大安亭市場のアーケードを北に抜けると、目の前にはJR及び阪急神戸線の高架が現れ、さらに商店街が北方向に連なっている。
お上品なエリアを通る事でも知られる阪急神戸線のマルーンカラーのお上品な電車も、この辺だけは完全に下町エリアで毛色が違う。どのみち終点は新開地なので下町である事に違いはない。
六甲山地と大阪湾に挟まれた、限られた狭い土地に都市部が出来上がった神戸市ならではか、このガード下も住居や工場なんかに有効活用されていて、三宮駅から王子公園駅の手前くらいまでは切れ間なく高架下建築が続いている。
大安亭市場の北側でガードを潜るとその下にも年季の入った八百屋や商店の残骸があれこれ見られる。はい、紛れも無く「阪急神戸線沿線」の風景です。
そして、なかなかの圧巻ぶりを見せる八百屋の店先にある蛍光色のポップの密集具合も視覚的に良い感じ。ここも笑っちゃうくらい野菜が安いんですが…おお…安っ…と言葉が漏れそうになる大安亭市場でございます。
八百屋の向かいには串カツ店とか焼肉屋もあるんだけど、もう長年営業していなさそうでシャッターが閉まったまんま。テンションが神戸というよりほぼ西成ですね…
で、JR及び阪急神戸線のガード下を抜けて北側に出ると、大安亭市場に延長する形で「中大安亭商店街」というのが伸びているが、20メートル足らずですぐ終わるし、片側はマンション建設中。店も殆ど無い。
しかしその先に「サンロードクニカ」という、ややキレイ目のアーケードが連なる商店街が続いている。綺麗なのはアーケードだけで、下を見ると相変わらず下町臭さ全開なのが大安亭クオリティである。
大安亭市場の賑わいっぷりとは裏腹に、このサンロードクニカ商店街は嘘みたいに寂れまくっている。この明暗は一体何なのだろう。変な名前の商店街だが、国香通という地名から来てるのね。
豆腐屋の裏のトタン板にベタッと貼られていた「ぼっかけうどん」「ぼっかけ丼」のメニュー表に思わず反応してしまう。隣の食堂で食えるみたいですが、豆腐屋同様営業してませんね…
あとは張り紙による嫌がらせ攻撃を受けていると思しき別の豆腐屋さんとか、なんとも下町の陰鬱な人間関係が垣間見える商店街となっておりました。しかし「ゴキブリ、ゴミなどを集めてまいたり」とか「認知症ではないですか、病院に行ったら!」とか書いてあって、文面が鬼気迫っていてアレな感じである。
残り少ない営業中の店舗は、やたら店の前に従業員が多いなぁと思ったら知的障害者更生施設がやってる雑貨屋でした。んまあ、福祉の街って感じです。