【尼崎市】阪神出屋敷駅前のガラガラ商業ビル「出屋敷リベル」が結構酷い件

阪神尼崎駅のすぐ隣、尼崎競艇場のある尼崎センタープール前駅の間に位置する「出屋敷駅」と言えば、アマが誇る男のための裏名所としてあまりにも名高い「かんなみ新地」の最寄り駅でもあり、「飲む打つ買う」三拍子揃ったガチなオッサンの下町・尼崎市の本領発揮ゾーンの一角を占める。

今回はそんな出屋敷駅の近くにちょっと香ばしい物件があると聞いてやってきた。かんなみ新地に遊びに来たんとちゃいますよ。各駅停車の普通電車しか止まらない不便な駅なので、結局隣の尼崎駅から歩いて来た方が早かったりするんですが…

出屋敷駅前に出ると、そこには1990年に完成した駅前再開発事業で整備された近代的なバスロータリーと駅前広場が広がっている。しかしここは労働者の街・尼崎である。そんな綺麗な駅前広場も土着のオッサン連中の酒盛りスポットに活用されるのが関の山だ。

どう見ても街の性質を弁えずにやらかしてしまった感のある出屋敷駅前の再開発地区でひと際目に引く定規の三角形のような形のランドマーク的建物。再開発事業の目玉物件である複合施設「出屋敷リベル」である。

出屋敷リベルという分不相応な再開発ビル。中はガラガラ

かつては阪神工業地帯の労働者世帯が暮らし雑多な商店街や露天商がずらりと並ぶアルコール臭い街だったはずの出屋敷駅前に登場した「出屋敷リベル」。上層階は12階建てのマンションになっており、下層階は関西スーパーを核店舗に、地下飲食街なども完備され、阪神出屋敷駅とも専用通路で直結している。

阪神本線の高架化工事も兼ねて行われた再開発計画で1990年にオープンしたリベルだが、あくまで尼崎市内の阪神沿線における中心市街地は阪神尼崎駅周辺に集約されている中で、街外れとも言えるこの駅前には分不相応過ぎるほどに豪華なハコである。オープン当初に入居していたテナントは殆ど撤退しているという。

地下一階の飲食街を含めて地上三階部分までが出屋敷リベルの商業テナントフロアとなっている。しかし一歩中に入ればその酷さが痛感できよう。殆ど空きテナントばっかりやん。どないなっとるねん。

ちょっとここまでの廃れっぷりは想像してなかったので、逆に驚いてしまった。開業して28年が経過するが、ここまで酷い寂れ方にまで落ちぶれてしまったのには、2005年10月末まで当初の核テナントとして君臨していた「ダイエー出屋敷店」の撤退が発端にあったのではなかろうか。

ダイエーが抜けてしまったのが痛手となり、その集客に頼っていた多くの個人店舗が続々と撤退、その途中でダイソーやミドリ電化(後のエディオン)なども一時的に進出するも、それも撤退してしまう。地下飲食街は潰れたまま放置プレイをかまされる店舗の残骸が目立っている。2008年4月には関西スーパーが進出したが、そのまま客足が戻る事もなかったらしい。

「モーニングコーヒー210円 毎朝11時まで」と書かれたガラス張りの向こうに等身大サイズの蒸気機関車の形をした座席がこしらえられたレストラン「ピア・ジョリー」の店舗跡は特に物悲しさを誘っている。長吉出戸、布施、香里園のあたりにまだ系列店があるらしいんですが、店によって運営会社が違っている。

結局この地下飲食街で食えそうなのはうどん屋「ことぶき」と和食「近松」、中華屋「萬来軒」、お好み焼き「ちとせ」の4店舗でファイナルアンサーらしいですよ。結局は炭水化物を食うか、炭水化物を食うか、そうでなくともやはり炭水化物を食うしかないのか。

続いてエスカレーターで二階に登る。ここも古臭いババ服屋くらいしか見かけられず、殆どがシャッター街。これで「Sale」「サ・バーゲン」などと横断幕を掲げられても、どこで買い物すればええねん!と突っ込むしかないんですかね。

もう、このへんなんか特に投げやり過ぎる気もするんですが、このレベルのガラガラモールっぷりは往年のピエリ守山も真っ青だな。

しまいには照明すら消されてしまい、すっかり闇に包まれてしまった箇所まである始末。いっそのこと空きテナントで「第二かんなみ新地」でもやれば儲かるんちゃうか。

このやる気のない駅前商業ビルはもしや…と思ったら案の定第三セクター経営というオチである。関西はこういうの多すぎませんか?「尼崎都市開発株式会社」出屋敷支社の事務所もリベル内にある。尼崎市内では出屋敷リベルと塚口さんさんタウンの建設と管理に関わっている会社である。

最後に一階部分を見ると、ここにはようやくまともな店舗テナントが出現する。100均ショップ「セリア」である。2014年以降、一階にセリアが入居し、三階は店舗テナントから事務所テナントに用途変更の上、工具通販会社「モノタロウ」が入居。それらの賃料収入でなんとか持ってる感じですかね。

セリア開店の際、フロア中央の吹き抜け部分を店舗スペースに改装したせいで、吹き抜けの中に家が建ったような格好になっている。可処分所得がみんなギャンブルと酒と女に消えてビンボー生活に明け暮れるしがない労働者のオッサンには100均が一番有難いに違いない。しかし二階にあったエディオンは2017年末に撤退してしまった。

阪神出屋敷駅に通ずる二階の外廊下に出るとそこも飲食店街が連なっているのだが、こちらも軒並みシャッター街で救いようの無さに泣けてくる。やはり各停電車しか止まらないローカルで不便な駅前にこの施設は分不相応過ぎたのだ。

“指詰め注意”って、もうとうの昔にエンコ詰めてあらへんがな的なヤクザのオッサンが多いこの街では何かの皮肉のようにしか思えませんけれども、出屋敷リベルもまた詰んでるようです。


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。
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