【豊中市】阪急宝塚線のB面・楽しくてしょうないド下町「庄内WEST商店街」とその周辺

大阪梅田を起点に宝塚まで伸びる阪急宝塚線。戦前から阪急の沿線開発で高級住宅街が郊外に作られ、宝塚歌劇団のイメージもあって「セレブ路線」として扱われる事も多い路線なのだが大阪に近い側はおしなべて貧民街揃いで、豊中市の南部あたりもその傾向は変わらない。


そんな訳でやってきましたド下町・庄内へ。東日本特に山形県民の皆さん、そっちの庄内じゃないですよ。大阪府豊中市の庄内です。阪急庄内駅へは梅田から各停に乗ってもたったの10分で着いてしまう。庄内駅自体は戦後の昭和26(1951)年に開業している。

庄内は豊中市にある訳だが都心からの距離感覚で言うと殆ど大阪市内と変わらん。豊中市の中でも特にアクが強い下町風景が広がっているエリアである。阪急宝塚線の線路が未だに地上を走っている為に東西で街が分断されていて踏切を跨がなければ往来できない。商店街は駅の両側に広がっていて無駄に賑やかだ。

まずは駅の東側から歩いてみよう。阪急沿線で豊中市と聞くと割に上品なエリアだと勘違いされる事もあるのだがそれは市北部の箕面に近い山の手だけで大半が庶民的住宅街、特に庄内や服部は大阪市内同様の下町風景が連なっている。で、駅前からそんな雰囲気丸出しやし。

東口の前の通りは大阪名物路上駐輪の嵐となっていてのっけからカオスな光景となっている。このへんはまともな駐輪場すらないのか…よそから引っ越してくる出張族も北摂の阪急沿線がいいと聞いて間違えて庄内に来てしまったら生活習慣の違いで大変な事になりそうだ。

その先には梅田から宝塚までの区間、阪急宝塚線とほぼ並行して走る国道176号。交通量激しいです。今回はこの国道から東側には行きません。

そんな国道沿いには庄内住みの庶民の台所たる豊南市場の建物がございます。見た目真新しい建物だが戦後すぐの頃から開業している老舗。阪神大震災で建物が半壊したのでそれ以後建て直した。

来た時間が遅かったので豊南市場は殆ど店じまいした後だった。大阪中央卸売市場直送で新鮮かつ食材がお安く揃うともあってわざわざ電車賃を叩いて阪急電車に乗って遠方から来る客も多い。言うまでもなく正月前の買い出しの時期には戦争状態になる。

豊南市場に繋がっている裏の通りは「庄内銀座」。煤けたアーチ看板が年季を感じさせる。庄内という街自体概ね街並みが古臭いままですけどね。阪急の線路に沿って商店街の路地が北側に連なる。

なんぼ銀座と名が付いていても高級感の欠片もないのが庄内クオリティ。餃子の王将やら宝くじ売場やら店舗構成が庶民的過ぎて素晴らしい。あと「ひやしあめ」が飲める店もある。大阪ローカル臭全開。

そのまま庄内銀座の路地を進むと大阪民国らしく韓国料理居酒屋や韓国食材店まであったりして胡麻油の臭いが鼻孔をツンツン刺激してくる。飲食店が多いけどシャッターが閉まった店もやや目立つ。

その先にはでかい質屋。微妙な下町だからこそ儲かる商売でんがな。ここだけやけに立派なビルです。

線路沿いからも見える質屋の看板。でかでかと屋上に「ヒチ舗」と書かれている。東京の人間から見ると「ヒチ」は大層おかしいらしい。しかしネイティブ関西人はみんな「シ」が「ヒ」に訛るのでこれで正しい。別に違和感も何もない。

さらに阪急の線路沿いには庄内銀座にある店舗の古めかしい看板がずらり。まるっきり昭和の時代を引きずってますなー。

庄内駅前から西側に入るとアーケード商店街「庄内WESTショッピングストリート(庄内本通商店街)」の入口がある。商店街の名前が長ったらしいのでウエスト商店街と呼ぶことにする。周囲は雑居ビルやら何やらが乱立していて雑然としているがアーケード自体は真新しい印象がある。さあ入ってみますかね。

ウエスト商店街の中は案の定下町全開なアーケード街、道幅狭いですがチャリンコは乗ったまま走るのがデフォでございます。なかなかエキサイティングでんな。ぶつかられても謝らないのもデフォ。邪魔だと思われると容赦なくベルが鳴らされます。歩行者優先?なにそれって感じ。

そんなアクの強い商店街にはアクの強い中華料理屋があるというもの。広東料理ハマムラ。レトロな佇まい。

ハマムラというのは関西ローカルで京都発祥の中華チェーン店でシンボルマークが中華帽を被ったオッサンの横顔の輪郭が「ハマムラ」になってる秀逸なものなのだがこの店はそういうのが見当たりません。無関係なんでしょうかね。珉珉や力餅食堂もそうだけどこの手の老舗食堂は謎が多すぎる。

全長200メートル程の庄内ウエスト商店街は昔からの個人商店がメインだが高齢化著しい大阪の下町の例に漏れず介護関連の店がちょいちょい目に入る。あと公明党のポスターも目に入る。完全に大阪市内と変わらん。

そりゃ「楽しくて、庄内」なんて大阪弁丸出しでしょーもないダジャレの一つくらい吐きたくなるのでしょうか、いや、我々取材班は下町大好きなのでとっても楽しいですよ。


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。
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