2020年8月31日、首都圏の私鉄大手企業「西武グループ」に関わる二つの施設が“最後の日”を迎えた。一つは東京都練馬区にある遊園地「としまえん」、もう一つが西武グループの創業者一家ゆかりの地、滋賀県大津市にある「西武大津店」である。今回の同店舗の閉店で、とうとう関西から西武百貨店の店舗が全て姿を消した事になる。
その最後の姿を見納めに、わざわざ大津まで足を運んできたのだ。大津市は言うまでもなく滋賀県の県庁所在地だが、JR京都駅から電車でたったの10分で来られるほどに近い。東京に近いからと埼玉に住む上京民が多いように、京都や大阪に電車ですぐ出られるからと“滋賀府民”になって通勤生活を送るサラリーマン世帯が非常に多い土地柄だ。西武大津店があるのは京都駅から三つ目の膳所駅から歩いて7~8分くらい、大津市内を代表する幹線道路・県道102号線(大津湖岸線)沿いに一際目を引く、古めかしい建物がそびえている。