【尼崎市】阪神タイガース命!日本一の猛虎推しアーケード街「尼崎中央三番街」の本気っぷり

阪神尼崎駅前からずらりと伸びるアーケード街「尼崎中央商店街」はもっぱら庶民のための繁華街と商店街で構成されており、この街の顔としては充分過ぎるくらいのコンテンツを持ち備えている。

その中でも特にキョーレツっぷりを見せつけるのがアーケード街の中程にある「尼崎中央三番街」(尼崎中央三丁目商店街)である。駅に近い一番街とは違い、ちょいちょいと地元民向けのお買い物スポットや飲食店が点在する賑やかな商店街となっているが…

この中央三番街で特に異様ぶりを晒しているのが、アーケード街から垂れ下がった黄色と黒の大鳥居。その中央には「参虎殿」と書かれた額縁が収まってますけれども、この色合いと「虎」の一文字だけでこの商店街が何を推しているのかすぐに理解できよう。

阪神タイガースを日本一応援する「尼崎中央三番街」

この中央三番街はただでさえ阪神タイガースファン率の高い尼崎市内において、本気で阪神タイガースに命を懸けて商店街全体が「猛虎推し」しまくっている、ちょっと尋常ではないテンションの商店街なのである。街の靴屋まで一番目につく場所にタイガースコーナーが…

おもちゃ屋の軒先に置かれているガチャガチャコーナーまで完全にタイガースに占領されている。ガチャガチャには必勝祈願の開運木札、その右の機械は応援千社札シールが作れるそうですよ…尼崎市民と阪神タイガースは一心同体の間柄なのであろうか。

中央三番街が全力でトラを応援しすぎて熱病でおかしくなってる感すらあるこの空間。アルファベットの「V」を象った「めざせ!日本一!」の看板もその場の熱気を奏でる。残念ながら2018年は最下位に終わりましたけどね…

阪神タイガースがまるで大阪人の象徴的球団に扱われているのは昔からだが、兵庫県の球団と認識されにくいのは、やっぱりこの地域が「ほぼ大阪」だからに他ならない。甲子園球場があるのは隣の西宮市で、そこにも近い尼崎市が盛り上がらない訳もない。やはりどう転んでも尼崎はほぼ大阪。市外局番も06なのである。

中央三番街名物、“めでタイガー”の動くマジックボード

そして中央三番街のアーケード街にぶら下がりながら前へ後ろへギーギー音を立てて動き回る、珍妙なキャラクター人形が掲げる看板…阪神タイガースの優勝を祈願するためにわざわざ用意された「マジックボード」である。毎年恒例「日本一早いマジック点灯式」を実施中。

キャラクター人形の正体は、黄色と黒の縞々模様の虎柄の魚である。魚の“鯛”と、虎の“タイガー”を掛けて「めでタイガー」という名前が付けられている。鯛というよりも出目金とか夜店の金魚すくいの金魚に見えるんですけども。

毎年3月終わり頃のプロ野球シーズン開幕時期に商店街を挙げて「日本一早い!阪神タイガース優勝セール・マジック点灯式」を実施する、この熱の入れよう。過去のマジック点灯式の様子を写真で紹介するパネルを置いている地元のカメラ屋さんもある。

もはや尼崎で暮らす限り、“タイガースファンにあらずは非国民”扱いされそうな勢いである。

マジック点灯式の時には「マジック144」などといった途方もない数値が掲げられ、アーケード街には日本一気の早いタイガース優勝ムードが充満する。尼崎市民にとって盆と正月が来る事よりも阪神タイガースのマジックの数字がゼロになる事のみが重要なのだ。

ちなみに10年位前の写真を見返すと、魚じゃなくて鳥が飛んでましたね…阪神尼崎住民はこの商店街を通るたびマジックの数字が日に日に減っていくのを心待ちにし、何かあればすぐさま阪神電車に乗って甲子園球場に応援に赴くのだ。

そんなトラキチっぷり全開な中央三番街に限らず、他のアーケード街もこぞって「猛虎推し」に走る始末。尼崎市民は阪神タイガースを日本一応援している市民である様子が分かる。隣の西宮市の球団なんですけど…

尼崎の超有名人「トラのおばちゃん」に遭遇する

そんな尼崎中央商店街を歩いているとそこかしこの店先に置いている、全身を阪神タイガースグッズで身を包み黄色と黒の縦縞模様のド派手な衣装で着飾ったおばちゃんの等身大パネルが目につく。尼崎では昔からの超有名人「トラのおばちゃん」である。

この商店街にいくつ「トラのおばちゃん」パネルが置かれているか定かでもないくらいにあちこちあるんですけれども…ひとえに虎柄の衣装と言えどもいろんなバージョンがあって見た目からしても飽きさせない。

中央商店街に限らず三和本通商店街にもトラのおばちゃん等身大パネルが…これまで何度も地元テレビに出演していたり、この格好で甲子園球場に登場するなど、地元尼崎市では顔出ししまくっておられるので超が付くほどの有名人である。

たまたま昼飯を食いに入った店で、本当に偶然お会いしてしまった「トラのおばちゃん」こと引田孝子さん。阪神大震災で当時住んでいた西宮市のマンションが倒壊するも夫婦揃って生還、しかし1999年に夫が死去し、その後の2003年から「夫の分も応援しよう」と派手な虎柄の衣装に身を包んでタイガースを応援し始めた。

引田さんが経営していたスナック「スマイルキャット」は2011年に閉店し、2018年現在73歳であるが、まだまだ現役。人生を阪神タイガースに捧げる人々が寄り添う街、それが尼崎です。


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。
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