中島らもと勝谷誠彦を生んだ尼崎の優等生タウン!JR神戸線「立花」駅周辺を歩く 

兵庫県尼崎市…大阪梅田から電車で僅か約10分、神戸三ノ宮まで約20分という交通便の良さ、この街が「工業都市」「ガラが悪い」「角田美代子」などの烙印さえなければ、今頃は西宮や芦屋あたりと肩を並べる「関西住みたい街ランキング」の上位にランクインしていたかも知れない。

尼崎の街の中心はどうしても阪神沿線に偏りがちなのであるが、阪神沿線はちょっとガラが悪過ぎて住むには…という方々、JR神戸線沿線なんかは如何でしょうか。JR尼崎駅からは東西線や福知山線も使えるし、駅前も再開発されて綺麗になってますが、今回はその隣にある立花駅周辺をうろうろしようというお話です。

見てください、再開発されてすっきりと整備された駅前風景を。これだけ見ていたらちょっと郊外の「ええとこ」のベッドタウンにしか思えません。「フェスタ立花」という複合商業施設ですよ。それから一応、立花駅は尼崎市役所への最寄り駅にもなっている。

フェスタ立花がある駅南側も、周辺はごついマンションが多いとは言えその周囲にはベタな下町の市場が広がっている。立花駅南口から尼崎市役所へは歩いて10分強ってところで、その途中には有名な某コメンテーター勝谷誠彦氏の実家の開業医もあるという上品なお土地柄。そういえば中島らも氏もこちら立花のご出身なんですってね。

いくらたこ焼きがアイデンティティの大阪文化圏に属する尼崎とは言えスーパーの名前に「生鮮スーパーたこ一」と付けるセンスはさすがという他ないが、物凄く買い物客でごった返している。大阪を中心に多店舗展開しているらしい。激安スーパーマニア注目株ですよ。

阪神沿線じゃなくてものっけから濃厚な下町風情が味わえるのが立花なのだが、やはりこの街の主要コンテンツと言えば駅の北口真ん前に開けるこちら「立花商店街」。

言うまでもなく立花を代表するアーケード商店街で、見ての通りのご立派なアーケードが南北200メートル余りに渡ってぶち抜いている。そして買い物客はお年寄りが多いのが特徴。

で、ここも例外なくシャレオツなチェーン店は殆ど見かけず、あるものはと言えばひたすら庶民的な中華料理屋だったり立ち食いの「都そば」だったり、激安衣料店だったり。

ノリ的には十三のフレンドリー商店街あたりと変わらない。様々な業種の店舗が充実しているし住むには不便しなさそうな感がある。年末に訪問したというのもあるが、非常に買い物客の姿で繁盛している。

JR神戸線沿線ではこの立花から西側、武庫川を渡って隣の西宮に入ると途端に街並みが変わる。阪神大震災の被害もあったのだが、再開発が相当に進んでいるので、こういった下町のワクワク感が薄れていて何とも…といった所だ。立花あたりが恐らく大阪下町文化圏の西端であろう。

立花商店街とは別に、駅北口から北東方向に進むと「立花東通商店街」というのもあるが、こちらは商店街というよりは飲食店がちらほらある程度で、入口をばっちりパチンコ屋に占領されていて尼崎っぽさ全開で何ともアレな感じになっていたので割愛。

立花商店街の北西側に「立花市場」というのもある。でかいアーケード商店街の端々に、このような小規模な市場が併設されているのが下町商店街の特徴的な光景。杭瀬や阪神尼崎の商店街もこんな感じでしたねえ。

建物を正面から見るとこの通り。なかなか歴史を感じさせる佇まい。上階は住居になっているのだろうか…ちなみに航空写真で見ると錆色の屋根がパッチワーク状態で乱立しているのが見て取れる。かすかに漂う戦後のドサクサ臭…

立花市場の中に足を踏み入れると、生鮮食品一式からつけもの屋、生花店、おもちゃ屋に至るまで様々な店がひしめいているが、年末のかき入れ時にも関わらずシャッターを閉めたままの店も多い。普段はもっと寂れているのかも知れん。

立花市場と立花商店街は中で繋がっていて一体化している。結構な規模の商店街だと思うけど、やっぱりある店と言えば中高年向けが中心だし、綺麗にはなってるけど、やはりどこか寂れてる感じがしなくもない。

立花商店街のアーケードを東に外れた区画にも、びっしりとスーパーや市場が乱立していて、大勢の買い物客で賑わっている。やっぱり老人率が高いですね…若い世代は尼崎のガラの悪さを敬遠して、「武庫川から向こう側」の神戸寄りに住みたがるのが特徴である。

尼崎と言えば、高度経済成長期などに工業地帯への労働力としてやってきた沖縄や奄美諸島出身者も多い。マイノリティ分布は阪神沿線が鉄板だが、立花あたりにもあまみんちゅアピールをしている飲食店もある。奄美へは大阪南港からマルエーフェリーでどうぞ。

さて、立花駅前の散策はだいたいこんなもんだが、一つ忘れていた事があった。「第二の角田美代子」と呼ばれる中3男子監禁事件の舞台がこの街だったのだ。この事件では死人が出るような事態にはなっていないが、「さすが尼崎」とネット住民を唸らせるのに十二分のインパクトがあった。

その現場は立花駅から南へ1キロの場所にあるマンションの一室だが、主犯格が開業していたスナックが立花商店街近くの雑居ビルにある。アーケード街を途中で折れて西側へ。尼崎らしくキムチ屋があったりしますニダね。

アーケード街を出て目の前にある主要道路「道意線」のガード下を潜って西側へ。

ガード下を出るとすぐ左手に現れるお下品な外観の雑居ビルが立花随一のお水系ビル「サンプラザ立花」である。ここのスナックのママだった監禁事件の主犯格がどんな人物だったか、事件の詳細などはnoteの有料記事でどうぞ。

<R.I.Pかっちゃん>立花出身のコラムニスト勝谷誠彦氏、2018年11月28日、アルコール性劇症肝炎による肝不全のため死去されました。上記写真は2017年6月28日、兵庫県知事選挙においてJR西宮駅前で演説する本人の姿です。知事選ではかなり善戦されていましたが…いくらなんでも亡くなるの早すぎです。合掌。


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。
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