労働者の街「西成」に縦横無尽に広がる商店街。それは時を止めたまま佇む都会のパラレルワールド。
ジャンジャン横丁から飛田新地へ抜ける、南北を貫く「飛田本通商店街」を歩く。
日が暮れると居酒屋以外はほとんど店じまいし、昼間は労働者で溢れかえる商店街は打って変わって閑散とした雰囲気になる。
居酒屋の名前はその名も「西成一番」(笑)
労働者の街・西成にあっては店の値打ちは全て「安い!うまい!」に凝縮されてしまう。
それどころか「激安・めちゃ安・ほんまに安い」と「安い」の三拍子である。くどいぜ!
居酒屋も多いが、カップ酒やビールを売る自販機の多さも特徴的だ。そして個室ビデオルームも多い。路上生活者が人目を憚らず「抜く」ために重宝される店だ。完全に男のための街に特化している。
「激安」が何よりも支持される労働者の街は、ジャスコでもイズミヤでもなく、もっぱら「スーパー玉出」の天下である。
刺身198円、弁当も中心価格帯は298円から398円まで。異常な激安価格の惣菜は西成住まいの強力な応援団である。そこでいちいち食材がどこの産地なのかまで深く考えるのは野暮である。そして、肉類はとにかく安い。
元は名前の通り西成区玉出が本店のスーパーなので、西成区には9店舗もあるが、実にあいりん地区周辺に4店舗も密集しているのだ。
飛田本通商店街から西へ抜けると「萩之茶屋商店街」や例の「三角公園」などがあるデンジャラスゾーン。ここは夜間は本当に危険なのでやめておきました。なので、阿倍野再開発地区と飛田新地方面へ抜ける「新開筋商店街」へ入っていこう。
さらに時間が止まったかのような佇まいを残す「新開筋商店街」。
ここまでやってくると基本的には何の変哲もない、古びた住宅街だ。だが、そこらじゅうでダンボール紙を敷いて寝転がるオッサンの姿を見かけるのは、やはり生活圏としては「釜ヶ崎」と同一であることを表している。
今日明日の生活もわからぬ浮浪者の真横を、買い物帰りの子供連れの主婦が自転車で颯爽に走っていく。すこぶるハードボイルドな街である。
このまま真っ直ぐ歩くと阿倍野区の再開発地区だ。上町台地の段差がそのまま生活圏の壁となっている区境を跨ぐと全くの別世界となる新興団地の住民が、時折こちら側に買い物に来ることもある。
何のことはない。ここにも「玉出」があるからだ。
午後8時ともなると、すっかり街は眠りについてしまう。
真っ暗となった街の向こうにひときわ輝く、オレンジ色のネオンが…
あの飛田新地である。
急に昼間になったけど気にしないでw
言わずと知れた大人の社交場です。ここでは詳しく話さないが。
店の写真撮影はご法度である。もしカメラを出して店の中を撮ろうとしたら、ソッコーでその筋の人が飛び出してくるそうです…
飛田新地は戦災を免れた部分も多く、モダン建築のシブイ建物もあるし、外観くらいなら…と思って一枚こっそり撮ったのだが、本当ならそれすらも危険である。
かつて遊郭としてあった飛田。遊女を外に出さないようにしていたのが、この大門の跡である。
飛田新地内で唯一、本来の「料亭」として営業している鯛よし百番。
飛田遊郭が開かれた大正時代初期に建てられ、当時の建設技術の贅を尽くした豪華絢爛な建物である。
要予約だが、予算は5000円程度で済む。かなり人気は高い。
とりあえず、基本的にはおっかない場所なので早々に退散しました…
SHINGO☆西成が案内する飛田新地