまっているんですが、そもそも近鉄八尾駅は昭和53(1978)年の高架化完了後、駅舎が東に300メートルズレてしまっている。本当はこの商店街沿いが元々の「駅前」だったのに、駅が遠くなったのが寂れた要因であると考えられる。そこに「アリオ八尾」が出来て、決定的なオワコン状態に…

既に商店街としては成り立たなくなっているので、ちょいちょい真新しいマンションに建て変わっている箇所も見られる件。まあそうなりますわな。

古い商店街の賑わいを辛うじて残す「北本町中央通商店街」

そこからちょっと先に進むと今度は「北本町中央通商店街」という別の商店街に変わる。相変わらずシャッターが閉まったままの店舗も目立つが、まだこちらの方が見れたものである。

昔からの商店街といった佇まいが辛うじて残っている一画。駅より遠ざかるはずなのにアリオ八尾には近くなるこっちの方が皮肉にも商店街としてまだ持ち直している格好が見られる。真向かいにはどでかいマンションも建ってますしなー。

北本町中央通商店街をずんずん進むとその終端部には2012年から運用開始した「大阪経済法科大学 八尾駅前キャンパス」の真新しいビルがそびえている。今後は学生向けの食い物屋とかがちらほら増え始めるかも知れませんな。

割とお客で賑わっているパン屋「NEWLY BORN」だけがこの昭和の古臭い空間に場違いなオサレ感を放っている。目の前の大型マンションで暮らす新住民向けに流行ってるお店なんでしょうかね。

路地裏の奥、長屋の下から「ぬけられます」

パン屋の奥の路地を進むとそこには韓国料理屋もありますニダね…しかし先程の「近鉄八尾北商店街」のような店舗が廃墟化して荒れ果てた感じがしていない。

路地のドンツキは袋小路になっているとてっきり思いきや…長屋の下が潜り抜けられるような格好になっている。こういう空間を見かけるとちょっとワクワクしちゃいませんかね。完全に昭和遺産的な下町空間である。

この長屋の下の通路、どう考えても私有地だが、地主の好意によって生活道路として開放されているようで、地元民がこんな狭い場所を遠慮もなくチャリンコでピューっと飛ばして抜けていく光景を見ると、やっぱりそういうのも大阪らしいですね…

しかしそんな通路の壁にはこのような貼り紙が見られた。やはりこの通路があるのは「地主の好意」であるにも関わらず、「大切な鉄柱を心ない人のいたずらで折られてしまい、その残骸がキケンですので」という苦情が書き込まれている。そのため「車の通行は禁止」にしている旨である。

そんな「善意の通路」を抜けた反対側。こんなところを自転車じゃなくてクルマで抜けようとする奴って頭どうかしてませんか。そもそも八尾という地域に民度の高さを求める方が難しいのかも知れませんけどね。他人様の土地を「通らせていただきます」の気持ちを忘れずに。

今度はパン屋からもう少し先の路地に入ったところにも、何やら小汚い佇まいの飲食店の看板が見えている。こういう空間を見ると気になって見に行きたくなるのが人情である。

土がむき出しの未舗装の路地裏というのがこれまた味わい深い。素人向きではなさそうな食い物屋や使われていない古い店舗などが路地の奥にひしめき合っている。

さらに奥に進むとカラオケ喫茶や居酒屋などが数軒。雨が降った日には足元が泥まみれになりそうな野趣溢れるロケーションである。

真新しい大型高層マンション「ローレルスクエア八尾ミッド」が見下ろす一画にも戦後の佇まいがそのまんま残る市場の成れの果てが見られる件。新旧対比っぷりが容赦ありません。

老舗の佇まいを見せる「まるは青果大地屋」の力強い筆書きの看板が古ぼけた建物にさらなるアクセントを持たせている。「旬のもん しっかりと食うてたら いつも元気で暮らせます そうは思いませんか」…と同意を求められました。八尾の八百屋は一味違う。

しかしこんな佇まいで八百屋や弁当屋や「うどん食堂」なんぞが一堂に並ばれて、おまけにその上はアパートと来ればかなり味わい深い物件ではないでしょうか。真正面の大型マンション住民との生活レベルのコントラストが気掛かりです。

生活感溢れる路地には土着のおばちゃんの溜まり場となった喫茶店もあればキムチ屋なんぞもあり完全に河内の下町といった風景しか見せていない。

まだまだ平屋建ての文化住宅なんかも残る近鉄八尾駅前。大型モールや大学キャンパスが続々進出してはいるようだが、この街の“根っこ”の部分は世代を跨いでも恐らく全く変わらんでしょうな。


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。
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