【高槻市】治安が悪いと言われる高槻市南部のマンモス団地「下田部団地」を見る

南北に長い高槻市の市域の中でも、阪急京都線から南側、高槻市南部はガラの悪いエリアで大阪市内と大差ない、という事を申し上げているのだが、鉄道駅からも遠く、よそから行くには少しハードルの高い高槻市南部が具体的にどのような町並みとなっているか、その一例を取り上げる事としよう。

やってきたのは「下田部団地」と呼ばれる、大阪府営もしくは大阪府住宅供給公社が運営する団地がずらりと連なる一画である。高槻市南部にはこの下田部団地をはじめとして、富田団地、柱本団地、総持寺団地といった大規模団地が点在している。

高槻市中心部から南に2.5キロほど離れた場所にある下田部団地は昭和40年代に造成された大規模団地の一つである。淀川低地に属するかつての農地が工場・倉庫街になるか団地になるかといった発展をしてきた地域だが、高槻駅前からのアクセスは市バスで最低15分は必要となる。

高槻市屈指のマンモス団地を見てみよう

下田部団地は巨大な敷地の中でA地区、B地区、C地区の3つのブロックに分かれていて、いずれも5階建ての中層棟ばかりがひしめいている。住所は全て「高槻市登町」で、その町域の大部分を占めている。人口約6,500人のうちおそらく9割が団地住民だ。

さすが、高度経済成長期にボコボコ建てられた団地だけはあって、その勢いを今に感じさせる雰囲気はある。もっとも団地の建物のデカさより、ここは「数で勝負」といったところか。A~C地区までひっくるめると80棟以上はある。

都市部の団地とは違い、住居棟のスペースが割と広く取られているので日照権がどうとかの問題は生じない。スペースに余裕があるぶん、それぞれの住居棟の前に住民の駐車スペースが完備された箇所も多い。

A地区とC地区は大阪府住宅供給公社の管理する住宅だが、B地区のみは府営住宅となっていて、前者は入居者の一般募集がされているのに比べて、後者は所得による入居制限がある。もっとも築50年近い公営住宅ではいずれも低所得者層しか居住する機会はなさそうだが、一部はリノベーション済で「女性が暮らしやすい」と売り出している賃貸物件も存在する。

下田部団地A地区で入居者募集をしている空き室情報を見ると「3DK44.66㎡」の物件が38,200円といった相場となっていて、非常に安価である。高槻駅前の新築タワマンと比べたら3分の1以下ぐらいじゃないですかね。

で、こうした団地にはお決まりのパターンで公明党の「なっちゃん(山口那津男代表)ポスター」を貼った信心深い学会員のお宅を見かけることもザラ。隣接する下田部町には創価学会高槻文化会館もあるお土地柄です。ただし、ベランダの巨大パラボラアンテナが置いてあるようなお宅もなく、外国人世帯がぞろぞろ住んでいるような感じではない。

府道14号線を跨いだ北側にA地区の一部とC地区の団地が連なっている。一部の府公社物件は賃貸ではなく「分譲」になっている。しがない給与所得者でも下田部団地ならばかなりお安くマイホームに手が届く事だけは確かである。

しかし問題なのが、そんな低所得者層の多い団地における治安である。大島てるの火の玉を見ればある程度は推測できるが、団地に点いてた火の玉は1つくらいでしたね。見た目のヤバそうなDQNも外国人もそれほど見かけないが、高齢者が多いのはお察しの通りである。

下田部団地内の児童公園は2004年に「子供が回転遊具に指を詰めて切断した」事故が立て続けに二回発生するという事案が起きている。遊具が老朽化したのが原因ではなく「意図的にボルトが外されていた」事が原因だったということから、事件性の疑いが強いという事らしい。そりゃこんな団地、治安が良いと言ったら嘘になるだろう。

下田部団地住民のお買い物スポット「登町センター」とその周辺

下田部団地のほぼ中央部分に、団地住民向けのちょっとした商店街や郵便局などが連なる一画がある。住民の多くがチャリンコ利用者だが、いくらチャリがあっても3キロ離れた高槻駅前まで買い出しに出るのは辛い。なので、結構この商店街は繁盛している。

「登町センター」と称する商業施設には地元の土着スーパーマーケット「スーパーマルヨシ」があり多くの買い物客でごった返していた。過半数が後期高齢者風の客ばかりだが、普通に子育て中のママなんかもいたりする。

しかし繁盛しているのはひたすらスーパー一店舗のみで、その裏手に回るとごっそりとシャッター街になった寒々しい店舗テナント群が見られる。せいぜい奥の酒屋くらいしかやってなさそうですよ…

あとは適当に街の電器屋さんとか土着酒場や処方箋薬局とかがぽつぽつと並んでいる。

団地の南東側にも店舗兼住宅がずらりと並んだ一画が存在している。タバコ屋兼コインランドリー、整骨院、自転車屋なんかが細々と店を開けている。

真ん中の路地を入るとしょぼくれた飲食街の体裁を成していて、客層のよく分からないバーだとかが商売をしている。

団地で唯一見かけた外食店舗がこちらお食事どころ「ききょうや」。昼間からサービス定食出してるらしいです。お造り盛り合わせも天ぷら盛り合わせも焼肉もとんかつも700円で定食として出る。これはまさに団地価格。定食に中ビール付きで1000円というサービスも昼間っから飲んだくれる団地住民仕様か。

団地の外れに出るとそこは用水路に囲まれていた。すぐそばを走るのは東海道新幹線の線路。そう、時速300キロ近くで爆走する新幹線の車内からも一瞬だけこの団地を俯瞰することができるのだ。京都から新大阪に来る途中、やたら団地ばっかりあるよな、と思っていたんですけれどもね。

しかし下田部団地をうろついていて一番衝撃的だったのは、団地内にあるコインパーキングの料金箱にこんな物騒な警告文が貼られていたのを見た時でしたね。「盗難が多い為 毎日集金することにしました。別の場所に行って下さい。盗難するな!!」だそうですが、泥棒を別の場所に誘導したらあかんやん。まあ、高槻市南部にある団地の治安なんて所詮この程度ですかね…

「寝屋川中1殺害事件」の遺体遺棄現場となった高槻市南部の物流センター駐車場

2015年に起きた「寝屋川市中1男女殺害事件」で、犯人の山田浩二被告が殺害した犠牲者一人の遺体を遺棄した現場が、下田部団地から南に1キロほど離れた高槻市番田一丁目付近に存在する。

もうここまで来ると淀川を挟んですぐ向かいは枚方市であるが、現場付近は市街化されておらず昔ながらの農地と用水路が広がる、ただの田舎地帯の一角にある物流センターのトラック駐車場。ここが現場だ。

昼間でも滅多に人目につかない都市の死角のような場所であるが、この事件で一部で目にする「高槻中1死体遺棄事件」などの表記には違和感バリバリである。たまたまこの場所が第一発見現場になったせいで、高槻で起きた事件だと勘違いされている節も感じられる。


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。
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