大阪梅田のダークサイドゾーン・堂山町「阪急東通商店街」のカオスっぷり

大阪の二大繁華街、キタとミナミ。キタはよそいきでやや上品、ミナミは地元向きでやや下品といった大雑把な棲み分けがされているようだが、梅田の東側、阪急東通商店街などが広がる堂山町や兎我野町の辺りは大人の欲望を露骨に隠そうともしない、やたらとゲスい物件が目白押しの大阪デフォルト的な歓楽街。

2004年には通りすがりに因縁を付けられた男性がDQNヤンキー3人組に集団リンチに遭い殺害される事件があり、被害者がIT起業家ということもあって当時のネットニュース界隈では大きく伝えられた出来事だったが、キタの中でも堂山町付近はミナミに匹敵する危険な繁華街だという認識がある。ゲイタウンとしても知られる事の多い堂山町だが、それは一部だけで、実際は雑多な歓楽街的趣きが強い。

梅田ダンジョン泉の広場を上がるとそこが堂山町

なにわともあれキタでハメを外すなら堂山町界隈だとの事なので、街を探索しに出掛けてみようという事になった。堂山町への入口となるのがこの「泉の広場」。梅田地下街「ホワイティうめだ」をズンズン抜けた先にある。

大阪が地元のオッサンオバハン以上の世代であれば「梅田地下街泉の広場を上がったところ。はぎや整形(残響音あり&中略)」などというナレーションの美容整形外科のテレビCMを殆ど誰もが知っているであろう。あの「泉の広場」である。

昔の記憶では何だか小汚い印象だったが近年改装したらしく随分綺麗になってしまった。

一部には「梅田ダンジョンのセーブポイント」などと呼ばれる泉の広場、その周辺は昔から不純な目的での交遊などの待ち合わせ場所として重宝がられていて時間帯によってかなり怪しげなメンツがこの場所で待ちぼうけている姿が見られる。天王寺の「あべちか」と並ぶ胡散臭い人間交差点と言えるべき空間。

泉の広場の前には、まさしく天王寺あべちかと被る「環境浄化推進中」の横断幕が貼られ、一応交番も併設されていて健全さを装っているが、この場所は昔から「赤い女の霊が出る」といった妙な都市伝説も流されたりして色々曰く付きのミステリースポットなのだ。

しかし泉の広場は2019年中に改修工事のために撤去される予定という残念なニュースもあり、この“セーブポイント”も見納めとなるようだ。ともかく首都東京を差し置いて日本最大と言われる梅田の地下街もここで終点。ここからは地上に登って行く。するとそこが堂山町だ。

梅田地域で最もゲス過ぎる街並みのアーケード商店街

堂山町内一帯に広がる商店街は阪急梅田駅前から続く「阪急東通商店街」のうち、アーケード付きの阪急東通第2、東通第3、東中通、それにアーケードのついていない「パークアベニュー堂山」の4つに分かれる。ゲイタウンとしての色彩が強いパークアベニューはともかく、それ以外の雑多な街並みを見物することにしよう。

パチンコ屋やら居酒屋やらに混じっていかがわしさを匂わせる夜の店がのっけから看板を連ねている。阪急東通商店街のアーケード内は全体的にこういう感じの街並みが続く。

こういう肉食系タウンには老舗のどっしりした焼肉屋もあるもので、昼間っから営業している「梅田明月館堂山店」が存在感を放っている。「純ソウル料理」という表記は他ではそうそう目にした事がない。

昼間からでも怪しいネオンがチラチラ輝く商店街。うっかりしていると客引きのボーイが突然声を掛けてきた。ゲイタウンのイメージで語られる事の多い堂山町だが、梅田繁華街東側の辺縁部にあり昔から歓楽街の要素が強いエリアだった。

堂山町のアーケード商店街のいたる所に置かれている、曽根崎警察署からの警告看板。「悪質な客引き行為にご注意下さい」…

堂山町という場所柄、レインボーフラッグを掲げて“LGBT客大歓迎”をアピールする「ホテル近畿」も、梅田駅至近ながら宿代の安さから定評がある。別にノンケでも泊まれるので気後れしなくとも良い。

大阪経済が華やかだった昭和の時代には割と上品めなクラブだの料亭だのが多い地域だったがバブル崩壊後の地盤沈下で高級店は軒並み撤退、街並みは一気に大衆化(DQN化)して安っぽい飲食店や下品な大人向けの店が軒を連ねるようになった。

特に東通第三商店街アーケードはとりわけ酷いDQNっぷりを晒している。アーケードの上から垂れ下がってる店の広告が凄い。オッサン連中がピックンピックンするような如何わしい店の広告しかない状態。ある意味大阪の文化レベルの見事なまでの変貌を物語る壮絶な風景である。

2007年には場外舟券売場「ボートピア梅田」が阪急東中通商店街の北側にオープンしてギャンブル親父密度も上昇。すっかり“飲む打つ買う”が三拍子揃った貧民仕様の歓楽街に姿を変えようとしている。いくら阪急沿線がお上品だからって終着駅がこれだもの、大阪はどう転がっても大阪なのである。

阪急東中通商店街のアーケード出口、ボートピア梅田に程近い都島通沿いにそびえる昭和の不夜城の如き外観の「サウナ&カプセル大東洋」もこの土地に根付く老舗店の一つ。たったの3,200円で天然温泉付きの大浴場・サウナに入り放題でカプセルホテルで一泊できる事から連日出張サラリーマンや遊び帰りのオッサン連中で満杯状態である。

阪急東中通商店街の北端部に出ると梅田というよりは地下鉄谷町線中崎町駅の方が近くなる。近年は外国人観光客が安宿を求めてこの界隈で寝泊まりする事が増えてきて、街の雰囲気も昔よりマイルドになった感じがする。


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。
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