【兵庫区】地下鉄湊川公園駅前、神戸の台所と呼ばれる一大下町アーケード街「湊川商店街」

神戸のド下町歓楽街・新開地のすぐ北隣にある、神戸市兵庫区の「湊川」地域…ここには神戸市内でも屈指の賑わいを誇り“神戸の台所”と呼ばれる名物商店街が存在している。その名も「湊川商店街」…

そんな湊川商店街を訪れる機会があったので、当サイトでも容赦なくレポートしていきたいと思う。神戸の下町と言えば代名詞的に「長田区」と出てくるものだが、ここ湊川地域がある兵庫区も充分過ぎるくらいに下町である。三宮から地下鉄で片道10分、湊川公園駅を降りたら目の前がアーケード商店街だ。

湊川商店街を歩いて神戸下町民パワーに圧倒されろ

湊川商店街というのはこの一帯の商店街を総称したものだが、このうち駅チカ側に立地する幅広道路のアーケード街「湊川商店街」「神戸パークタウン」、その先にある「ハートフルみなとがわ(旧称:湊川中央市場)」「ミナイチ(湊川市場)」「東山商店街」「マルシン」といった区画で構成されていて、全体像で見ると相当規模のでかい商店街となっている。

年末ともなると買い出しにやってくる大勢の客のあまり身動きが取れなくなるほどである。京阪神では大阪の黒門市場、京都の錦市場が定点観測スポットとなっているが、黒門も錦も観光客ばっかりやないか。年越しシーズンに関西下町パワーを感じるなら神戸湊川一択であろう。

ともかく“湊川”は広大過ぎる商店街なので一つの記事に収まりきれないこと必至である。当サイトも複数回に分けて、この商店街の濃ゆさと香ばしさを余すことなくお伝えできればと思う。別に年末でなくとも年がら年中買い物客だらけで通行人もチャリンコも多い多い。高齢者ばっかりですが…

湊川商店街のメインストリートとなるアーケード街を進んでいくと、その先には「ダイエー湊川店」の店舗が現れる。大阪では次々イオンに衣替えしまくっている店舗が目立つが、神戸に本拠地を置くダイエーは神戸市民にとっては特別な存在。イオンにブランド名を変えられる事には抵抗が強いのか、湊川店含め神戸市内の店舗は依然ダイエーのままである。

そんなダイエー湊川店のある「みなとがわプラザ」の一角には絶滅危惧種と謳われながらも地味に生き延びている国内初のハンバーガーチェーン「ドムドムハンバーガー」の店舗が営業中。ダイエー系列だった経緯から神戸には非常に同店の店舗が多く存在していたが、現在はこちら湊川店一つのみ。

「みなとがわプラザ」の入口の階段付近でたむろする土着老人男性の姿もまた土地柄を思わせる。近所の県営住宅の住人なのかよくわかりませんけれども…

そんなダイエーの先で湊川商店街のアーケードが終わり、その脇から別の商店街のアーケードが伸びている。まあ、ここまで来るだけならほんの序の口に過ぎないし「普通の賑やかな商店街ですね」という感想で終わってしまいかねない。いやいや、この先がおもろいんやで。

途中から結構な角度の上り坂が現れて別の商店街に繋がっている件。山と海が近接している神戸特有の地形から見られる都市風景と考えるべきか。坂の途中でへばって動かない高齢者買い物客を続々見かけられる。

坂を登った先にある「ふれあい通り」「上湊川本通」「ミナイチ」といった一帯から、いよいよ下町商店街らしい勢いが出始める。カオスで面白いのはここからだが、長くなりすぎるので次回の記事で詳しく触れることにして…

商店街の周りも香ばしい湊川地域のあれこれ

湊川商店街の出口付近にそびえる一際巨大な団地…これも下町ならではの県営住宅「上湊川高層住宅」の建物である。昭和47(1972)年築のヴィンテージ団地…住民はみな高齢者か生活保護受給者であることは想像に難くない。

それから商店街の途中の坂の入口をよく見ると、怪しげな筆書きの紙をベタベタ掲げてゲリラ的に「人生相談コーナー」をやらかしている謎のカオスなおじさんまでいる件。下町的にこれは許されるのだろうか知らぬが、なんだか日本ではなく韓国の街角を見ているような錯覚に襲われそうになった。

「人生が明るくなる!占い人生相談 1000円!」だそうで、たかだか千円札一枚で人生に希望が持てるものならお安いものかも知れませんが、目の前の坂道に参ってしまっているお年寄りの目にも留まりそうな、なかなかキョーレツなアプローチである。占い師の愛犬であろうダックスフンドが暇そうに過ごしていた。

当然下町とくれば「銭湯が元気かどうか」というところも下町度を推し量るバロメーターの一つですが、湊川地域はガチでした。東山商店街そばの「湊河湯」はじめこの地域には複数軒の銭湯が営業している。ちょっと山手側に入ると「湊山温泉」という穴場のローカル温泉もあるし、お風呂好きには捗る街やね…

湊川商店街で見られるガチ下町フードの数々

そして買い物回り中の神戸下町民の胃袋を満たす、ゲスい佇まいの食い物屋や惣菜・弁当屋の数々がここぞとばかりに派手な看板を掲げて営業しまくっているので面白い。

商店街内に限らずその周辺にもかなりの数の食い物屋が客の奪い合いに必死になっている様子が見られる。こうした食い物屋を選ぶだけでも大変である。

たこ焼言うても大阪のモンだけやあらへんで、と言わんばかりに看板を掲げる「神戸たこ焼 味一」の前にも椅子を並べて人目も憚らずコナモンを摂取する土着民たち。普通のたこ焼だけではなく、たこ焼に出汁をぶっかけてアツアツのヒタヒタで食らう「だしたこ焼」が名物らしい。

その他、やたらとメッセージボードを店先に掲げて雑多にアピールしまくっている食い物屋があったりなんぞして、貧民窟育ちの当方にはあれこれ目移りしてしまいそうになる。そばめし・すじ入り500円、炊き込みご飯セット350円!やっすー!

商店街の片隅でポテトフライとジュースとかき氷を出すだけで商売が成り立ってしまう地域こそがガチの下町である。一杯100円のミックスジュースが下町民の喉を潤す「マルカジュース」。この界隈の住民のソウルフードか。

さぞかしエキサイティング極まりない下町安物買いツアーが楽しめそうな神戸の台所・湊川商店街、まだまだ話の続きがあるが、長くなるのでまた次回だ。「明るい買物 スリにご用心」…治安はそんなに宜しくないようです…


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。
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