大阪・あべの橋から近鉄南大阪線に乗り、途中の尺土駅で御所線に乗り換えて片道1時間弱ほど電車に揺られていくと、辿り着くのは大和葛城山がそびえる金剛山地の懐に抱かれた大自然に囲まれた街「奈良県御所市」である。人口2万4千人程度しか居ない小さな街だが、一部の間では良い意味でも悪い意味でもよく知られた街でもあり、我々も何度か足を運んだことがある。
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御所の中心市街地に位置する終着駅・近鉄御所駅で降りる。ここに至る「近鉄御所線」はかつて南和電気鉄道という会社が昭和初期に開業させた路線で、葛城山にハイキングに出かける観光客と地元民のための足として細々やっているだけの“盲腸線”だ。
朝の通勤時間帯だけ大阪市内への直通電車が出ているが、それ以外は尺土駅との間をピストン輸送している二両編成の鈍行列車が一時間に二本ないし四本走っているのみ。ここから大阪に通勤するのはちょっとしんどい距離感である。ちなみにJR和歌山線の御所駅も近接しているが、こちらは圧倒的に電車の本数が少なく実用性は皆無だ。
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