レトロ過ぎて寂れまくっててもベッチョナインジャー!高砂市「高砂センター街」周辺を歩く

高砂市

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高砂市 高砂

高砂センター街の中に入ると、酒屋やオバ服屋なんぞが申し訳程度に店を開けているが、買い物客の姿が殆ど居ない。サンモールのせいで寂れてしまったというのは見るからに分かるのだが、重工業都市がどの地方のそれも落ち目なのを見てきたので、やはり高砂市も例に漏れずといった所だ。

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しかしこの唯一無二の感がある鄙びたアーケード…たまりませんな…まあ、客足の途絶えた商店街の主人は別の意味でたまりませんけども。ドラマや映画のロケに使われてもおかしくない貫禄がある。

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商店街の店先には「ぼく、わたしの考えた町を元気にする生き物展」と銘打って様々なアーティストというか素人?が書いた正体不明のクリーチャーのイラスト群がベタベタ貼られていて、そのズッコケ感も悲しさを誘う。

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そんな作品の一つなのだろうか知らんが、なんぞこれ。

「応援戦隊 ベッチョナインジャー」


べっちょないというのは播州弁で「大丈夫」「別条ない」という意味です。ほんまに大丈夫なんか?!

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そんな高砂センター街を抜けると「銀座商店街」という別のアーケード街に抜けられる。こちらはそこそこ体裁良く作られていて、銀座と銘打つくらいだからかつての高砂ではメインストリートだったんでしょう。しかし相変わらず買い物客はおらず、商店の数もまばら。

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銀座商店街とセンター街とが交わる角にある「大塩屋」というパン屋の佇まいも素敵。無駄に丸い窓をこしらえてあるのは70年代あたりのレトロフューチャーなノリでしょうか。「パルファンのフランスパン」というのも高砂界隈のローカルパンメーカーなのだろうか。

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銀座商店街のアーケード街を抜けると、その出口にあるアーチ看板の柱に「マツバレンタン」「マツバプロパン」の字が刻まれた広告がある。プロパンはともかく練炭は今どき日常的に使うもんじゃないですからね。焼肉屋に行った時か、あの世に行く時くらいしか使いませんよね。

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しかしこの銀座商店街のアーチ看板を表から見てみるとカッコ良すぎて涙が出そうになるんですわ。てっぺんにある謎のマークが特に渋い。「ビル清掃管理、総合建設業、播磨環境管理センター」と「預金は播州信用金庫」の提供でお送りしました。

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他にも本町商店街というのもあるけど、アーケード街でもないし単に寂れただけな感じなので触手が向かず、時間も無かったので今回はすっ飛ばした。

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あとは銀座商店街の西側にある年代物の銭湯「梅ヶ枝湯」がオススメでございます。工場労働者が多い高砂には何軒も銭湯があったようだが、現在は市内にこの梅ヶ枝湯くらいしか営業していない模様。昭和18(1943)年開業というので、さすがに貫禄を感じさせる。

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モルタル看板建築の正面とは裏腹に、銭湯の建物を裏へ回ると煉瓦積みと木造建築を幾重にも増改築しまくった凄まじい構造物が姿を見せる。これを見てジブリ脳な方々は「千と千尋の神隠しに出てくる湯屋みたい!素敵!」とか言ってしまうそうなのだが、なんでもジブリに例える癖はどうかと。お前らレトロなもんが出てきたら何でもジブリ作品かい。

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特徴ある煉瓦の煙突はもとより、その右側にベッタリ寄り添うように建て増しされた木造建築物は、かつて側を走っていた旧国鉄高砂線の蒸気機関車が吐く黒煙で洗濯物が汚れるのを防ぐ為に作った部屋干しスペースらしいです。時間があれば入浴したかったんですがね…無理でした。

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梅ヶ枝湯の裏に車がまともに通りもしない広い車道が不自然にあるのが、旧国鉄高砂線の跡地だ。現在はここに路線バスが通っている。

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その車道の終端は小さなロータリー状になっており路線バスの転回場として使われている。その中央に鉄道の車輪と線路がオブジェとして置かれ、ここが旧国鉄高砂駅の跡だった事を示していた。前身の播州鉄道が大正3(1914)年に開通させてから昭和59(1984)年まで70年の歴史があった事になる。

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ともかく次に高砂に来る事があったら梅ヶ枝湯には入りたいですね。播州地方もまだまだ未開拓ゾーンが多いので、機会があればまた訪れたい。


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