【浪速区】南海なんば駅前・大阪球場跡の珍建築モール「なんばパークス」を見る

難波の新しい名所としてすっかりお馴染みになった「なんばパークス」。かつての南海ホークスのホームグラウンドだった旧大阪球場跡地を取り壊し、巨大な複合施設を建設した。2003年10月に北側半分の第一期エリアがオープンした後、2007年4月19日に南側半分の第二期エリアがオープンし全面開業となった。


今回の記事ではそんな「なんばパークス」の珍建築ぶりを思う存分に堪能することにしよう。後ろにそびえるは「スイスホテル南海大阪」。コテコテギラギラの「ミナミ」の雑多なイメージとは180度違う、オシャレで洗練された空間。非常に落ち着く。まさに「別世界」(笑)

なんばパークスはただの複合商業施設ではない。施設全体が緑化されており、名前の通り「公園」のような空間を演出している。

航空写真で上空からの造りを見れば、いかにこの施設がユニークであるかがお分かり頂ける事だろう。

緑が極端に少ない大阪という土地の中ではとても有難い。3階から上の「パークスガーデン」は各階が緩やかな段丘状の屋上庭園になっている。

上に登っていくと、見事なガーデニングが施されている。都会のオアシス。緑が少しあるだけで人の心は随分と和むものである。

その中央に切り立った渓谷のように開ける2階中央通路。カーブを描きながら奥へと伸びていく。両側にはこれまたオシャレなお店がズラリと並んでいて、最先端のショッピングゾーンを作り出している。

今まで何かと高級感に欠けたイメージが先行していたミナミの只中にあって、ここだけは梅田の再開発地区に負けない作りだ。

上を見上げるとこの通り。このキテレツな建築物を設計したのはアメリカ人建築家のジョン・ジャーディ氏(Jon Jerde/1940-2015)である。同氏はなんばパークスに限らず日本国内のモールの設計を数多く手掛けている。代表例は福岡市の「キャナルシティ博多」、その他には川崎市の「ラ・チッタデッラ」、東京都港区の「六本木ヒルズ」などである。

冬場のイルミネーションシーズンになると、なんばパークスでも綺羅びやかなイルミネーションが灯され、リア充カップルホイホイとして機能し始める。大自然の渓谷を意識した吹き抜けの壁に水の流れる滝をイメージした青色のLEDがまばたく。あらステキ、キラキラ女子のハートをわしづかみ、である。

上層階から流れる滝のイルミネーションを見下ろすとこの通り。なかなかやおまへんか。六本木ヒルズなんかに負けへんで、という気合が感じられます。

しかし関空から特急ラピート号で一直線で来られてしまう地の利の良さもあってか、リア充カップルよりもワイワイガヤガヤと騒がしい特定アジアの国々からの観光客の方が多数派となってしまい、リア充カップルがしっぽりと雰囲気を楽しむ感じではなくなっているのがやや残念。

2007年4月、なんばパークス全館グランドオープンの記念すべき日に訪れた事があった。屋上の円形劇場でもオープン記念セレモニーのような行事が行われていて、大勢の客が押しかけていた。特に目玉ゲストが、お笑い芸人から芸術家に転向した、あのジミー大西氏だ。大阪・八尾が生んだ「河内のピカソ」(←勝手にそう呼んでいる)である。

最上階の8階屋上にはジミー大西作品「天海の輝き」というモニュメントが掲げられている。素人の目で見ると極彩色のニワトリのような像にしか見えない所がさすが「河内のピカソ」だ。探偵ナイトスクープの依頼で、服部緑地の池で巨大シジミを掬っていた頃に比べると素晴らしい転身である。

8階屋上には子供を遊ばせることもできる小さな公園があったり、意外に知られていないが一般市民が使える「アーバンファーム」という会員制の貸し農園スペースまであるのだ。子連れ向けの店舗は1階にトイザらス等もあるが、軒並み爆買い中国人観光客しか見当たらない。

なんばパークスの南端から、南側一帯の景色を眺める事が出来る。その左手には日本橋電気街、右手にはヤマダ電機LABI1なんば店。日本橋電気街の脅威となるかと当初は思われたヤマダ電機も、蓋を開けてみれば梅田にあるヨドバシカメラに客を奪われて、どちらも賑わいに乏しい。

パークスガーデンではあちらこちらに有名人の手形がプレートになって置かれている。何かしら難波に関わりのある歌手、タレントやスポーツ選手などなど。朝青龍は、近所の大阪府立体育館で毎年行われる大相撲春場所があるのがきっかけですな。

なんばパークスの前身である大阪球場にて、昭和49(1974)年から58(1983)年まで10年間連続で「真夏の大阪球場コンサート」を敢行した昭和のトップアイドル・西城秀樹の手形もあり。ヒデキ還暦!とギャグをかましたのも束の間、2018年5月16日、63歳でこの世を去った。

パークスの屋上は、地上の喧騒とは無縁のオアシス。だが1階に降りるとそこだけは全く空気が違っていた。「ウインズ難波」…そう、JRA日本中央競馬会の場外馬券売り場が同じなんばパークス内にあるのだ。なんばパークスのオシャレな空間とはまるで雲泥の差。そのへんの道端に座り込んで競馬新聞を読み漁るギャンブルオヤジと外れ馬券の紙くずとタバコの吸殻が地面に無造作に転がる、殺伐とした場所。

この場所には、なんばパークスよりも先にウインズ難波があったから、おいそれと移転させる訳にもいかなかったのだろう。道頓堀にもウインズがあるのに、ここにもあるというのも、なにわのギャンブルオヤジ軍団の受け皿はそのくらい無いともたないんでしょうかね。


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。
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