【うめきた】大阪駅前最後の一等地再開発で「梅北地下道」も閉鎖されました

大阪市内北の玄関口「梅田」。大阪の二大繁華街の一角を成すこの地域は日々刻々と変貌を続けている。大阪初心者はだだっ広い地下街を見て驚いて「梅田ダンジョン」だとか言ってますけれども、地上部分も変わりすぎていて昔からすると「どこに何があるのやら…」状態にならない事もない。

いまのところ梅田界隈で最も再開発で熱を上げているエリアがJR大阪駅北側の通称「うめきた」と呼ばれている再開発地区である。元々あった梅田貨物駅の広大な土地をごっそり再開発する、都心最後の一大プロジェクト。東京では70年代に西新宿の淀橋浄水場跡地が再開発されて超高層ビル街に生まれ変わったが、そのくらいのインパクトに近い。

大阪駅前最後の一等地の変貌を見る

そんな西新宿を創業の地として大阪駅前の一等地にどでーんと店舗を構えた東京資本の「ヨドバシカメラ マルチメディア梅田店」。元々ここにはJR西日本の本社社屋があったが、そこに2001年にオープンしてからはすっかり「うめきた」の顔としてお馴染みの店になっている。数年後は「ヨドバシ梅田タワー」も増築されホテルも開業するとかいう話ですが。

ヨドバシカメラ開業以降、うめきた再開発地区はしばらくその動きが鈍っていたが、長らく存在していた梅田貨物駅が2013年に廃止され、その頃には先行区域として既に更地になっていた場所に「グランフロント大阪」が建設される。3棟のオフィス棟とタワマン、それらと一体化したショッピングモールは大阪駅前一等地の風景を一変させた。

2011年に開業している大阪ステーションシティ(JR大阪駅リニューアル)とも相乗効果を生み「うめきた」はすっかりトレンディスポットに大変身である。一気にシャレオツ度数が急上昇しすぎて、わずか10年前には薄暗い地下道にホームレスがたむろしていた頃の陰鬱な風景は消えて無くなっていた。

日暮れ頃には仕事帰りのホワイトカラー層やリア充カップルが闊歩しているシャレオツ空間「うめきた広場」も昼間は近所の暇な老人が一眼レフ片手に写真撮影に興じている光景が見られる。

グランフロント大阪北館「ナレッジキャピタル」内の吹き抜け。なんとも最新スポット感満載なんですが年がら年中掛かっているシャレオツ感を演出する謎のBGMが気になる。ずっとピコピコ鳴ってるんですよこれ。もはや洗脳音楽と呼べるレベルである。ここで勤務している人達はどう思ってるんですかね。

そんなグランフロント大阪のオフィス棟には名だたる有名企業が続々と入居し、そんな企業で働くエリートサラリーマンの高給ぶりに応えるように階下のショッピングモールも高級店ばかりが入居しておりゴージャスっぷりに磨きがかかっている。市営住宅が立ち並び貧困層が炭水化物ばかりを摂取しているステレオタイプな大阪像はここでは通用しない。

そして「さくらインターネット」「エックスサーバー」「GMOインターネット」といったネット関係のホスティング会社もみんなグランフロント大阪にオフィスを構えており、さながら関西の「ビットバレー」(渋谷のことを意識高い系の人達はこう呼びます)状態に。グランフロント大阪にある横文字だらけのシャレオツバルでランチを食ったら軒並み1500円オーバーであり、もはや代官山と大差ない。

90年の歴史に幕を閉じた「梅北地下道」

グランフロント大阪のすぐ隣に入口のある「梅北地下道」(北梅田地下道)が2017年12月をもって閉鎖された。ここは昭和3(1928)年に梅田貨物駅の建設でJR大阪駅側と分断されることになった旧大淀区民を中心とした請願の結果作られたもので、かれこれ90年の歴史があった地下道だ。

地下道に続くスロープを降りる途中に路上駐輪があちこちと。駐輪禁止の張り紙なんか見て見ぬふりである。やっぱり、いつもの大阪ですわ。

梅北地下道の入口には仰々しい佇まいのプレートが掲げられており、ここがただの地下道ではないことを物語っている。「我等區民の誠意は遂に銕道省に容れられ梅北の廢道茲に復活して延長壱阡六百五拾八尺(五百三米)に亘る大地下道の竣工を見る」云々と旧字体で記された碑文にもまた年代を感じる。

昭和初期の完成時から既に「梅北道路」と呼ばれていたこの地下道、北野佐藤町という旧地名から「佐藤町地下道」の名称もあったそうだが、こんな場所に佐藤町という地名があった事すら知らなかった。当初全長503メートルもあった地下道は「グランフロント大阪」開業前に一部撤去され205メートルに短縮されている。

この地下道を渡った先には外国人観光客にやたら人気の高い展望台で有名な「梅田スカイビル」があるので朝夕は多くの勤め人が往来する姿が見られる。現在は地下道の約40メートルを残してほぼ撤去されてしまい、地上通路に切り替わっている。このビミョー過ぎる動線はさっさと整備しておくべきだろう。

梅北地下道を大淀側に抜けるとこの通り。大阪市章「澪標」をモチーフにした壁のモニュメントがこの上なく「ここは大阪ですよ」感を出している。

うめきた再開発二期はどうなるのか

うめきた再開発地区はグランフロント大阪が建っている約7ヘクタールを加えると総面積は約24ヘクタールあり、まだまだ大部分が着工前となっている。二期工事で余ったエリアをどうしようかという話になっているが、とりあえず間に合わせ的に作られた「うめきたガーデン」なる期間限定の庭園があったのでちらっと見てきた。

中に入ろうと思ったら「チケット売場」があり、大人1枚1000円というお高い金額となっていて、貧乏人はこの場で軒並み踵を返すこと請け合いの展開。しかも入場者の声をネットで拾うと「高い」「しょぼい」と不評のオンパレード。結局中には入らずじまいでフィニッシュ、である。ドケチな大阪人ですんませんでした。

うめきたガーデンは2018年3月で終了しており、現在は「うめきたUMEDAIガーデン」として、昼間200円で入場可能になっているらしい。隣にグランフロント大阪があるせいかインスタ映え的な意識高い系仕様ですね。

中津・大淀側から旧梅田貨物駅の広い敷地を見ると、見事にガラガラの空き地のままで、グランフロント大阪から大阪駅南側のビル群が広々と見渡せる。どうですか、この圧倒的な「最後の一等地」感は。

うめきた二期工事では大規模都市公園を軸とした整備が予定されているが「公園なんかもったいない、ビルにしてしまえばええんや」と主張する一部の大阪人の意見を目にすると、心の貧しいやっちゃなと思う次第である。世界的に見ても大阪は都心部に公園が圧倒的に少なすぎる。公園にする案には個人的には大賛成である。

この土地に2023年に開業予定を目指している「北梅田駅」(うめきた新駅)は、JRおおさか東線の延伸計画やなにわ筋線の整備に加えて、なにわ筋線もしくは地下鉄四つ橋線に乗り入れる阪急新線の計画も存在している。

これまで梅田が目の前だったのに発展具合に乏しい大淀地域も、この新駅計画ににわかにざわつき始めており、既にタワマンもちらほら建ち始めている。


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。
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