平城京が生まれる前からこの付近の山に生息し、神の使いとして大切に守られてきた奈良の鹿。その可愛い鹿ちゃんを守るための団体が「奈良の鹿愛護会」である。
愛護会の収入のほとんどが鹿せんべいの収益で賄われており、鹿の面倒を見る費用に宛てられているのだが、近年、その愛護会の運営が危機を迎えているという。
奈良公園の一角に「奈良の鹿愛護会」の事務所がある。
その真正面に「鹿苑」という、怪我をしたり病気になって弱った鹿を保護飼育する施設と一緒に鹿の角切り場として使われる円形のこじんまりとしたスタジアムがある。
だが、見てみると建物はボロボロ。コンクリートが劣化して剥がれ落ちるに任せる状態。中の鉄筋が剥き出しになっている。この状態では、毎年10月に行われる「鹿の角きり」にこの会場に人を集めてイベントを開催することすら危ぶまれる。
しかし愛護会は現在深刻な財政難に見舞われていて、この角切り場の改修費用を出すことが出来ずに居る。
肝心の収入源である鹿せんべいの売り上げが下がっているのも理由だが、毎年支給されていた奈良市からの補助金も財政難を理由に削減された。従業員の給与にもしわ寄せが行っていて、気の毒なことこの上ない。
貴重な文化遺産をほったらかしにする一方で特別採用枠の不良職員を税金で肥え太らせる奈良市政。大阪のこと笑えんぞ。
どんな生き物でも、子供ってのは可愛いものである。