パナソニックの企業城下町だった…大阪府下最悪の貧困が襲う街「門真」を歩く(2011年)

門真市

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門真の栄町商店街を歩くとまだ夜にもなっていないのにスナックの玄関先からカラオケで歌うオッサンの声が響いてくる。その風情は不思議と西成の商店街に通ずるものがある。

スナック居酒屋以外には昔ながらの質屋もあります。駅前のサラ金と比べると地味な存在だが貧民街には無くてはならない店の一つ。

栄町商店街を端から端まで歩いてみたがどの建物も築50年くらいは経っていそうな古いモルタル壁のものが多い。完全にオールドタウンと言える街並みだ。

そして笑えるくらいに多いのが公明党ポスターの数々。さすが常勝関西である。至る所玄関先や外壁に同じポスターがベタベタ貼られまくっている。門真市議会の公明党議員比率の高さを示しているのだろうか。22議席中7議席が公明党(4議席が共産党)という圧倒的存在感。市政運営も庶民の視点でやってます。


栄町商店街の先は、門真市駅と西三荘駅の中間を南北に貫く「門真銀座商店街」に繋がっていた。銀座というだけあってここが門真の中心繁華街だろうか。それにしても開いてる店が少ないが、よく考えたら年末年始だった。

こっちもくたびれた感じの商店街という点では共通している。メインストリートになっているせいか自転車の往来が激しくひっきりなしにママチャリに跨ったおっちゃんおばちゃんが行き来している。

やはり門真銀座の方も相変わらず居酒屋やスナックが目立つ。正月休みで開いていない店が多いので普段の雰囲気ではなさそうだが、脚色されていない大阪の下町というのはまさしくこのようなものであると言える風景。

大衆酒場かどまやの隣の潰れたメガネ屋のシャッターは、早速公明党ポスターに占拠されまくっていた。ここでは庶民の王者が街を支配している。

この界隈では路地裏のどこを見回してもモルタル壁のオンボロ木造家屋が密集する様子が見られる。やはり西成と雰囲気が被る。

大阪の下町にはお馴染みの老舗チェーン店「力餅食堂」も門真銀座にはある。でもここも例外なく正月休み…

門真銀座商店街から西の路地を一跨ぎすれば京阪西三荘駅前に直結する本町商店街である。ここも同様に下町以外の何者でもない古臭くオンボロな木造住宅が密集する場所だ。

本町商店街の入口前には京阪電車の高架が走っている。西三荘駅北口真ん前にはパナソニック本社敷地がデデーンと広がっていて企業城下町の凄みを思い知らされる訳だ。

ちなみに「西三荘」という駅名はどこから取られたのかさっぱり意味不明なのだが調べてみると暗渠になった西三荘川が駅前を流れているからだそうだ。大人しく松下前とかにしておけばよいものを、マニアックな駅名である。


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