【京阪線】大阪市のすぐ隣、財政難にあえぐ街「守口市」にある二つの駅【谷町線】

大阪市に隣接する「大阪府守口市」…人口約14.3万人、隣の門真市同様、パナソニックもとい松下電器産業とその関連工場で栄え、今はパナソニックグループの一員になった三洋電機の本社もあった街。高度経済成長期に多くの労働者を受け入れたものの、産業構造の変化と工場機能の海外移転ですっかりと灯が消えたようになっている。

京橋から急行電車でわずか5分、淀屋橋からも12分で来られる、都心とも郊外ともつかない中途半端なロケーションにある京阪本線守口市駅に降り立つ。徒歩5分ほどの場所に地下鉄谷町線の守口駅もあって、通勤通学の便だけで見れば捗る事請け合いなはずだが、ちっとも人口が伸びない街。

常勝関西!マチャミが応援演説に駆けつける街・京阪守口市駅前

京阪守口市駅前は昭和60(1985)年に再開発事業が完了し、いっちょまえに郊外都市らしい近代的な佇まいの駅前風景となっている。京阪百貨店にテルプラザといった各種施設が取り囲み、それらを繋ぐペデストリアンデッキも完備。しかしこの風景を目にすると思い出すのが「公明党の選挙活動」…

毎回、選挙の度に京阪守口市駅前のペデストリアンデッキで行われる公明党候補の街頭演説が激アツで、上記動画のように大勢の創価学会員が押し寄せ、しまいには久本雅美が応援演説を行うという光景も見られるらしい。

上記動画で公明党の選挙カーが止まっていた、京阪守口市駅前のバスロータリー。守口市議会議員の定数22のうち3分の1近い7人は公明党議員という常勝関西っぷり。盤石の支持基盤ですなー。選挙シーズンの際は京阪守口市駅前に行けば面白いものが見られるかも知れません。皆様頭の片隅に入れておきましょう。

京阪守口市駅前の謎の偽マーライオン像

京阪守口市駅前の待ち合わせスポットになっているらしい偽マーライオン像。シンガポールの本物とは違い、勢い良く口から水を吹き出す事もなく、ただダラダラとヨダレのように水を垂れ流すだけ。しかしなんで守口市駅前に「マーライオン」もどきの噴水があるのか、市民は誰もその正体を知らないようだ。別にシンガポールと守口市が姉妹都市というわけでもないし、こんなところに誰も観光に来る事も記念撮影をする事もない。

京阪本線の高架下など、駅前にずらりと並ぶ飲食店街もほとんど炭水化物しか摂取できない展開。まあ、守口なんて大阪市内とほとんど変わりませんよね。

京阪守口市駅前にある超年代物UR物件「守口駅前アパート」

小綺麗な駅前風景を見せる駅の東出口から反対側に周り西出口にやってくると、こっちは打って変わって随分とやれた佇まい。バス乗り場の屋根とかサビサビになってるし、あまり利用者もいないようだ。地下鉄谷町線守口駅があるのはこちら側だが、わざわざここで乗り換える物好きな乗客もいないだろう。

それよりも、西出口を出たところで駅舎を見上げると、なんと駅と団地が一体化していたという事に気がつく。それも相当年代物のボロ団地だ。

西出口に面した一画に、その住居棟への出入り口が取り付いている。もうかれこれ半世紀近く経ってます的な雰囲気が漂う、こちらの団地、「UR賃貸住宅」の看板が見られる事から公団住宅として建てられたものだとわかる。

共同玄関の脇に石造りの古風なプレートが掛かっていた。「日本住宅公団 守口駅前アパート」とある。なんと昭和39(1964)年築。余裕で50年オーバー物件でした。UR都市機構のサイトにも当団地は入居者募集を行っていない。いつ解体されてもおかしくないものと思われる。

地下鉄谷町線守口駅方向に歩いていくと…

京阪守口市駅の西側から地下鉄谷町線守口駅の方向に歩いていくことにする。通常、京阪線と谷町線の乗り換えは天満橋駅で行う乗客が多いはずなので、乗り換えのために守口駅をわざわざ使う物好きもいない。通行人の姿もまばらだ。

この両駅の間の道中はなんとも中途半端な、商店街とも飲食街とも言うにも微妙な街並みとなっている。パチンコ屋にカラオケ屋にスナックに…という完全DQN仕様で知識層には全く呼吸もできないラインナップである。

京阪本線と谷町線の間の道には「文禄堤」という、豊臣秀吉の時代に造られた土手道があってちょっとした歴史散策スポットになっているが、これは後で触れる事にする。ともかくアルコールの匂いしかしなさそうな「大阪の下町」っぷり。

オンボロ庁舎っぷりが凄い旧守口市役所

程なく谷町線の駅前に広がる駐輪場と、その前にそびえる老朽化した旧守口市役所の建物などが現れる。傍目に見れば東梅田から片道15分もあれば来られる通勤だけなら便利な街。真新しいマンション群も目立つ。

冒頭に触れたように、パナソニックグループの城下町でもある守口市だが、工場の海外シフトなどによる税収減と福祉負担の増大で隣の門真市同様深刻な財政難に苦しんでいる。そんな守口市役所が長年オンボロ老朽化状態の庁舎を使い続けていたのは知っていたが、実は旧三洋電機本社ビルを約48億円で買い上げ新庁舎にし、2016年10月末から移転していた。

旧守口市庁舎は地下鉄谷町線守口駅のすぐ真ん前にあり、一番古い庁舎である、国道1号(京阪国道)沿いにそびえる本庁舎は昭和26(1951)年に建てられたものが60年以上も使われ続けていた。本庁舎だけでは手狭なために後々ににあって周囲に1~4号別館を建てて増床してきたので、日常の業務の非効率さや空調設備の悪さなど、市民にも職員にも散々悪評高い庁舎だった。

そんなボロ庁舎も間もなく解体される予定で、その目の前を走る国道1号(京阪国道)を挟んで守口消防署もあれば旧本庁舎の隣には守口警察署などもある。しかし国道1号から北側の住宅街にちょっと入ると大阪市旭区太子橋。谷町線守口駅利用者には大阪市旭区民も多いのだ。

昭和52(1977)年に谷町線が都島から延伸され、さらに昭和58(1983)年に大日に延伸されるまでここが終着駅となっていた。駅の造りはその当時から恐らく変わっていない。目の前を走る国道1号にはかつて大阪市電で最後まで残っていた「都島守口線」が、現在の守口車庫前バス停付近まで伸びていた。それも昭和44(1969)年限りで廃止されている。

そもそもこの守口駅、出入口の駅名標が古いまんまである。とうとう2018年4月に民営化し「Osaka Metro」とやらになった現在、大阪市営地下鉄時代の昭和仕様の看板も今や絶滅危惧種になった感がある。やっぱり「大阪市ではない」場所のメンテナンスは後回しですかね。

そんな谷町線守口駅の構内。「ひったくり注意!!」のどでかい警告看板が地域柄をいやがうえに思い知らせる。大阪府下ワーストクラスの貧困地帯を決して舐めてかかってはいけない。


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。
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