京都と言えば日本国における「都の中の都」たる存在である市民の自覚を根拠にプライドの高さに加えて格式や伝統を重んずる気質のあまりに、古都のイメージに相応しくない工業地帯やラブホテル街、産廃スクラップ屋などなどNIMBYな物件をことごとく都の外側(具体的には京都駅から南側とか山ん中)に排除しまくっているせいで、京都市の外れの伏見区と隣接自治体の境目に広がる「巨椋池」の干拓地帯がこぞってヨゴレのゴミ溜め場になっている“京都カースト”のエグさは実際に現場を見てみない事には理解が難しい。
そして我々が今回やってきたのも「ギリギリ京都市内」に入る、伏見区の「淀」という土地。京阪本線淀駅最寄りのここいら一帯は京都人にとっての三つの母なる川である桂川・宇治川・木津川の合流地点に程近い。「大阪湾から39.0km」…その表示を見るとここから確かに大阪市内のど真ん中を流れる同じ川に繋がっている事を実感できるというもの。淀川の名の由来が伏見の淀から来ている事もよく知られているが、京都府内では宇治川、滋賀県に入ると琵琶湖の入口まで瀬田川と呼ばれているものは全て淀川本流にあたるのだ。