【大正区】どこもかしこも団地だらけ!陸の孤島「鶴町の市営住宅群」を見る(2)

阪市大正区の最奥部に位置する陸の孤島「鶴町」にある市営住宅群を観察するレポート。前回は鶴町の南部にある「市営鶴町第9・第七・第八・第二住宅」を紹介したが、今回は残りの市営住宅を紹介していこう。

さほど広くもない埋立地に市営住宅が1から9まで揃っているという密度の高さにあんぐりなのだが、残りの第一・第三・第五・第六は鶴町の北側、三丁目と四丁目にある。鶴町商店会と鶴町小学校を抜けた先に並んでいるのが「鶴町第五住宅」。六棟並んでいるがこちらも古めかしい佇まい。一部は建て替え工事が進められている。

市営住宅だらけの街・続編

そこから大正通を挟んだ西側に「鶴町第三住宅」。ここは7階建ての二棟が連なっている。市営住宅しか建たないような場所柄だけに土地も余っているのか、駐車場スペースが広めに取られているし、やたらと路駐されている車も多い。

団地の住民の暮らしもそれぞれ。殆ど高齢者しか見かけませんけれども、一部の団地で見られるような外国人住民の流入はまだ起きていない模様である。今後どうなるか分かりませんがね。

ちなみに第三住宅の北側にあったはずの「鶴町第四住宅」の二棟は老朽化で解体されているのを確認した。第四住宅は欠番とならず、また新たに建て替え工事が行われる。

鶴町にある市営住宅の中で最も密度的に高いと思われるのが「鶴町第六住宅」である。11階建ての高層棟ばかりが7棟も集まっている。この市営住宅に囲まれる形で大阪シティバス鶴町営業所があるのが特徴。遠目に見るとなかなかの圧巻である。

第六住宅の高層棟がひしめき合う、団地中央の広場。海から吹き付けてくる寒風が吹き荒ぶ、なんとも言えない寂寥感が漂う空間である。しかし市バス路線の終点となる鶴町四丁目バス停から目と鼻の先なので、足腰の弱いご老人にとってはかえって都合が良いようだ。

第六住宅の見取り図も古めかしさが半端ない。IKEAそばの第9住宅以外は全て昭和の年代までに建てられたものだ。かつては工場や港湾関係の労働者が数多く生活していたはずの場所、それが今となっては一大福祉住宅に変貌している。

手押し車を押して歩く後期高齢者の婆さんもいれば、松葉杖を付いてえっちらおっちらと歩くお爺さんもいる。あと十年もすれば、この風景もまた様変わりするだろう。

誰にも頼まれていないのに勝手に野良猫の世話をしはじめる住民がいるのが「市営住宅あるある」。団地で猫を飼ってはいけませんので、せめて外で育てます、という意志の現れか。

さて、最後に巡るのは千歳橋のたもとにある「鶴町第一住宅」。これで全ての団地を見てきた事になる。やはりこちらも年代が古く、住民が団地の敷地内で勝手に植物を栽培してヤミ畑化しているのが目につく。

やたらと路駐が多かったりする一方で、やたらと不法投棄が目立つのも「市営住宅あるある」。

あくまで建設年代が番号順だという前提のもとに立てば、この第一住宅こそが最も古い年代のものと考えられるが、1から16まであるうちの14~16号棟の僅か三棟しか建物が残っていない。

で、この残りの住居棟も既に住民が立ち退きを終えており、新しく建て替え工事が進められる予定になっている。

かつての第一住宅の南側には14階建てのまっさら新品な佇まいの「市営鶴町住宅1号館」が完成している(「第一」の表記は削られている)。今後この地域の市営住宅は続々建て替えが進み、このような高層団地だらけの街に変わる予定だ。こんなに団地だらけで住民も多い地域なのに、もっと気の利いた大型スーパーの一つくらい出来てもいいと思うんですけどね。


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。
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