【現存せず】ドヤ街釜ヶ崎の隣に遊園地?!大阪市の負の遺産「フェスティバルゲート」在りし日の姿

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さらに上の階へ向かう。閉鎖した施設ばかりでもう何もないのだが、とりあえずエスカレーターだけは稼動させている。遂に3月末をもってシネマコンプレックス「シネ・フェスタ」までもが営業を終了した。

3階から上は、大阪市がフェスゲの空き部屋を、主に芸術家を相手に安い賃料で貸し出す「新世界アートパーク事業」で入居するテナントが何軒かある。だが、それが無ければ3階から上は完全に100%空き部屋だらけということになる。

遊園地の上から眺めるあいりん地区に萌え

3階吹き抜け

人通りもない廃墟同然の遊園地はオッサン達の憩いの場になっている。警備員の巡回だけは徹底しているので、勝手に将棋盤を広げて遊んだり、品物を並べて盗品市をやるような事はできない。

現役時代のクロノス

「クロノス」の残骸

船型の座席が時計のように回転する「クロノス」の残骸。その向こうには…

JR新今宮駅

JR新今宮駅と、その駅の下に蛭のようにへばりついているホームレスの青テントがズラリと並んでいる。都市の大動脈、JR環状線の駅のまん前がこの状態である。東京ならば、さしずめ山手線の上野駅あたりに対比できるが、ここまで壮絶なテント村を東京都心の駅前一等地で見かけることはまずないだろう。

太子交差点

さらに、太子交差点のあたりも見ることが出来る。西成暴動で駅舎がまるごと焼き討ちに遭った、阪堺電軌南霞町駅から、今でもチンチン電車が現役で運行している。写真を撮っていると、横で佇んでいるオッサンの一人が突然奇声を挙げだした。どうやら酒をあおっているようだが、絡まれると厄介なので避けるようにそこを離れた。

ロストシップ

吹き抜けのど真ん中に「ロスト・シップ」が斜に横たわる。その間をデルピス・ザ・コースターの線路が縫うように走る。

ロストシップの正体は階段でした

フェスティバルゲートは「海底に沈んだ古代都市」をイメージして作られている。マスコットキャラからして半魚人みたいな格好の奴だが、実態は「借金で沈んだ遊園地の廃墟」なのだから、笑えない。

3階エスカレーター

あまつさえ、こんな廃墟を作ったカネの出所は大阪市民の税金なのだから、本当なら大阪市の納税者はもっと怒りに狂うべきなのだが、表立った抗議も起こらず、呑気なものである。まあ、大阪市においてはまともな納税者の方がマイノリティなのだが。

さて、懲りずにまだまだ上に登ってみることにしよう。

目玉のコースターは「泉陽興業」製

5階からは、このフェスゲで唯一最後まで営業していた、目玉のジェットコースター「デルピス・ザ・コースター」の乗り場があるのだ。2005年9月の営業縮小以降は、土日祝日と連休だけの限定営業となっていたが、それでも乗車することができた。(1回700円)

ちなみに現在は営業していない。今年5月のエキスポランド「風神雷神II」の事故があってから「整備・点検作業の為」営業休止したままになっている。

現役時代のデルピス・ザ・コースター

二度と動かないデルピス・ザ・コースター

破綻会社のジェットコースターなんて別の意味で恐怖だが、このコースターは「泉陽興業」の製造。エキスポランドを実質的に運営していたあの「泉陽興業」だ。遊戯機具のドンで社長が「政商」で、しかも同じ浪速区が本社だし分からなくもないのだが。

コースター乗り場は5階

乗り場はこちらから。しかしエンドレスで流れている説明用VTRの映像が物悲しさを誘う。

5階フードコート

向かいには大きなフードコートがあったが閉鎖され、アイスクリーム屋だけが細々と営業していた。まるで選挙前のどこかの政党のポスターのようにソフトクリームの看板を並べすぎ。ほぼ全面終了した今では多分営業していない。

かつては4階と5階がフェスゲの乗り物がメインで並んでいるフロアーだった。

たしか5階

5階では「ザ・ラストアドベンチャー」「カーレントデンジャー」「メビウスループ」「オスマン帝国の秘宝」「キッズ・ランド」、4階では「エキドナの洞窟」「アエロプリオ」「占いのラビリンス」などなど。

何の乗り物があったか分からない

残念ながら往時の乗り物の写真は手元にもないので、お見せすることもできない。

テオスの塔

「テオスの塔」(乗り場は3階)は高さ45メートルまで上昇する乗り物。さぞかし、西成のドヤ街が眺められたことだろう。破綻する前に一度でも乗っておけばよかった。

エキドナの洞窟

ガン・シューティング・アトラクション「エキドナの洞窟」もご覧の通り閉鎖されてしまった。

たぶん5階

5階のフードコート

3階、新世界アートパーク

このページの写真自体、2005年以前に撮ったものばかりで、実は今ではもう立入禁止になってる区域があるので、もう見納めかも知れない。「スパワールド」の阪神住建がフェスゲの土地を購入した時点で、この建物の運命は決まることだろう。ああ、もったいない。

しかしフェスゲの惨憺たる状況に比べて「スパワールド」の調子は上々である。普段は入浴料金2700円と随分お高いのだが(西成のオッサン除けかも)、夏休みなどによく入浴料1000円キャンペーンをやっているので、たいそう賑わっている。ただし、キャンペーン開催中は大阪中からDQNが群がり、とても気分良く入れるような代物ではなくなるのが欠点か。

フェスティバルゲート最期の姿

フェスティバルゲート

1997年7月18日に大阪新名所として華々しくオープンして、それからわずか7年で経営破綻した都市型遊園地「フェスティバルゲート」。2007年の夏の終わりに、もうすぐ取り壊される?という話を聞きつけ、写真だけ撮ってきました。

フェスティバルゲート

「新世界アーツパーク事業」で入居していたNPO団体は、二転三転する大阪市の方針に翻弄されながら、本来2013年までの活動予定だったのが変更になり、一足先に7月末で撤退している。

ジェラートとクレープの店

その後も1階にはコンビニ「サンクス」、2階には「モスバーガー」とジェラートとクレープの店、それから「大阪プロレス」が残っていた。

デルフィンアリーナ

デルフィンアリーナ

大阪プロレスは8月26日の試合を最後に「デルフィンアリーナ」を道頓堀に移転する。

コースター

頭上には、最近まで稼動していたジェットコースター「デルピス・ザ・コースター」のコースが蛇のようにビルの間を絡んでいる。全部壊してしまうわけで、非常にもったいない。大阪市三セク運営の杜撰な体質は最後までフェスゲに与えられた命を生かしきることはできなかった。

フェスティバルゲート

以下、ひっそりと散った大阪市のバブル遺産、フェスティバルゲート最期の姿をお楽しみ下さい。

フェスティバルゲート

フェスティバルゲート

フェスティバルゲート

さようなら、フェスティバルゲート

<追記>フェスティバルゲートは解体され、その跡地はパチンコ大手マルハンの巨大パチンコホールに変わっております。


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。
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