一方で堺筋寄りに向かって歩いて行くと「坂町会館」だとか「坂町横丁」だとか旧町名がついた建物がいくつも残っているが、それにしても胡散臭い雑居ビルばかりで雰囲気がアレなまんまなのは何故でしょう。
この辺にも「競馬放送実況中」だとか書かれた変な喫茶店があったり、本土にはあまり残っていないが沖縄には未だによくあるゲーム喫茶の部類だろうかね、そういうのがある土地柄ですよね。ウインズ道頓堀もすぐ近くにある事だし。
しかしこの店構え…どう見ても普通の喫茶店の入口には思えないし「オープン」の文字が三度繰り返されていてしつこかったりと色々癖の強さを感じてしまう。
で、ここらもすぐ裏手に入ると秘書がどうこうよく分からない店が紛れていて例に漏れずアレな感じの街並みとなっておる訳だが…
はいここで注目~。見事に廃屋と化した路地裏横丁がこんな所に隠れていたのである。横丁の名前すら既に判別不能。建物がコの字型に配置されている、よくあるパターンなのであるが、中央の通路は道幅1メートル程度しかなく糞狭い。
入り口が封鎖されている訳でもなかったので足を踏み入れてみる。天井はトタン板などで塞いでおらず青空状態になっているので二階部分だけ日当たりがよく、足元が真っ暗で谷底のような印象を受ける。
一軒くらい現役の店があるかと言えば見るからにそんな感じはしない訳で、路地の東側のこのお店なんか玄関をベニヤ板で塞いで屋号の「板東」そのまんまになっていましたよ。やっぱりつきだしにゆで卵とか出てきてたんでしょうかね。
十数軒程のマッチ箱酒場が連なっていた古い横丁の成れの果てと思われるが、かなり前から放棄されていて、恐らく土地関係がややこしくて簡単に解体できないという事情でもあるのだろう。どん詰まりの路地の突き当たりに「スナック道」とはこれ如何に。
もうちょっとこの飲食街の歴史が判明したなら良かったんですけどね。ざっと調べた限りではあんまり分かりませんでした。大阪ミナミのコアゾーン、千日前一丁目。この狭いエリアだけでも数々の街の歴史を紐解く物証があれこれ出てきて奥が深い。