激安スーパー玉出発祥の地!西成区「玉出本通商店街」の廃レトロぶりが凄まじい件

大阪市西成区

大阪市内を中心に展開する激安スーパーチェーン「スーパー玉出」の存在は関西はもとより全国的に知られる程のもので、あのドギツイパチンコ屋のようなキチガイじみたネオンサインや24時間営業店舗、破格の1円セールなどなど、他には真似のしようがないサービスに打って出るその営業姿勢は大阪の下町貧民の絶大な支持を得ているのである。

そのスーパー玉出が創業した場所が、まさしくその屋号が示す通り、大阪市西成区の玉出である。同じ西成区のドヤ街釜ヶ崎(あいりん地区)からは少し離れていて、地下鉄四つ橋線の玉出駅、もしくは南海線の岸里玉出駅が最寄り駅となる。国道26号沿いにド派手なスー玉の看板が挙がっているのですぐに解るだろう。

大阪南部の主要道路である国道26号は大阪市と和歌山市の間を結び、その下を地下鉄四つ橋線が走り、ここ玉出の街を南北に貫いている。玉出はたこ焼き発祥の店「会津屋」の本店がある事で有名。ちなみに会津屋の創業者はその屋号の通り、福島県会津の出身。ついでだがお好み焼きのチェーン店「ぼてぢゅう」もまた玉出発祥。ある意味玉出は粉モンの聖地と言える土地かも知れん。

国道26号沿い、今回の目的地、スーパー玉出発祥の地「玉出本通商店街」の入口、両手に花ならぬ両側にパチンコ屋がどでーんとそびえていてさすが下町クオリティを端から全開にして待ち構えているのだが、大阪市内どこ行ってもこんな感じなので別に驚きもしません。

玉出と聞くと「玉出のパチンコ屋は玉がよく出るのか」というくだらないネタを昔「探偵ナイトスクープ」でやっていた記憶がある。商店街入口のパチンコ屋の前の交差点で信号待ちしているお姉ちゃん達も倖田來未ばりのド派手なド金髪だったりして、ああ、関西の下町に来たんやなあと思わされる瞬間です。


ところでこの日、玉出本通商店街から国道26号を挟んだ向かい側が何やら夏祭り開催中でやたら露店が並んでいたりして気になるのでついでに様子を見に来た。生根神社という古い神社があって、そこの祭りだった。

玉出の生根神社は住吉大社の摂社である住吉区の同名の神社から祭神の少彦名命の分霊を勧請している。街で一番の神社の祭りともあって辺り一面非常に賑やかです。天神祭の時期は大阪の至る所でこのような夏祭りが行われますね。

神社境内では夏祭りの時期にだけ出される「だいがく」と呼ばれる巨大な櫓が上がり、その下では地元の子供達が太鼓の練習に勤しんでいる。

「大阪府指定文化財 有形文化財民俗資料第一号 だいがく」とある。これが公開されるのは一年のうち天神祭と同日の7月24日、25日の2日間だけ。たいへん貴重なものなのですねえ。「だいがく」と平仮名で書かれているが漢字では「台楽」などと記されるものらしい。「大学」だったら大阪の下町ではあまり縁がなさそうですが。

「玉出本通商店街」入口のアーチ看板が非常に渋くて良い。ここからだと地下鉄、南海線、どちらの駅にもまあまあ近い。治安の悪さと柄の悪さに目を瞑れば、生活しやすそうです。

西成区玉出地域は元々西成郡勝間(こつま)村といい、勝間南瓜というかぼちゃの一種がなにわの伝統野菜に数えられているとかそういう土地で、大正時代以降に市街化して西成郡玉出町になり、その後大正14(1925)年の大阪市の市域拡張時に西成区の一部として編入されている。なお、釜ヶ崎が西成区の北部にあるのに対しここ玉出は西成区の南部にあり、結構離れている。

そんな玉出の街のお買物スポット「玉出本通商店街」は全長200メートル程度で規模的にはそれほどのものではない。しかし商店街の入口から一直線に連なるアーケード街を見渡すと、昭和な風情がかなり色濃く残されていて、情緒に溢れている。道行く買い物客や地元民も一貫して下町的だ。

商店街の天井に架かるアーケードの古めかしさが特に際立っている。等間隔に取り付いたシャンデリア風の照明もイカしてますね。あと屋根の梁の中央部分、「玉出」の文字が透かし彫りになっている所もポイントが高い。

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